最新のインテル® Xeon® プロセッサー 5500番台 搭載サーバでSolarisが有利なワケ |
2009年4月にインテルがリリースしたサーバ向けプロセッサ「インテル® Xeon® プロセッサー 5500番台」は、従来シリーズのマイナーモデルチェンジ製品に見えるかもしれない。しかし、これはこれまでの同社製プロセッサを大幅に改良したマイクロ・アーキテクチャ、「Nehalem」を採用したまったく新しい製品だ。この新製品の性能を最大限に引き出す上で、Solaris OSには一日の長があるという。その理由とは? |
NUMAとしてみればSPARCもx86系プロセッサも同じ | ||
Solaris/SPARCで培ってきたものは、最新のx86系プロセッサ上で動作するSolarisでも生きてくる――。こう話すのはサン・マイクロシステムズの的場謙一郎氏(システムズ事業本部 プロダクト営業本部プロダクトマネージャー)だ。動作周波数を重視した性能向上からマルチコア化による性能向上に舵を切ったインテル製プロセッサだが、そのシステム・アーキテクチャは世代を経るごとにSPARCに代表される上位クラスのそれに近づいてきている。もちろん、インストラクションセットで見れば両者はまったくの別物であるが、メモリアクセスのアーキテクチャは、「NUMA」(Non-Uniform Memory Access)と呼ばれるアーキテクチャへと移行している。
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サン・マイクロシステムズ システムズ事業本部 プロダクト営業本部 プロダクトマネージャーの的場謙一郎氏 |
従来のインテル製プロセッサは、複数のコアがあった場合でも、これらが1本のバス(FSB:Front Side Bus)に接続されたメモリコントローラを介してメモリにアクセスするアーキテクチャだった。インテル® Xeon® プロセッサー 5500番台では、メモリコントローラがCPUダイに統合され、低レイテンシーのメモリアクセスを実現している。この「CPUコア」と「メモリ」のセットが「インテル QuickPath インターコネクト (QPI)」と呼ばれる高速なインターコネクトで接続され、単一のメモリ空間を形成するNUMAアーキテクチャを採用した。
「NUMAはCPUを増やすことでメモリ容量も増やせると同時に、CPUコアに接続されたメモリへのアクセスが高速であるという利点があります。その反面、あるCPUコアに接続されていない(遠くの)メモリにアクセスしようとすると遅延が大きくなり、性能向上のボトルネックとなります。SPARCでは2003年からNUMAで性能を上げる仕組みをOSに取り入れています。NUMAとしてみれば、SPARCもインテル® Xeon® プロセッサーも同じで、同じチューニングが使えるのです」(的場氏)。サンは1990年代前半から大規模なマルチプロセッシング技術に基づくサーバを開発し、並列化への取り組みでは先行していたため、SolarisのNUMA対応は早かった。例えば、LinuxやVMware ESXなどのハイパーバイザはコアとアプリケーションを決め打ちにして起動する。これに対して、Solarisでは最適なコアとメモリの場所を選ぶ高度な仕組みを持ち、6コア、12コアとコア数が増えたときに性能を引き出しやすいという。
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インテルとの密な協力がサンの強み | ||
Solaris OSを使うことで、インテル® Xeon® プロセッサー 5500番台の性能を最初からフルに生かすことができる理由の背景には、サン・マイクロシステムズとインテルが密に協業している事実がある。両社は2007年1月にアライアンスを発表して以来、OSやコンパイラといったソフトウェアスタックの基本的な部分で開発を続けている。具体的には、オープンソースで開発が進められている次世代のSolaris OSである OpenSolarisへのインテル社による機能の追加だ。
例えば、インテル® Xeon® プロセッサー 5500番台には時代の要請からアグレッシブな省電力機能が組み込まれている。新たに設けられたC6ステートと呼ぶ状態では、コア単位で電力供給を停止し省電力を実現できる。ところが、一般的にOSの仕事はコアを活用すること。このため、ジョブをすべてのコアにまんべんなく分散させようとしてしまう。「Solaris OSを使えば、負荷が低いときには、あえてジョブを特定のコアに寄せて“空きコア”を作り、コアの電源をオフにします。これは PAD(Power-Aware Dispatcher)と呼ぶアイデアで、C6ステートを活用するための新しいスケジューラです」(的場氏)。
ほかにも、インテルからサンへ寄贈されたコードは多いという。例えば温度や消費電力などに余裕がある場合に規定値を超えるクロックアップを行う「インテル・ターボブースト・テクノロジー」に対して、Solarisはこの状態を認識できる。これもインテルとの協力の成果だ。また、開発環境のSun StudioのコンパイラやJavaテクノロジーにも、最新のインテルの最適化技術が含まれる。さらに、20年以上もエンタープライズ向けOSとして熟成されてきたSolaris OSは、高負荷時であっても優れたI/O性能や信頼性が期待できる。もちろん、OSに統合された高度な分析が容易にできるプロファイラの「DTrace」(解説記事)や、HDDとSSDを混在させてもストレージ管理が容易に行えるファイルシステムの「ZFS」(解説記事)など、システム開発やサーバ運用・管理のための優れたツール群も、Solarisならではのメリットだ。
1Uタイプのインテル® Xeon® プロセッサー 5500番台搭載サーバ「Sun Fire X4170」。メモリを最大144GB、インテル製SSDを含む2.5インチドライブを最大8台搭載できるなど、1Uでありながら大規模なアプリケーションを稼働させられる |
インテル® Xeon® プロセッサー 5500番台を搭載するサーバとして、サンはSun Fire X4170/X4200/4275のラインアップを持つが、この最新プロセッサの性能を引き出すには、実はフォームファクタも無視できないのだと的場氏は語る。例えば1UサイズのSun Fire X4170には3チャンネルのメモリコントローラに対してそれぞれ3本のDIMMスロット、計9スロットがあるが、他社製サーバでは物理的なスペースの制約上スロット数が少ないケースがある。また、メモリと HDDの速度差を埋める存在として注目されているSSDだが、1Uで8台、2Uで16台まで2.5インチドライブを搭載できるSun Fire X4170/X4270シリーズなら、「SSDを2つ、3つ載せても多数のハードディスクを搭載できる。ハイブリッド型の内蔵ストレージを持つにも適した設計」(的場氏)という。
安価で手軽なソリューションとして「x86プラットフォーム+Linux」が躍進する昨今。しかし、サーバ統合などで高性能なハードウェアへ投資を集中させるのであれば、その性能を100%引き出せる「x86プラットフォーム+Solaris」は、より合理的な選択肢ではないだろうか。
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制作:@IT 編集部
掲載内容有効期限:2009年09月18日
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