富士通は、2013年11月20日にマイクロソフトとの協業として、クラウド分野での戦略アライアンスを発表。このアライアンスで富士通とマイクロソフトは、オンプレミス、プライベートクラウド、パブリッククラウドの3領域で協業し、ハイブリッドクラウドを実現する新たな製品やサービスで顧客のニーズに迅速に応えていく。
富士通は、2000年にマイクロソフトとアライアンスを締結して「Fujitsu Windows Platform Center」を設置してから現在まで、IT市場の動向や顧客のニーズに合わせてさまざまな協業を行ってきた。
「富士通とマイクロソフトはプラットフォームからソリューションまで幅広く協業し、エンタープライズ領域でのWindowsビジネスを強化してきました。2010年にはクラウド分野での戦略アライアンスも締結しています。今回のWindows Server 2012 R2は、マイクロソフトがクラウドで培ったノウハウを、シームレスなIT基盤の構築を目指す“クラウドOS”というビジョンを反映し、ハイブリッドクラウドを実現するOSです。オンプレミスからプライベートクラウド、パブリッククラウドまでをシームレスにつなぐことを目指すものであり、これは富士通のコンセプトにも合致するため、今回のクラウド分野でのアライアンスが実現し、新たな取り組みとして進めています」と統合商品戦略本部SVP(商品企画担当)の谷村勝博氏は話す。
富士通は2013年5月に発表した「FUJITSU Cloud Initiative」でクラウド商品やサービス群を一新、体系化してクラウドファーストのニーズに対応してきた。今回の協業では、FUJITSU Cloud Initiativeのコンセプトの下、Windows Server 2012 R2やSystem Center 2012 R2といったマイクロソフトの最新ソリューションと富士通のハードウェア、技術、ノウハウ、サービスなどを組み合わせることで新たな価値を生みだし、クラウドの形態や場所にかかわらず、業務アプリケーションを共通のテクノロジー上で開発・運用できる柔軟で俊敏なプラットフォームを提供する。
具体的には、オンプレミスの「FUJITSU Integrated System Cloud Ready Blocks」(以下、Cloud Ready Blocks)、プライベートクラウドの「FUJITSU Cloud Private Hosted A5+ for Windows Server」(以下、Private Hosted A5+)、パブリッククラウドの「FUJITSU Cloud PaaS A5 for Windows Azure」(以下、PaaS A5)といった製品・サービスなど、クラウドプラットフォームのラインアップを強化。その基盤上にExchangeやSharePoint、Lyncなどのコミュニケーションサーバー製品を対応させ、クラウドサービスとして新たに提供を開始(FUJITSU Cloud エンタープライズコミュニケーションサービス)。さらに、マルチクラウド環境での統合運用・統合監視のためのサービスやソフトウェアにより、最適なIT環境とシームレスな運用管理を実現する。
「多様化するニーズを踏まえ、お客さまのモダナイゼーションやイノベーションをクラウドで支えるためには、マルチクラウド上における業務アプリケーションの高い互換性確保や、運用を横串で共通化できる仕組みが必要です。富士通は、マイクロソフトの最新ソリューションを活用して、最適なハイブリッドクラウド環境の構築・運用を実現し、お客さまに提供しようと考えています」とサービスビジネス本部クラウドビジネス推進統括部クラウドサービス推進部マネージャーの藤健太郎氏は話す。
パブリッククラウドの「PaaS A5」は、富士通のデータセンターで提供しているWindows Azureサービスの環境を、今後開設予定の日本国内の東西のマイクロソフトのデータセンターに移し、新たにリニューアルする。
Windows Azureの最新機能に富士通独自のサポートやソフトウェア、監視・運用などの付加価値サービスを追加することで、最適な運用管理や高品質なサポートを受けられ、日本国内だけでなくマイクロソフトの他のグローバルセンターも活用することができる。
「Private Hosted A5+」は、2013年11月から新たに提供を開始する、Windowsアプリケーションに最適なプライベートクラウドである。Hyper-VやSystem Centerを活用して、VM単位もしくはサーバ単位のリソースを月額定額料金で提供する。
個別のセキュリティポリシーへの対応や、専用線接続などの柔軟性のあるシステムカスタマイズ、顧客固有の運用への対応などでプライベートクラウド環境を実現し、高度に統合された運用管理機能とともに顧客の基幹業務を支える。さらにWindows Server 2012 R2を搭載することで、パブリッククラウドやオンプレミスとの密接な連携が可能になり、PaaS A5にデータをバックアップしたり、PaaS A5の機能を使って、容易にDR環境を構築・制御することができるようになる。
「Cloud Ready Blocks」は、プライベートクラウドの設計、構築、運用に必要な要素をパッケージ化し、オンプレミスで提供する垂直統合型の製品。仮想化環境やプライベートクラウドの迅速な導入と容易な運用を可能にし、ITシステムのライフサイクル全般にわたる運用負荷を軽減することで、顧客のインフラモダナイゼーションの展開を強力に推進する。
「お客さまのハイブリッドクラウドに対するニーズは、非常に高まっています。富士通は、マルチクラウド環境上におけるアプリケーションの流動性/移行性、および異なるクラウド環境での統合運用管理を強化。さらにクラウドインテグレーションによって、お客さまにとって利便性の高いハイブリッドクラウドソリューションを展開していきます」と話す谷村氏。
富士通は5月のFUJITSU Initiative発表に続き、マイクロソフトのクラウドOSと連携したハイブリッドクラウドへの取り組みを新たに強化する。これまで、顧客の多様なニーズや期待に応え続ける中で同社が培った業務やシステムの知識、世界初のクラウドセキュリティ専門チームやサービスデスクの体制、グローバルに展開するデータセンター、などが同社のクラウドを支えている。
さらに同社は、マイクロソフトのクラウドOSビジョンをワンストップで実現できる唯一のパートナーであり、今後も両社のパートナーシップをさらに強化し、顧客のイノベーションを支える最先端のクラウドサービスを提供し、サービスの拡充と統合運用をグローバルに展開していく。
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提供:富士通株式会社/日本マイクロソフト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2013年12月20日