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企業のIT基盤はいままさに、パラダイムシフトを迎えようとしている。将来の方向は、ITリソースをプール化して用いるクラウド型への移行だ。企業は費用対効果が見られる社外のクラウドの活用を始め、社内IT基盤のクラウド化も指向しつつ、効率的で柔軟なITインフラを構築していくことになる。インテル® Xeon® プロセッサー 5500 番台とヴイエムウェアのVMware vSphere 4は、運用コストを減らしながら、この新たなIT基盤へ移行するためのかぎとなる。 |
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ITのパラダイムシフトを可能にするもの |
ヴイエムウェアが2009年5月に出荷開始した仮想化ソフトウェアの新バージョン「VMware vSphere™ 4」。ハードウェア障害が発生しても、データの損失やダウンタイムなしで継続的な可用性を提供する「VMware FT」など、多数の高度な新機能を搭載していることが話題だ。しかし、その一方で見逃せないのは、特にインテルの最新サーバCPUである「インテル® Xeon® プロセッサー 5500 番台」と組み合わせた際の、パフォーマンスの大幅な強化だ。
インテル® Xeon® プロセッサー 5500 番台はインテルにとってPentium Pro以来の、大きな変革をもたらすCPUだ。前世代と比較して、性能を2倍以上に向上させるとともに、自律的な省電力機能により、さらなる省電力化(ピーク時で12%減、アイドル時で50%削減)を実現。サーバ仮想化支援技術も大幅に進化した。
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インテル マーケティング本部 エンタープライズ・プラットフォーム・マーケティング エンタープライズ・ソリューション・スペシャリスト 田口栄治氏 |
インテル マーケティング本部 エンタープライズ・プラットフォーム・マーケティング エンタープライズ・ソリューション・スペシャリストの田口栄治氏はこの最新CPUのインパクトについて、次のように語る。
「現在、IT基盤は従来の縦割り的なものから、ITリソースをプール化して用いるクラウドへとパラダイムシフトしようとしている。そしてクラウドに求められる3つの要素、つまり性能、低消費電力、仮想化支援機能を、インテル® Xeon® プロセッサー 5500 番台は備えている。このCPUの上でクラウドを支えるのがヴイエムウェアのVMware vSphere 4だ。ユーザー企業はこの組み合わせを採用することで、従来の運用コストを減らしながら、新しい時代に適した新たなIT基盤へ移行することができる。これが、企業として勝ち残っていくための大きな力になる」
インテル® Xeon® プロセッサー 5500 番台で重要なポイントは、投資コストを非常に早く回収できるという点。
2005年に発売されたシングルコア世代のインテル® Xeon® プロセッサー搭載サーバ184台を、同じ台数のインテル® Xeon® プロセッサー 5500 番台搭載サーバに置き換えると、パフォーマンスは最大9倍向上し、年間電力コストは18%削減できる。
別の見方をすれば、このシングルコア・サーバ184台をインテル® Xeon® プロセッサー 5500 番台搭載サーバ21台に置き換えられるということになる。この置き換えをすると、年間電力コストを約90%削減でき、サーバ・ハードウェアへの投資は8カ月で回収できるという。
「2005年以前に導入したサーバであれば、使い続けるよりも置き換えたほうがトータルコストを下げられる。スペースコストの観点からも、9ラック分のサーバを1ラックに減らせる効果は大きい」(田口氏)。
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ヴイエムウェア テクノロジーアライアンス部長 森田徹治氏 |
こうしたサーバの買い替えのメリットが分かっても、なかなか実現できない理由の1つにアプリケーションの問題がある。いったん稼働開始したアプリケーションは、なかなか止めることができない。ましてやサーバの置き換えは、これまで動いていたアプリケーションが動かなくなるリスクがあり、できれば変更したくないというのが運用担当者の本音だ。
そこで重要な役割を帯びるのがサーバの仮想化。「これまでの企業は、サーバ・ハードウェアの調達や代替はリース期間にしばられ、一方でOSのバージョンアップ間隔にもIT投資が左右されてしまう。しかしサーバ仮想化で、アプリケーションのライフサイクル管理とサーバ・ハードウェアのライフサイクル管理を完全に切り離すことができる」とヴイエムウェア テクノロジーアライアンス部長の森田徹治氏は話す。一度アプリケーションをOSごと仮想化してしまえば、その後はサーバ・ハードウェアの変更も柔軟に行うことができる。アプリケーションは、必要に応じて「延命」できることになる。
例えばWindows NT上の業務アプリケーションも、仮想化してインテル® Xeon® プロセッサー 5500 番台搭載サーバの1コアで動かすことにより、10年前のサーバCPUで動かすよりも高速化し、なおかつ管理の手間や心配、関連コストを大きく減らせるといったシナリオが描ける。VMware vSphere 4が備えるVMware FTやVMware HA、VMotionなどの機能を使えば、可用性やメンテナンス性は大幅に改善する。
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VMware vSphere 4はどう高速になったか |
vSphere 4のハイパーバイザであるVMware ESX 4.0は、これまでのESX 3.xに比べ、飛躍的な高速化を果たした。この高速化はさまざまな側面から実現されている。
1つはハイパーバイザであるESX自体の動作の高速化。32ビットから64ビットへとアーキテクチャが進化、これによりCPUとメモリの能力をさらに引き出せるようになった。
2つ目はネットワーク・パフォーマンスの改善。ESX 4.0では新世代のネットワークドライバVMXNET3によってスループットを大幅に向上している。また、TCPオフロードやジャンボフレームのサポートなどで、高速化とCPU負荷の軽減を同時に実現している。10Gbpsイーサネットのサポートが実現したことも大きい。各サーバでは多くの場合、複数のネットワークアダプタの代わりに1枚の10Gbpsイーサネットアダプタを装着するだけで、サーバ仮想化に十分なネットワーク帯域を活用できることになった。10Gbpsを論理的に分割して使うことで、ネットワーク配線の物理的な追加や変更が不要になるため、運用コストの低減にもつながる。
3つ目は最新CPUが搭載するハードウェア仮想化支援技術の活用。インテルは最新CPUのインテル® Xeon® プロセッサー 5500 番台では、仮想化支援技術の進化とともに、「エクステンデッド・ページ・テーブル」(EPT)という新機能を搭載した。仮想―物理のメモリアドレス変換のためのページテーブルをCPUがハードウェア的に管理することにより、仮想化環境における性能が向上した。
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ESX3.5と比べ、ESX4.0ではアプリケーション実行時の効率性が大幅に向上(画像をクリックすると拡大します) |
4つ目はチップセットおよびI/Oアダプタとの連係によるI/Oの高速化。「VMDirectPath I/O」とも呼ばれるが、仮想マシンを直接特定の通信ハードウェアと結び付けることで、頻繁にI/Oが発生するアプリケーションの高速化が実現した。
そして高速化に関する最大のポイントは、インテル® Xeon® プロセッサー 5500 番台のCPU自体の処理能力を存分に活用できる点にある。
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vSphere 4はこのようにさまざまな点で、パフォーマンス向上と統合率改善が図られている(画像をクリックすると拡大します) |
VMware vSphere 4とインテル® Xeon® プロセッサー 5500 番台搭載サーバの組み合わせでのパフォーマンス向上により、企業のアプリケーションは相当に大規模なものも含め、仮想化上で運用しても性能の問題はほとんどなくなってきた。
大規模データベースでも仮想化して十分性能を発揮することができるが、I/O負荷が高いデータベースは仮想化に向かないという誤解はいまでも多い。
しかしどうだろう。下のグラフはインテル® Xeon® プロセッサー X5570とESX 4.0を用い、TPC-Cに非常に近いベンチマークテストでOracleのパフォーマンスを計測した結果を、物理環境での同じテストの実行結果と比較したものだ。2 vCPU(2つの仮想CPU)から8 vCPUまで、十分なスケーラビリティを発揮している。8 vCPUの場合でも物理環境の85%程度のスループットを安定的にたたき出していることが分かる。1つの仮想マシンで、世界中のVISAカードの決済処理の5倍の処理能力を発揮できるほどの性能である。
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ESX 4.0と物理環境のOracleパフォーマンス比較。CPU数が増えるに従い、仮想化環境でもパフォーマンスがリニアに向上している(画像をクリックすると拡大します) |
VMware vSphere 4では仮想マシンの稼働を止めることなく、仮想マシンへの割り当てCPU数を最大8基まで追加することができる。メモリについてもオンライン状態で最大255GBまで拡張可能だ。パフォーマンスの向上に、このようなホット・アド機能が加わることで、アプリケーションのパフォーマンス管理はさらに容易になる。
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省電力性能も次世代への移行のカギ |
インテル® Xeon® プロセッサー 5500 番台とVMware vSphere 4の組み合わせが実現するもう1つの重要なポイントは、積極的な消費電力の削減だ。
インテル® Xeon® プロセッサー 5500 番台は、アイドル状態のコアだけを対象に、消費電力をほぼゼロにすることができる。また、プロセッサーだけにとどまらず、DDR3メモリに搭載された温度センサなどと連携した、システムレベルでの電力管理が可能となっている。
一方、VMware vSphere 4では、従来試験的にサポートしていたVMware DPM(Distributed Power Management)機能を正式にサポートした。このVMware DPMとは、物理サーバの能力に比べて稼働する仮想マシンの数が少ない場合、仮想マシンを自動的に“片寄せ”して最小限のサーバにまとめ、使わないサーバの電源を切るというもの。もちろん、突然システム負荷が高まった場合には再び眠らせていたサーバを起こして、十分なコンピュータリソースを割り当てることができる。これにより、特に夜間や休日などにおける無駄な電力消費を、人手をかけることなく削減することが可能だ。
パフォーマンスと省電力は、企業のITシステムを次世代に導くパスポートだ。インテル® Xeon® プロセッサー 5500 番台とVMware vSphere 4は、まさにこれを実現する最強のコンビといえる。
提供:インテル株式会社
ヴイエムウェア株式会社
アイティメディア 営業企画
制作:@IT 編集部
掲載内容有効期限:2009年7月29日
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