VM Poolを中心にWindows Serverソリューションを拡張するCTCSystem Centerとの連携によって運用負荷を下げて他社と差別化

日本マイクロソフトのパートナーとして、「Windows Server」をベースとしたプライベートクラウドソリューション「VM Pool」を提供する伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)。Windows Serverの最新版となる「Windows Server 2012」では仮想化機能がさらに強化されており、顧客への選択肢が広がったという。CTCはWindows Server 2012の機能向上をどうとらえ、いかにして自社のソリューションに活用しようとしているのだろうか。

» 2012年10月17日 10時00分 公開
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 伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)では、プライベートクラウドを構築するためのソリューションとして、2008年より「VM Pool」を提供している。これは、仮想化ソフトとサーバ、ストレージを組み合わせて事前検証し、最適な形で顧客に提供するものだ。設計書や手順書はあらかじめ用意されており、インストール、運用、操作などの一連の作業もテンプレート化されている。そのため、顧客の要件に合わせて短期間でカスタマイズできるという。仮想化ソフトとしては、日本マイクロソフトの「Hyper-V」やヴイエムウェアの「VMware vSphere」に対応しており、ストレージはネットアップのユニファイドストレージ「NetApp FAS」シリーズと、EMCジャパンの「VNX」シリーズに対応している。

青山氏 CTC ITエンジニアリング室 プラットフォーム技術部 インフラソリューション推進課 課長 青山真己氏

 CTC ITエンジニアリング室 プラットフォーム技術部 インフラソリューション推進課 課長の青山真己氏は、VM Poolについて、「作業がテンプレート化されているため工数が抑えられ、納品までの期日が短縮できる。また、これまで利用していたシステムやユーザーの好みなどに合わせて柔軟な組み合わせが可能だ」と説明する。2008年という仮想化黎明期から同技術に取り組んでいたこともあり、「実績も十分」と青山氏は胸を張る。

 現在のVM Poolにおけるサーバは「Windows Server 2008」と「Hyper-V 2.0」がベースとなっているが、CTCでは「Windows Server 2012」への対応準備を着々と進めており、Windows Server 2012への完全対応は、年内を予定しているという。

機能強化されたHyper-Vへの期待

 Windows Server 2012では、仮想化機能が前バージョンである「Hyper-V 2.0」から大幅に強化された。Hyper-V最新版では、最大320基の論理プロセッサ、4テラバイトの物理メモリ、仮想マシンごとに最大1テラバイトのメモリ、64基の仮想プロセッサをサポートし、クラスタ環境で最大4000台の仮想マシンが実行可能となっている。

図版 VM Pool Hyper-V版のシステム構成図

 スケーラビリティが向上したことはもちろんだが、今回のHyper-Vでは仮想マシンの非同期レプリケーション機能「Hyper-Vレプリカ」も注目されている。この機能をディザスタリカバリ(DR)のひとつの手法ととらえることも可能なためだ。CTC ITエンジニアリング室 プラットフォーム技術部 ICTソリューション推進課の杵島正和氏は、「東日本大震災以降ディザスタリカバリの検討をする企業は増えているが、膨大な手間と時間がかかるためうまく進まず、バックアップを取るだけにとどまっているケースも多い。それよりは、Hyper-Vレプリカで仮想マシンをレプリケーションしておくのもひとつの手だ」としている。また、「データセンター事業者がHyper-VベースのIaaSを提供する中で、仮想マシンをディザスタリカバリサービスとして提供することもできるだろう」と杵島氏は話す。

 Windows Server 2012では、Active Directoryの仮想化に対応したことも大きなポイントだ。Active Directoryのクローン展開も可能となり、スナップショットにも対応したことから、「仮想化運用に十分耐え得るようになった」と杵島氏。Active Directoryを仮想化したいという要望は、以前から非常に高かったという。

 さらに、新しいHyper-Vでは、ストレージの仮想化やネットワークの仮想化にも対応している。CTCでは、こうした機能を活用したテンプレートの作成も検討中だ。

Windows Server 2012で広がる顧客層

 CTC ITエンジニアリング室 プラットフォーム技術部 部長代行 兼 ICTソリューション推進課長の松崎雅浩氏によると、これまでHyper-Vを利用する顧客はマイクロソフト製品への依存度が高い顧客が中心だったというが、今回の機能強化でHyper-Vの顧客層が広がるだろうとしている。

 実際、同社が扱うソリューションの中でも、Hyper-Vの比率が徐々に上がってきているという。「機能面では、すでにハイパーバイザで差をつけることが難しくなってきた」と杵島氏。そうなると、「価格や使いやすさ、実績、好みなどの問題となる。価格的にはマイクロソフトが有利であることはもちろん、Windowsに使い慣れている人も多い」と杵島氏は言う。

 また、松崎氏は、「ハイパーバイザ以外の製品との連携という観点からは、やはりマイクロソフト製品の一体感が高い。特に、System Centerと連携して運用管理の負荷を下げることで、顧客メリットを出すこともできる。CTCとしても提案できる選択肢が増える」と話す。Windows Server 2012とSystem Center 2012を連携させたシステムの検証は、CTCでも10月以降に進める計画だ。

 今後CTCでは、VM Poolのソリューションとして、Windows Server 2012とSystem Centerを組み合わせた新しいプライベートクラウド基盤を推し進めたい考えだ。そのためにも同社は、日本マイクロソフトと共同で、Windows ServerだけでなくSystem Centerも含めたシステムが提案できるようなエンジニアを育成する計画だという。「Windows Serverが扱えるエンジニアは多いが、System Centerはこれからの製品。ここまで含めたシステムが考えられるエンジニアが必要だ」と杵島氏は述べている。

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提供:伊藤忠テクノソリューションズ株式会社/日本マイクロソフト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2012年11月16日

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