iOS 8、Android、Windowsタブレットにも対応するBiz/Browserのユーザー企業3社事例とは業務アプリケーション開発における「選択からの解放」を実現

ビジネス環境が急激に変化していく現在、スマートデバイスの業務活用やオフィスコンピュータの資源の再活用など新たなビジネスへとスピーディーにつなげるためのさまざまなソリューションが求められている。そのような状況の中、企業における多様なデバイスやシステムの活用を可能とするBiz/Browserとその周辺ソリューションの新たな可能性を提示するイベント「Biz/Browser SolutionForum OpenStream 2014 業務アプリをOS/デバイスの束縛から解放する共通プラットフォームの最適解」が開催された。本稿では、Biz/Browserが企業にもたらす価値と、その最新動向、さらには同製品を活用するユーザー企業3社による事例についての講演の模様をお届けする。

» 2014年11月12日 10時00分 公開
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 2014年10月17日、秋葉原コンベンションホール(東京)でオープンストリーム主催のセミナー「Biz/Browser SolutionForum OpenStream 2014 業務アプリをOS/デバイスの束縛から解放する共通プラットフォームの最適解」が開催された。

 オープンストリームが開発・提供する業務システム向けブラウザー製品「Biz/Browser」は、1998年の登場以来数多くの企業に活用されており、さらには昨年から今年にかけてスマートデバイスへの対応が大幅強化された。本イベントでは、Biz/Browserが企業にもたらす価値と、その最新動向、さらには同製品を活用するユーザー企業3社による事例の紹介などが行われた。

モバイルOSへの広範な対応で「選択からの解放」を実現したBiz/Browser

 オープンストリーム 代表取締役社長 佐藤浩二氏による講演「選択からの解放」では、Biz/Browserの最新機能と今後の展望について紹介が行われた。Biz/Browserは、Webシステムの使い勝手や保守性の向上を狙って、同社が1998年に初代バージョンをリリースした製品。サーバー側がどのようなWeb技術を使っていようとも、またクライアントがどのようなデバイスでどんなOSを搭載していようとも、全ての環境で共通の標準化されたクライアントUIを実現する「業務システム専用のアプリケーションプラットフォーム」だ。

オープンストリーム 代表取締役社長 佐藤浩二氏

 そんなBiz/Browserに、大幅な機能強化が施された。近年、業務での利用が広がりつつあるスマートデバイスへの対応が強化されたのだ。もともとAndroid端末には2011年から対応していたが、昨年にはiPadに対応し、さらに2014年12月にはWindowsタブレットにも対応する予定だという。佐藤氏によれば、「これによって、同じWebアプリケーションが、AndroidとiOS、Windowsの3つのOS上でまったく同じ操作感で利用できるようになり、企業はデバイスや技術の選択から解放される」という。

 さらに今後は、スマートデバイス向け製品はもちろんのこと、すでに多くのユーザーを抱えるデスクトップPC向け製品にも積極的に機能強化を施していくという。「自社開発のブラウザーエンジンの搭載、開発用言語のJavaScript導入、LinuxやMac OS Xなどさらなるマルチプラットフォーム対応を予定している。将来的には、業務用のクライアントデバイスに求められる機能を全て包含する製品へと進化させていきたい」(佐藤氏)

オープンストリーム プロダクト事業部 営業部 部長 青木誠氏

 また同社 プロダクト事業部 営業部 部長 青木誠氏からは、「業務アプリケーション開発の最適解へ」と題した講演で、製品ラインアップの簡単な紹介や、リリースされたばかりの新製品の概要、直近のリリース予定の案内などが行われた。特に、サイボウズが開発提供する業務アプリ開発用クラウドサービス「kintone」とBiz/Browserを連携させたソリューションや、アプレッソのデータ連携ソフトウェア製品「DataSpider Servista」との連携など、パートナー企業との協業による連携ソリューションに力を入れていることが強調された。

 来年のリリース予定としては、2015年1月にはiOS 8.0、iPhone対応、2月にはクラウドサービスとの連携機能の強化など、モバイル・クラウド関連の機能強化を急ピッチで進める予定だという。

 「今後もBiz/Browserの機能強化を進めて、最終的には仕事を進める上で必要な情報を扱う唯一の窓口として使えるような製品に育て上げていきたいと考えている」(青木氏)

自社製品とBiz/Browserの連携による新サービスを展開するサトーホールディングス

 サトーホールディングス マーケティング統括部 専門課長 柴田嘉之氏による講演「Biz/Browserとマルチプラットフォームで発行連携」では、同社におけるBiz/Browserの導入・活用事例が紹介された。

 東京都目黒区に本社を構えるサトーホールディングスは、バーコードやQRコード、RFIDのラベルプリンターで広く知られる企業。近年は、プリンターだけではなくスキャナーやリーダー、さらにはタブレット端末なども含めた、自動認識技術のトータルソリューションを幅広く提供している。柴田氏によれば、同社はこうした新たなソリューション領域に乗り出すに当たり、Biz/Browserの導入を決めたという。

サトーホールディングス マーケティング統括部 専門課長 柴田嘉之氏

 「複数の異なるメーカーのスキャナーやリーダーデバイスを取り扱うと同時に、タブレット端末の機種やOSも幅広くサポートしなくてはならない。これら個々のプラットフォーム向けに個別にソフトウェアを開発していては、開発効率が極めて悪い。そこでBiz/Browserを導入し、マルチプラットフォーム向けソフトウェアを効率良く開発する環境を整備することにした」(柴田氏)

 その結果同社では、Biz/Browserを使ってマルチプラットフォーム向けアプリケーションをシンプルに、かつ標準化されたフレームワークで開発する体制を整えることができたという。さらには、同社のソフトウェア製品とBiz/Browserを高度に連携させたソリューションもいくつか実現している。例えば、ラベル発行ツール「まるち監視くん」や「SmaPri(スマプリ)」とBiz/Browserを連携させることによって、スマートフォンやタブレットなど多様なプラットフォームから柔軟にラベルを発行できる環境を実現したという。

 同社では、さらに社内の業務を効率化する目的でもBiz/Browserを有効活用している。例えば、展示会に出展する際に利用する「展示会アテンドシステム」もその一つだという。紙の資料の代わりにiPadを使って来訪者に対応できる仕組みや、ブース来訪者の名刺情報をその場で取り込み、お礼メールの自動送信を実現するシステムを、Biz/Browserを使って開発した。その結果、「カタログをはじめとする紙媒体を廃してペーパーレスを実現したと同時に、iPadを使った先進的な展示イメージが実現できた。また迅速なお礼メールの送信と、いち早い営業活動の立ち上げが実現した」(柴田氏)という。

IBMiとBiz/Browserの連携で物流ITの強化を進めるリコーロジスティクス

 リコーロジスティクス 物流ソリューション本部 システム開発部 広域システム課 課長 清水健一氏は、「安心・安全・確実な物流を支えるBiz/BrowserとIBMiによるシステム構築」と題した講演で、Biz/Browserを使った同社のシステム開発事例の紹介が行われた。

 清水氏は、同社がBiz/Browserを採用した背景について次のように説明する。「弊社が手掛ける物流サービスのITは、『安定性・信頼性』『処理スピードの速さ』『柔軟な機能開発』『運用の容易性』の4つのポイントを掲げている。Biz/Browserは、これらのポイントを満遍なく満たせるプラットフォームだと判断した結果、2012年以降のシステム案件において採用している」

 同社の業務システムは、1980年代から今に至るまでIBMのAS/400(現IBMi)を中心に構成されている。1995年ごろまではクライアントとして5250エミュレーターを使うホスト集中型の構成をとっていたが、世の中の動向に合わせるようにその後クライアント/サーバー型、そしてWebアプリケーション型へとアーキテクチャを進化させてきた。

 しかし、2012年に刷新した「運送ドライバー向けシステム」においてBiz/Browser Mobileを採用したのを皮切りに、2013年には一般顧客向け倉庫管理システムでBiz/Browser Vを、2014年にはリコー向け倉庫管理システムでBiz/Browser AIを採用するなど、新規開発プロジェクトでBiz/Browserを全面的に導入している。

 清水氏によれば、Biz/Browserの環境は専用のサーバーを立てる必要がなく、既存のIBMi環境とクライアント端末が直接通信する構成を取れる点が同社のニーズにマッチしたという。

リコーロジスティクス 物流ソリューション本部 システム開発部 広域システム課 課長 清水健一氏

 「弊社の物流ITサービスの要件の1つである『安定性・信頼性』を担保するためには、IBMiの高信頼性を最大限生かしたかった。その点、別途サーバーを立てることなく、IBMi上にサーバーサイド処理を集約できるBiz/Browserは最適だった」(清水氏)

 またサーバーとクライアントの間ではデータのみを転送するため、HTML画面を丸ごと転送するWebアプリケーション型と比べると処理スピードもかなり速くなった。画面の使い勝手もクライアント/サーバー型システムと遜色ないほどリッチなUIが実現でき、またBiz/BrowserならではのUIプロトタイピング開発の手法を取り入れたことで、開発の品質向上や手戻り防止の効果が得られた。さらには、クライアント環境の設定や保守といった運用作業も大幅に容易化されたという。

 「このように、Biz/Browserは弊社が掲げる4つの重要なポイントにしっかりと応えてくれる製品であり、これをIBMiと組み合わせることで安心・安全・確実な物流システム構築の実現につながった」(清水氏)

Biz/Browserで生産情報のリアルタイムでの可視化に成功した三菱重工

 三菱重工 汎用機・特車事業本部 製造部 生産技術課 システム・管理チーム 主任 チーム統括 三好慶幸氏による講演「タブレットによる生産現場の見える化・ペーパーレス化」では、同社の生産現場向けシステムにおけるBiz/Browserの活用例が紹介された。

 三菱重工は2014年4月より、組織体制を事業本部制からドメイン制に移行。三好氏が所属する機械・設備システムドメインは、各種の産業機械や工作機械を幅広く扱っており、中でもターボチャージャー製品は今後グローバル市場での競争力強化を図っていく注力製品。しかしその半面、生産管理や品質管理に課題を抱えてもいたという。

三菱重工 汎用機・特車事業本部 製造部 生産技術課 システム・管理チーム 主任 チーム統括 三好慶幸氏

 「生産情報や品質情報がまだ全て電子化されておらず、リアルタイムで確認できないために、リードタイム短縮や品質向上、仕掛り在庫の削減、設備稼働率の向上といった取り組みにも自ずと限界を迎えた」(三好氏)

 そこで同社は、生産現場における生産情報や品質情報を見える化するためのシステムの構築に着手。当初は生産設備から自動的にデータを収集・統計する仕組みの検討も行ったが、コストがかさむために断念。まずは、タブレット端末を使って現場の作業員が情報を入力する方式で見える化の取り組みをスタートすることになった。その結果、Android端末とネイティブアプリでその場で情報を入力し、その内容をリアルタイムで参照できるシステムが実現した。

 しかし、ほどなくして新たな問題が発生したという。「生産現場では日々改善活動を行っており、その結果をなるべく迅速にアプリケーションに反映させたい。しかし開発したネイティブアプリは社内での改修が難しく、現場の要望にタイムリーに応えることができなかった」(三好氏)

 そこで同社は早々に、新たなアプリケーション開発環境の導入を決定。いくつかの製品を比較検討した結果、国内製であることやスタンドアロンで利用できること、内製でも開発・改修が可能な容易性などが決め手となりBiz/Browserの導入を決めた。結果、社内の開発要員だけでわずか一カ月間でアプリケーションの再実装ができただけではなく、その後の度重なる改修も全て社内で迅速に対応できるようになったという。

 Biz/Browserの有用性を高く評価した同社では、その後音声入力の仕組みの実装や、生産現場でこれまで紙に入力していたチェックシートの電子化プロジェクトなどにおいてBiz/Browserをフル活用。現在では6つのシステムがBiz/Browserによって構築されている。

 「製造業の生産現場では安全行動が何より優先されるため、両手を空けた状態で入力できる音声入力や画像認識入力のニーズが高い。これらの面で、今後Biz/Browserの機能強化が進むことを期待したい」(三好氏)

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提供:株式会社オープンストリーム
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2014年12月11日

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