海外拠点の端末・セキュリティ管理を現地スタッフに任せきりの企業は少なくない。大手ゼネコンが採用した、現地語サポート・現地決済可能な海外拠点のIT資産管理・セキュリティ対策とは───。
昨今、IT資産管理ツールの重要性がさらに高まってきている。
従来、IT資産管理ツールは企業が所有しているPCやソフトウェアのライセンスを管理することが主な役割であった。しかし、近年では、ウイルス対策や最新パッチの適用、違反ソフトウェアのチェックなど、ライセンス管理だけではなく、セキュリティ管理を行うことも必要不可欠になっている。
一方で、海外のグループ企業をITガバナンスの対象にしている企業は、まだまだ少なく現地任せの企業が多い。しかし、倫理観の違いからセキュリティ対策をモラルやマナーに頼るには限界があるため、ITによるセキュリティ強化が求められつつある。だが、国内での導入が多い従来のオンプレミス版のIT資産管理ツールでは、海外の各拠点にサーバーを設置し、端末をLAN接続する必要があり、多大な導入コストが掛かる点が大きなネックとなっていた。
つまり、海外拠点の端末管理をしたくても、諦めざるを得なかったのが実状だ。
こうした市場背景の中で、注目を集めているのがサイバネットシステムが提供する「PC&モバイル管理サービス」だ。このサービスは、同社が展開している「サイバネットクラウド」のサービスメニューの一つで、2011年12月に提供を開始。すでに多くの企業に導入されているが、その中で注目されるのが、インドネシアやシンガポールなどの東南アジアを中心に導入が進んでいることだ。
サイバネットシステム IT事業部 技術部 技術第2グループ サブマネージャーの瀬賀聡氏は、クラウドサービスとして提供するメリットについて、次のように説明する。
「当社の『PC&モバイル管理サービス』はクラウドで提供するため、物理サーバーを用意することなく、PCやスマートデバイスなどの端末が社内LANに接続されていなくても、インターネット接続環境があれば、簡単にサービスを導入できる」
提供開始した当初は、国内拠点を中心にPCとスマートデバイスの一元管理を実現するサービスとして提案を進め、多くの企業に導入が進んでいたが、海外拠点でも同様に端末管理を行いたいというニーズが高まってきた。
「そこで、当社では、クラウドサービスで導入・運用が容易な『PC&モバイル管理サービス』を、国内だけではなく、海外拠点の端末管理を実現するソリューションとしても積極的に提案している」(瀬賀氏)
「PC&モバイル管理サービス」は、基本機能として、日本語・英語・中国語の多言語に対応しており、管理画面も3カ国語で表示できるため、海外拠点の担当者も問題なく使うことができる。
また、グループ管理機能を備えているため、各支店、現地法人ごとに管理用のサイトを作成し、各国のセキュリティ管理状態も把握できる。IT管理者のいない拠点では、本社が日本から直接端末を管理できる他、現地にIT管理者がいる場合には、現地のIT管理者に運用を任せて、本社は定期的にセキュリティ状態のチェックのみを行うという運用も可能だ。
さらに同社では、海外拠点でのサービス導入を支援するための施策として、現地決済が行える体制を整えている。
これについて、サイバネットシステム IT事業部 営業部 東日本営業グループ サブマネージャーの石川龍太郎氏は次のように話す。
「現地決済については、兼松エレクトロニクスと協力し、同社が窓口になって、タイ、インドネシアなどの東南アジア各国の現地通貨でサービスを提供している。併せて、新興国向けの特別価格も用意し、現地拠点が現地の予算でサービスを購入しやすいようにした。本社から与えられるのではなく、自分たちの予算でサービスを導入することで、責任感が生まれ、サービスの活用促進にもつながると考えている」(石川氏)
サポートについては、Web会議システムを活用し、現地の担当者に直接サポートを行っているという。また、現地のパートナー企業のトレーニングも行い、現地企業による、現地語でのサポート体制の強化にも力を注いでいる。
また石川氏は、「PC&モバイル管理サービス」が実際に海外拠点で活用されている事例を次のようにアピールした。
「鹿島建設では、『PC&モバイル管理サービス』を利用し、日本から海外土木支店 台湾営業所の端末管理・運用を行っている。台湾をモデルケースに、他の海外拠点にも展開予定であり、実際に6ヵ国(台湾、シンガポール、インドネシア、ベトナム、エジプト、タンザニア)のPCにエージェントをインストールし、検証を重ねた結果、PC&モバイル管理サービスは問題なく利用できると判断していただいた。
また竹中工務店では、グループ・グローバル経営の強化に向けて、海外拠点や国内グループ企業のIT資産管理・セキュリティ対策を一元管理するため『PC&モバイル管理サービス』を展開。現時点では、インドネシアの現地法人で先行展開しており、将来的には海外拠点・現地法人だけではなく、国内のグループ会社にも展開する計画である。
このように、専任のIT管理者がいない海外拠点に対して、日本からインベントリ収集やソフトウェアライセンス管理、Windows Updateやセキュリティパッチの適用状態を監視するために『PC&モバイル管理サービス』を導入するケースもあれば、海外拠点のみならず国内グループ会社も包括してITガバナンスを強化するケースもある。サイバネットシステムでは、お客さまの環境や状況に合わせて柔軟に運用・管理方法を提案しているので、気軽に相談していただきたい」(石川氏)
ローオペレーションと導入のしやすさでIT管理者の運用負荷を大幅に軽減できる点も、「PC&モバイル管理サービス」の大きな特長だ。
IT資産管理ツールを運用するに当たっては、通常、専任のIT管理者が必要となるケースが多い。しかも、ライセンス管理からセキュリティ管理までをカバーし、さらにはPCとスマートデバイスを別々のツールで管理するとなると、IT管理者の運用負荷が増大し、結果的に使われなくなってしまうケースも少なくない。そこで、ライセンス管理からセキュリティ管理まで包括的な機能を備え、PCとスマートデバイスを一元的に管理できる資産管理ツールのニーズが高まっているのである。
オンプレミス型のIT資産管理ツールは、社内にある端末の情報は自動で収集してくれるが、パッチやパターンファイルの最新情報はIT管理者が自分で入手しなくてはならない。さらに、収集された膨大な端末情報に対してフィルタリングを掛け、最新のパッチやパターンファイルが適用されていない端末を見つけ出していく作業が必要になる。
「中小企業では、総務部門がIT管理者を兼任するケースもあり、こうした作業が大きな業務負荷になってしまっていた。『PC&モバイル管理サービス』では、ソフトウェアプロファイルによって、リアルタイムでOSごとの最新パッチや各種ウイルス対策ソフトの最新データベースを把握しており、端末がセキュアな状態かどうかを自動でチェックしてくれる。そのため、IT管理者は、1日1回の報告メールを見るだけで、パッチやパターンファイルを調べる必要がなくなる」(瀬賀氏)という。
さらに、リポート画面も、IT資産管理の専門知識を持たない担当者でも、直感的に分かるようにデザインされている。例えば、「ウイルス対策ソフト/パッチ適用診断」のリポート画面では、Windowsセキュリティパッチ未適用のPCが円グラフで赤く表示され、グラフをクリックするだけで未適用のPCを一覧でチェックできる。また、各PCの未適用パッチの種類も自動でリポートされる他、ウイルス対策ソフトのインストール状況や、パターンファイルの更新状況の診断も可能となっている。
もちろん、スマートデバイスのハードウェアやソフトウェアのインベントリ情報も自動収集しており、PCとスマートデバイスを一元的に管理し、セキュリティ脆弱性のある端末を素早く発見できる。万が一セキュリティ脆弱性のある端末が見つかった場合には、IT管理者がその端末のユーザーに連絡し、最新のパッチやパターンファイルを適用するように指示することで、端末からの情報漏えいを未然に防ぐことができるのである。
このように、「PC&モバイル管理サービス」は、容易に導入でき、ローオペレーションで運用できるのが特長だ。さらに、現場で実際に活用してもらえるように充実したサポートも提供しているという。
「導入のしやすさでいうと、例えば外食チェーンのニラックスでは、LAN環境が整備されていない全国143店舗に『PC&モバイル管理サービス』を導入してもらったが、モジュールのインストールからサービススタートまでわずか1週間で完了した」(石川氏)
最後に、瀬賀氏は、「国内拠点、海外拠点を含め、PCとスマートデバイスを一元管理することは、今後さらに重要性を増してくると考えている。情報漏えいの防止を徹底するために、必ずIT資産管理ツールを活用して、包括的な端末管理を行ってほしい」と訴求した。
なお、「PC&モバイル管理サービス」は、30日間、無料で評価版を利用可能だ。国内拠点や海外拠点での、PCとスマートデバイスの一元管理が課題になっている企業は、まず「PC&モバイル管理サービス」の導入を検討してみてはどうだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
提供:サイバネットシステム株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2014年7月31日