注目集まるOSSミドルウェアのコスト削減効果OSSはLinuxだけじゃない、JBossに移行で |
オープンソース導入といえば、真っ先に思いつくのはOS。Linuxベースのシステムに移行するということだが、よりコスト上のインパクトが大きいのはミドルウェアのオープンソースへの移行だ。アプリケーションサーバを中心に、エンタープライズレベルのプロダクト群を提供するオープンソース製品「JBoss」について話を聞いた。 |
OSもコスト削減効果の大きい、ミドルウェアでの |
||
限られたIT予算の中でも「攻め」のシステムを構築したいと考えるユーザー企業が、新たなコスト削減のターゲットとしてミドルウェアに注目し始めている。オープンソース・ソフトウェアに基づくミドルウェア製品を採用することで、導入コストの削減だけでなく保守運用コストの削減にも大きな効果を得られることが知られてきたからだ。
JBossは、オープンソース・ソフトウェアに基づくミドルウェア製品として豊富な実績を持つ。「JBossの導入で、保守費用が一桁下がる場合もあります」とサイオステクノロジーの工藤憲幸氏(マーケティング企画部 マーケティンググループ)は話す。システムの構築コスト、運用コストの見直しが進む中で、オープンソース・ソフトウェアに基づく製品とそうではない製品の間のコスト構造の違いが顕著になってきているのである。
商用アプリケーションと異なり、ライセンス料のかからないOSS製品では、運用年数が増えるほどコストに差が出てくることになる |
「試算では、Java EEアプリケーション・サーバでクラスタ機能を利用し、Xeonプロセッサの2CPU構成で5年間運用した場合、合計で数千万円の運用コストの差が出る場合もあります。また、システム増強に伴うミドルウェアのライセンス購入でも、JBossではコスト削減効果が大きいという試算が出ています」(前出の工藤氏)。文字通り1/10近い削減が可能なケースもあるという。ここまで大きな削減効果が得られるなら、削減分を新規開発に振り向ける攻めのIT投資が十分に可能となってくる。
オープンソースのエンタープライズ導入事例といえば、OSにLinuxを採用する事例が目立つが、実際にはミドルウェアの方が、コスト削減に寄与する度合いがより大きい。
「JBossを選ぶ顧客は、ミドルウェアを従来製品からJBossに移行することで保守費用を削減し、その分を戦略的な新規開発に振り向ける例が出ています」(工藤氏)。
ミドルウェアのコスト構造の違いは、そのままユーザー企業の競争力に結びつくのだ。
「1桁違う」コスト削減効果とは |
||
なぜJBossでこのようなコスト削減が可能となるのか。一つの理由は、保守の設定価格が異なることだ。オープンソース・ソフトウェアを元とするJBossは、商用製品に比べ有利なコスト構造を持つ。もう一つの理由は、商用製品では高価なオプション機能が、JBossでは追加費用なしに利用できる場合が多いことだ。
オープンシステムソリューション部 プロフェッショナルサービスグループ 岩本浩氏 |
「JBossでは、クラスタ機能も標準的な価格の範囲に含んでいます。この点もコスト削減につながります」(オープンシステムソリューション部 プロフェッショナルサービスグループ 岩本浩氏)
JBossは、オープンソースのJava EEアプリケーションサーバを中心とするソフトウェア・プラットフォームである。Java EE5標準仕様に準拠するだけでなく、各種オープンソース・フレームワークと親和性が高いことも売り物だ。JBoss Seam、Hibernate、Spring、Struts、GWT、RichFacesなど各種フレームワークのサポートを提供する。
JBossの大型事例は続々と登場している。SBIトレードウィンテックの外国為替証拠金取引システム、ミサワホームの企業ポータル、ベネフィットワンの会員システム、シスメックスのワークフローシステム、セブンイレブンのECサイトなど、大規模かつ基幹業務に関わるシステムでも使われている。
既存システムの移行メニューを用意 |
||
とはいえ、すでにJava EE上に構築したアプリケーションを、新たなミドルウェアに移行するには勇気と決断が必要だ。現実のユーザーはどのように取り組んでいるのだろうか。「移行と新規構築の両方の場合があります。アプリケーション移行の場合、Java EEの標準機能だけを使っている場合は移行は容易ですが、アプリケーション・サーバの独自APIに依存する場合はアプリケーションの書き換えが必要になる場合もあります。移行の際のさまざまな疑問を解決するためにコンサルティング、サポートメニューが各種用意されているのでスムーズに移行が可能です」(前出の岩本氏)。
移行のための支援策として、まずほかの商用アプリケーション・サーバからの移行ガイドとなる詳細なドキュメントが用意されている。JBossを扱うサイオステクノロジーは、JBoss専任エンジニアのチームを用意して、移行作業などに対応する。
移行とは別に、旧製品のサポート切れをきっかけにJBossを採用して新規開発を行うユーザー企業もある。例えば、JDK1.4.2、JDK 5のサポート期限切れをきっかけに、最新のJava EE環境の上にシステムを再構築するケースだ。「JBossを選択する顧客には、そうした積極的な姿勢の方々も数多くいます」(岩本氏)。
コスト削減と攻めのIT投資による競争力の向上を求めるユーザー企業の努力はこれからも続く。オープンソース・ソフトウェアをベースとしたミドルウェア製品は、そうしたユーザー企業の強力な味方となってくれることだろう。
関連リンク |
---|
サイオステクノロジー | |
JBoss Enterprise Middleware |
提供:サイオステクノロジー株式会社
アイティメディア営業企画
制作:@IT 編集部
掲載内容有効期限:2010年03月31日
@IT Special 「アプリケーションサーバ大百科」 |
---|
業務用Webアプリケーションの開発・運営に欠かせないアプリケーションサーバ。オープンソースから製品まで、@ITに掲載されたさまざまな、環境構築の入門やハウツー、開発ノウハウ/Tips記事を紹介する。 |
関連リンク |
---|
サイオステクノロジー | |
JBoss Enterprise Middleware |
関連記事 |
---|
JBossを使ったWebシステム構築を支援、サイオスが開始(@IT Newsinsight) | |
サイオス、Google Apps導入でSIサービス開始へ(@IT Newsinsight) | |
App Engine発表後、クラウド時代に向けJavaの対応が加速(@IT Newsinsight) | |
商用製品と同等の機能でコスト削減可能なオープンソースのミドルウェアといえば? (@IT Specia) |