NECソリューションイノベータは、Windows Server 2003のサポート終了に向けて「システムリフォームソリューション」と「簡易アセスメントサービス」を提供。NECグループならではのトータルなシステム移行ソリューションが強みだ。
NECグループのソフトウェア会社7社が統合し、2014年4月1日に発足したNECソリューションイノベータ。NECグループが展開する社会ソリューション事業における中核会社として、官公庁、自治体から産業分野までの幅広い業種に対しSIサービスを提供している。IT基盤を支える基盤ソフトウェアやハードウェアの開発事業で培ったノウハウをベースに、クラウド、SDN(Software-Defined Network)、ビッグデータ、セキュリティ、OSS(オープンソースソフトウェア)といった多彩なSIサービスを全国規模で提供している。
NECとマイクロソフトは1979年のPC事業における共同開発・評価以来、密接な協業関係を築いており、Windows Serverに関しても、アップデート情報をフォローし続けるなど密接な関係を築いている。こういった技術協業を背景に、NECグループ全体として、サーバー、ストレージ、ネットワークなどの製品開発およびシステム導入コンサルティングやマイグレーション、基盤構築、サポートサービスなどの高い技術力と豊富なノウハウ、多くの導入実績を持つ。
2015年7月15日に迫るWindows Server 2003のサポート終了に向けNECソリューションイノベータは「システムリフォームソリューション」と「簡易アセスメントサービス」で、システムの移行を強力にサポートする体制を整えている。大柴秀樹氏(NECソリューションイノベータ LCMサービス事業部 グループマネージャー)は、システムリフォームソリューションを次のように説明する。
「システムリフォームは、既存システムの業務ロジックを踏襲しながら、最新のプラットフォーム/開発言語への移行、プログラム仕様書の最新化を行うソリューションです。短納期で安価、スピードを重視した、マイグレーションの進化型と言えます」(大柴氏)
システムリフォームソリューションとしては、2009年ごろから顧客のニーズに応じて個別に提供してきたWindows Serverの移行サービスを2012年に体系化している。スクラッチによる再構築やマイグレーション時に起こりがちだった課題を、新しいアプローチで解決していることがポイントになる。
大柴氏によると、スクラッチ開発したシステムの更新作業では、業務自体の内容は従来と変わらないのに、それを全く新しいシステムとして再構築(リビルド)してしまうことがよくあるという。この場合、既存機能を新たな機能として焼き直し開発を行うことになるため膨大な工数と高額な費用がかかることになる。
一方、旧型マイグレーションでは、変換ツールを使ってプログラムやデータベースを半自動的に移行することが多い。この場合、特にサードパーティ製のモジュールなどがうまく動作しないケースも出てくるという。
これに対し、システムリフォームソリューションでは既存システムのソースコードを確認して動作を解析し、必要な既存ロジックだけを引き継ぎながら、最新プラットフォームに移行するアプローチを採用している。「リビルド」方式によるシステム再構築と「旧型マイグレーション」方式の課題を解消しつつ、それぞれの長所もうまく取り入れているところが大きな特徴だ(図1)。
さらに、大柴氏は、Windows Server 2003の移行を支援するために新たに提供を開始した「簡易アセスメントサービス」について、次のように説明する。
「Windows Server 2003サーバーの移行において、技術的ノウハウやコストの点が障壁となり対応が遅れがちなのがアプリケーションサーバーです。『最新のOS環境へ移行したいが、プログラムにはなるべく手を加えたくない』『極力コストをかけたくないので、利用中のソフトウェアを新しいOS上でそのまま利用できないか確認したい。機能に関して多少の制限が生じても構わない』といったご相談をお客さまからいただくことがあり、こういったご要望にもお応えできる、いわばアプリケーションサーバー移行の“安全な最短ルート”をご提案するサービスとして、簡易アセスメントサービスの提供を開始しました。本サービスでは、お客さまのシステムを診断し、移行の際のリスクがどこにあって、難易度はどのくらいか、どのような移行方針が望ましいか、などをご説明しますので、診断結果によっては大掛かりな開発・評価は行わなくても最新のOS環境へ移行できるケースも出てくると思います。また、この簡易アセスメントサービスは、本格的な移行支援サービスであるシステムリフォームソリューションの前段階と位置付け低価格でご提供しておりますので、幅広い規模・業種のお客さまに活用いただけるものと考えています」(大柴氏)
NECグループでは、システムリフォームソリューションと簡易アセスメントサービスでWindows Server 2003の移行をトータルかつ強力に支援していく構えだ(図2)。
それでは、システムリフォームソリューションと簡易アセスメントサービスでは、それぞれ具体的にはどのようなサービスが提供されるのか。
大柴氏は、システムリフォームソリューションの特徴を大きく三つの観点から説明する。
【特徴1:移行の目的に合わせた、最適な移行方式を採用】
システム移行の狙いはWindows Server 2003から最新OSへの移行の他にも、「開発フレームワークの統一」「クラサバ(クライアント/サーバー)型システムをWeb化したい」など、企業によってさまざまであり、本来はその目的に合わせた移行方式、つまり再構築を行うのか、既存のツールで変換するのか、変換のために新たなツールを作成するのか、を検討する必要がある。しかし、実際には変換で済むものを再構築したり、ツールで変換できるものに限定して移行した結果、中途半端なシステムが出来上がってしまうといった事態に陥りがちだ。
「移行方式はあくまで目的を達成するための手段です。システムリフォームソリューションでは、NECグループのナレッジや独自ツールなどを使うことで、お客さまの移行目的に最も合う移行方式を採用します」(大柴氏)
例えば、Windows Server 2003システム上のマイクロソフト系アプリケーションを移行する場合、システムの環境によってはメーカー標準の変換ツールだけでは移行が完了しないケースがあるという。また、サードパーティ製のモジュールを使用していて正しく移行できず、モジュールのバージョンアップが必要になるケースもある。そうした事態に対し、システムリフォームソリューションでは、移行ツールの改修や人手による修正などを組み合わせることで完全移行を実施できる。
【特徴2:高い品質の確保】
品質の確保には、新旧システムでの比較テストをさまざまなシーンで実施することが効果的だが、リビルドによる再構築ではこうしたテストに工数がかかり、それがコスト増につながるケースも多い。一方、旧型マイグレーションでは、移行を請け負ったSIerは最低限のテストだけを行い、その後は顧客側に委ねられ、運用開始後にうまく動作しなかったり性能低下といった問題が発生するケースもあるという。
「システムリフォームソリューションでは、品質を確保するために、移行方式設計時にパイロット変換を実施して、その結果に基づいてテスト方針を決定しています。また、テストではモジュールテストに加えて、シナリオテストまで実施します。モジュールテストでは、新旧環境の画面操作を中心に移行障害を摘出。シナリオテストでは、お客さま提供のデータパターンを使って新旧プログラムの実行結果の比較を実施するなど、徹底的に品質を磨き上げるとともに、お客さまのテストの負荷も軽減します」(大柴氏)
【特徴3:短期間・低コストな開発】
一般的な開発では、要件定義や概要設計、テストに多くの工数が発生する。一方、システムリフォームソリューションでは、移行要件を既存ソースコードの解析から得ることができるため、要件定義や概要設計のほとんどが不要になる。さらに、これまで蓄積したナレッジや独自ツールの活用で工数を大幅に削減するとともに、オフショアも活用しコストを抑えているという。
「オプションサービスとして、システム資産の棚卸しで資産の整理・圧縮が可能となる「資産分析サービス」や、仕様書の作成や最新化を行う「仕様書リバースサービス」、プラットフォームの移行だけでなく機能要件の見直しも含めてソースを改修する「機能改修サービス」なども提供しています。特に仕様書リバースサービスは、ソースコードから、ER図、フロー図といったシステム環境の理解に役立つドキュメントを作成しますので、お客さまからは『障害発生時の解析にも活用できる』と好評です」(大柴氏)
【特徴:アプリケーションサーバー移行の「リスク診断」と「互換性検証」を低コストで提供】
簡易アセスメントサービスでは、最大でサーバー5台、アプリケーション2種類までを対象に、ヒアリングシートに基づく「リスク診断」を、低価格で受けることができる。診断結果は「性能」「技術的課題」「ソフトウェア構成」などの8項目から成るレーダーチャート「リスク診断シート」で視覚的に確認できるほか、移行の難易度、推奨する移行方針に関するアドバイスを受けられるほか、互換性検証など次のステップにどれぐらい費用がかかるかも分かるようになっている。
「移行前にアセスメントを行うことで、プログラムの変更が必要な範囲をあらかじめ把握し、ムダのない移行計画を立てることができます。「リスク診断」の次ステップとしてご用意している「互換性検証」は、弊社が保有するクラウド環境やMicrosoft Azureを利用しますので、お客さまに検証環境をご用意いただかなくても、最新のWindows Server 2012 R2環境での機能評価や、ソフトウェア、ハードウェアの動作を確認できることもポイントです」(大柴氏)(図3)
NECグループでは、2013年10月ごろからいち早くWindows Server 2003の移行支援に力を入れて取り組んできた。システムリフォームソリューションのこれまでの実績としては、Visual Basic 5/6で作成したアプリケーションをVisual Basic.NETに変換する事例が多いという。
「システムリフォームソリューションはアプリケーションの移行にフォーカスしていますが、それだけにとどまりません。NECグループの強みは、ITライフサイクル管理(LCM)の観点からIT全般のトータルな移行を支援できることです。Windows Server 2003はアプリケーションサーバーだけでなく、ファイルサーバーやActive Directoryドメインコントローラーとしての利用も多いです。そうしたケースの移行も含め、まずはお気軽にお問い合わせいただければと思います」(大柴氏)
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提供:日本電気株式会社/NECソリューションイノベータ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2014年9月30日