日本HPがWindows Server 2012のポテンシャルを最大限に引き出すプラットフォームを提供できる理由とはWindows Server 2012 パートナーインタビュー

日本ヒューレット・パッカードは、ワールドワイドでマイクロソフトと密接なパートナー関係を築いており、業界唯一の「フロントラインパートナーシップ」を結ぶ両社のその歴史は長期にわたる。その成果の最たるものといえる「HP ProLiantサーバー Generation 8」やWindows Server 2012の有力なソリューション「HP BladeSystem」の肝であるI/O仮想化テクノロジー「HP バーチャルコネクト」について担当者に聞いた

» 2012年10月10日 10時00分 公開
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Windows Server 2012の開発機は「HP ProLiantサーバー」という事実

 日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)は、ワールドワイドでマイクロソフトと密接なパートナー関係を築いており、業界唯一の「フロントラインパートナーシップ」を結ぶ両社のその歴史は長期にわたる。その中でも、「Windows Server」に関しては、開発からデリバリ、サポートを含むシステムライフサイクル全体での協業を行っている。今回新たにリリースされる「Windows Server 2012」についても、このパートナーシップを基に、両社は密に協力して開発を進めてきている。

 「フロントラインパートナーシップは、単なる“技術協業”や“共同検証”とは全くスケール感が違うもので、Compaq時代から20年以上にわたり、グローバル展開されている業界唯一の提携となる」と話すのは、日本ヒューレット・パッカード サーバー・ネットワーク製品統括本部 製品戦略室 室長の荒木裕介氏。

日本ヒューレット・パッカード サーバー・ネットワーク製品統括本部 製品戦略室 室長 荒木裕介氏 日本ヒューレット・パッカード サーバー・ネットワーク製品統括本部 製品戦略室 室長 荒木裕介氏

 大きなポイントは、当社の「HP ProLiantサーバー」が、Windows Server 2012の開発プラットフォームとして使われていることだ。「マイクロソフトの開発用サーバの多くはHP製のサーバであり、Windows Server 2012のチューニングやテストは、『HP ProLiantサーバー』で行われている」(荒木氏)

 通常、ベンダは、「Windows Server 2012」RC版(製品候補版)がリリースされてから、それぞれシステムやソリューションの動作検証に入るが、HPではフロントラインパートナーシップの下、「Windows Server 2012」ベータ版の段階から動作検証を実施。デバイスドライバや対応ツールの早期リリースを実現している。

 具体的には、他社に先駆けて、6月から技術情報ページで対応ドライバ、対応ファームウェアを公開したほか、8月にはService Pack for ProLiant WS2012 RC用特別バージョンを公開。そして、9月にはService Pack for ProLiant WS2012製品出荷版用特別バージョンを公開した。現在販売されている「HP ProLiantサーバー」の主力全機種において、Windows Server 2012の動作検証を完了しているという。

“自働サーバー”を実現するHP ProLiantサーバーの新世代モデル「Generation 8」がサーバ運用管理を効率化する4つの新機能

 「さらに3月にリリースした、『HP ProLiantサーバー』の新世代モデル『Generation 8(以下、Gen8)』では、スケーラビリティが向上したWindows Server 2012の搭載を前提として開発を進め、サーバー運用管理を効率化するためのさまざまな新機能を備えた“自働サーバー”を実現した」(荒木氏)

 また、「単にWindows Server 2012に対応しただけではなく、『HP ProLiantサーバー』の新世代モデルではWindows Server 2012のポテンシャルを最大限に引き出すため、大幅に運用管理機能を強化した」と荒木氏は力を込めて話す。

 例えば、「HP ProLiantサーバー Gen8」に搭載されている「インテリジェント・プロビジョニング機能」は、セットアップやメンテナンスを実施するためのさまざまなツールを標準で組み込んで提供する機能。従来のように、セットアップ/メンテナンス用メディアやOSメディアを使わずに、「F10」キーを押すだけで容易にサーバのセットアップが可能となる。これにより、セットアップ作業の標準化と自動化を実現する。

 また、インテリジェント・プロビジョニング機能は、サーバのセットアップ中にファームウェアやドライバなどのシステムソフトウェアを自動的に最新版へ更新する機能を提供している。これにより、常に最適なハードウェア環境でWindows Server 2012を導入可能だ。

 また、「HP ProLiantサーバー Gen8」では、従来通りサーバ上にエージェントソフトをインストールする方式の監視に加え、OS上の監視エージェントを必要としない「エージェントレス監視機能」を提供する。サーバ内部に搭載されている管理プロセッサー「iLOマネジメントエンジン」から、ハードウェアベースのサーバ監視が可能となった。

 さらに、最新の統合管理ツール「HP Insight Control for Microsoft System Center」では、Microsoft System Center環境で動作するHP製サーバを総合的に管理することが可能。これにより、ハードウェアの障害監視からサーバ配備機能、仮想マシンの管理、パフォーマンス管理、電源管理などまで、物理・仮想環境の一元管理を実現する。

統合管理ツール「HP Insight Control 7.1」の特徴 統合管理ツール「HP Insight Control 7.1」の特徴

 このほか、「サーバ版“フライトレコーダー”」ともいえる「アクティブヘルスシステム」を搭載しているのも特徴だ。この機能では、1600以上のパラメータを常に監視し、各種ハードウェア情報を常に診断、収集するとともに、ログをHPの保守窓口に送付する。送付されたログは、保守担当者が多面的な分析を行い、顧客も気付かない小さな変更情報も特定し、迅速な問題解決を支援するという。

Windows Server 2012の有力なソリューション「HP BladeSystem」の肝、I/O仮想化テクノロジー「HP バーチャルコネクト」とは

 こうした新たな運用管理機能は、Gen8シリーズ共通の特徴だが、これに加えて、Windows Server 2012が指向する仮想化・クラウド環境への適用から、日本HPがベストソリューションとして提案しているのがブレード型サーバの「HP BladeSystem」だ。

 「HP BladeSystemは、統合管理やネットワーク集約、省電力性といったさまざまなメリットを提供し、あらゆるサーバ環境で豊富な実績を誇るプラットフォーム。昨今では、サーバ仮想化ソリューションとの相性の良さが評価され、数多くの顧客でブレードと仮想化の組み合わせが導入されている。一方で、仮想環境への集約率が高まるにつれて、ネットワーク設計の複雑化やI/Oボトルネックの発生が課題として顕在化してきた。これに対して、『HP BladeSystem』では、I/O仮想化テクノロジー『HP バーチャルコネクト』を提供することで、ネットワーク環境の柔軟性向上を実現する」(荒木氏)

HP バーチャルコネクトによる柔軟性の向上 HP バーチャルコネクトによる柔軟性の向上

 従来、物理I/Oポートを増設するためには、サーバブレードへのメザニンカード増設とネットワーク機器の増設が必要だった。一方、「HP バーチャルコネクト」では、1つの10Gb物理ポートを4つの論理的なポートに分割して利用できる「ポート分割機能」を提供。

 さらに、分割したポートは帯域を自由に設定できるため、メザニンカードやネットワーク機器を増設することなく、ネットワーク構成を柔軟に構築できる。また、接続するセグメントや帯域はオンラインで自由に設定変更可能なため、システム稼働後に設計変更が必要になった場合でも柔軟に変更可能だ。

 これにより、仮想化集約におけるI/Oボトルネックを解消し、パフォーマンスのさらなる向上を図ることが可能だ。

@IT読者が気になるサーバ仮想化導入・運用時の課題とは

 アイティメディアが、@IT読者向けに実施したWebアンケート調査によると、全体の6割弱が「すでにサーバ仮想化を実施している」と回答。そして、サーバ仮想化導入・運用時の課題については、トップが「システム運用管理の複雑化」(39.3%)、次いで2位が「システム性能/パフォーマンス低下」(36.4%)となっている。

 この結果から見ても、日本HPの提案する「HP ProLiantサーバー Gen8」による運用管理の効率化、および「HP BladeSystem」によるI/Oパフォーマンスの向上は、仮想化導入において多くの企業が悩んでいる課題をピンポイントで解決するソリューションといえよう。これらのソリューションにWindows Server 2012が搭載されることで、仮想化導入へのハードルが一気に下がることが見込まれる。

 「発売前から、ユーザーのWindows Server 2012への期待度はかなり高いことを実感している。特に、仮想化ソフトウェアのHyper-Vの機能が大幅に強化されるとの情報が広がってからは、当社にもWindows Server 2012の対応状況についての問い合わせが増加した」(荒木氏)

Windows Server 2012へのアップグレードやソフトウェア更新作業の時間を大幅に短縮

 調査結果から見て気になるのが、既存の「HP ProLiantサーバー」ユーザーのWindows Server 2012へのアップグレードだろう。

 これについて荒木氏は、「『HP ProLiantサーバー Gen8』では、Windows Server 2012へ最適化させるためのアップグレード機能が標準で提供される。他のベンダでは、CDやDVDでアップグレードキットを提供し、実際のアップグレード作業は顧客に任せているケースがほとんどだ。当社の場合は、最新のシステムソフトウェア(ファームウェアやドライバ)がHP Webまたはリポジトリサーバから適用され、自動でアップグレードが完了する。そのためユーザーは、アップグレードに余計な工数を掛ける必要はなくなる」と説明。

 また、荒木氏は「『HP ProLiantサーバー Gen8』を活用することで、Windows Serverのセットアップを含めた作業効率を3倍に向上できるとともに、バージョンアップなどのソフトウェア更新作業を従来よりも69%短縮できる」としている。

 今年3月にリリースした新世代モデル「HP ProLiantサーバー Gen8」は、現在、好調に販売が推移しており、2012年上半期、IDCの国内x86サーバ市場調査においてHPが出荷台数トップシェアを獲得しているという。同社は既に、Windows Server 2012のOEM販売を開始しており、テクニカルサポートも24時間365日のサービスメニューを含めて販売中だ。今後、Windows Server 2012のメインプラットフォームとしてさらなるシェア拡大を目指す考え。

仮想化を導入しようという企業は、まだまだ多い

 荒木氏は、「アイティメディアのアンケート調査を見ても、これから仮想化を導入しようという企業はまだまだ多い」と述べた。Windows Server 2012がリリースされれば、中小企業から大企業まで、いままで仮想化を検討していた企業が、本格的に仮想化導入に動き始めると見ている。

 「その際には、スタンドアロンサーバ数台というレベルではなく、可用性や運用性を考えて、ある程度の規模の仮想化システムが求められるはず。そうなると、高集約、高性能、省スペース、省電力のメリットがあるブレード型サーバ『HP BladeSystem』のニーズはさらに高まるもの」(荒木氏)と期待している。

 さらに荒木氏は、「この『HP BladeSystem』に『HP ProLiantサーバー Gen8』の持つ優れた運用管理機能、そしてWindows Server 2012を組み合わせて仮想化の利便性を積極的に訴求していきたい」と意欲を見せていた。

■この記事に関連するホワイトペーパー

HP Insight Control for Microsoft System Center で拡張される機能概要

HP Insight Control for System Centerソフトウェアの拡張機能を統合することにより、時間とコストを節約し、System Centerコンソールで、Microsoftのアプリケーションと、HP ProLiantとHP BladeSystemコンポーネントをシームレスに管理することができます。


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提供:日本ヒューレット・パッカード株式会社/日本マイクロソフト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2012年11月9日

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