ミランティスが、OpenStackの商用環境導入実績で独走している理由OpenStackの夜明けはもう来ている

ミランティスは、100を超えるOpenStackの商用導入実績を持つという。さまざまなOpenStack関連企業があるが、これだけの数字を公表できているところは他にない。それはなぜなのか。ミランティスのリージョナルディレクターとしてミランティス・ジャパンを率いる下平中氏に聞いた。

» 2016年02月29日 10時00分 公開
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 ミランティスは2015年末時点で、OpenStack商用導入実績が100を超えるという。さまざまなOpenStack関連企業があるが、これだけの数字を公表できているところは他にない。

 それはなぜなのか。ミランティスのリージョナルディレクターとしてミランティス・ジャパンを率いる下平中氏は、2つの理由があると話す。一つはシステムインテグレーターとしてのサービス力。もう一つは「ピュアプレイ(pure play)」、つまりOpenStackに徹していることだ。

OpenStackに関する「サービス力」とはどういうことか

 ミランティスは、Mirantis OpenStackディストリビューションのベンダーとしても知られているが、それ以前にシステムインテグレーターであるという自負を、同社は持っている。

 OpenStackはクラウドサービス事業者、通信事業者、ハイテク企業から、一般企業まで、その利用が広がりつつある。だが、OpenStackは「導入すればインフラ関連の全ての問題が解決するといった打ち出の小槌ではない。このため、第一に導入の目的を明確にすることが重要だ。

 第二に、OpenStackは構成の幅が広いとともにコミュニティーでの進化のスピードが非常に速い。OpenStackには多数のコンポーネントがあるが、成熟度は一様でない。また、さまざまな商用製品やオープンソースソフトウエアとの組み合わせも可能だ。目的と導入企業の事情に応じて、商用ディストリビューションを使うべきか、どのような技術的要素を組み合わせるかが変わってくる。

ミランティス リージョナルディレクターの下平中氏

 第三に、OpenStack運用開始後は、導入企業の担当者が自ら運用できる一方、必要に応じてサポートが受けられなければならない。OpenStackでは、豊富な運用ノウハウを持つエンジニア人材が非常に限られているため、この点は大きな課題ともなる。

 ミランティスは、OpenStackの導入企業が最終的に「OpenStackを使ってよかった」と思えるようになることを目的として、導入計画から運用サポートまで、全ての段階にわたる活動を展開している。

 もともとミランティスはシステムインテグレーターとして設立され、多様なクラウド、ビッグデータのインフラを構築・運用してきた。そして2010年にOpenStackが産声を上げたとき、クラウドインフラの未来を感じ、その構築・運用支援に専念すると決めた経緯がある。

 しかし、上記の通り、同社ではOpenStackが万能薬ではないことを理解しているため、OpenStack導入を考えている顧客企業との初期の話し合いは、慎重に行うのだという。

 「当社の担当者が最初にうかがうのは、お客様がビジネス上、何を達成したいのかということです。その結果、OpenStackをお勧めしないケースもあります」(下平氏)

 誤解に基づいて無理に導入を進めても、最終的に「OpenStackを使ってよかった」ということにはならないからだ。

 導入を進めるとなった場合、ミランティスでは長年の経験をもとに確立した、クラウド基盤のインテグレーションについてのメソドロジーを適用。各企業にとって適切な構成と運用手法を提案する。特定の構成や運用手法を押し付けることはない。

 例えばミランティスがMirantis OpenStack導入を支援した顧客の一社である米金融機関ウェルズ・ファーゴの場合、新しいサービスの創出や短期間でのリリース、セキュリティーの向上が目的だった。一方同社ではVMware vSphereの運用フローが確立されていたことから、これを大きく変えるのは得策ではないと判断。ミランティスはVMware vSphere環境をMirantis OpenStackからコントロールする構成を提案し、採用されている。

 ミランティスは、サーバーベンダー、ストレージベンダーやネットワークベンダー、PaaSベンダーなど、OpenStack対応の製品を提供する50を超える企業と幅広く提携。顧客の選択肢を広げている。

 「Mirantis OpenStack」は、上記のように各顧客にとって最適なOpenStack導入および運用の実現に努めてきたミランティスの、豊富な経験を詰め込んだOpenStackディストリビューションだ。使いやすさと安定性、拡張性は、同社のこれまでのインテグレーション事例から実証されている。

 このディストリビューションの特徴の一つに、導入と運用の自動化を支援する「Fuel」というツールの搭載がある。このツールは、ミランティスがコミュニティーと連携し開発した。現在も同社の社員が主導的役割を果たしているものの、他のコミュニティメンバーとの協力によって、オープンな開発が進められている。

 ミランティスは、これからOpenStackの導入を検討している顧客には、コンサルテーションサービスと商用ディストリビューションのMirantis OpenStackの利用を推奨している。一方、すでにコミュニティ版のOpenStackを運用していて課題を抱えている組織をサポートすることもある。この場合はCloud Validationというサービスで、既存のOpenStack環境の診断を行い、その結果から不具合への対応を行い、最適な利用方法を推奨する。進化の速いコミュニティ版のOpenStackを自力で検討・導入・運用することには非常に大きな労力とリスクが付きまとう。ミランティスは世界中の企業の商用環境に導入・サポートした実績・知見をもとに、顧客への支援を行えることが決定的に異なる点の一つである。具体的には1年超のプロジェクトを2カ月に圧縮することも可能になる。

 ミランティスは他にも豊富なサービスメニューを提供している。オンサイトおよびリモートからの環境構築に始まり、各種ドライバーやプラグインの開発、顧客のクラウド環境のマイグレーションや診断サービス、コンサルテーションなど、顧客ニーズに合わせた内容を提案する。コンサルテーションでは、導入前段階における顧客の経営・現場課題の分析や活用目的の設定、さらに課題を解決するための計画立案や要件定義、設計まで幅広いサービスを提供することができる。また、導入後の監視や運用管理を顧客に代わって行う、マネージドサービスにも豊富な提供実績がある。

ミランティスの強みは、システムインテグレーターとして、設計から運用まで、多様なニーズに応えられることにある

 サポート力も、ミランティスの腕の見せ所だ。同社のサポートは、構築されたMirantis OpenStack環境のマニュアル、ドキュメントをきっちりと整備し、顧客と共有することから始まる。顧客がMirantis OpenStack運用にリソースを割けるのであれば、社内のスタッフが運用ノウハウを蓄積できるに越したことはない。詳細で正確なドキュメントの顧客との共有は、的確なサポートの迅速な提供にもつながる。もちろんグローバルでの24時間年中無休のサポート提供が可能だ。

OpenStackに徹し、他のものに手を出さないことの価値

 冒頭で下平氏が指摘していたように、ミランティスのもう一つの成功要因は、Pure PlayでOpenStackに徹して、決してベンダーロックインをしないソリューションを提供していることだ。これには2つの意味がある。

 OpenStackはオープンソースソフトウェアであり、それ自体はベンダーロックインとは無縁なものだ。導入を検討する企業も、この点に大きな期待を寄せている。しかし残念ながら、一部のOpenStack関連企業の中には、ハードウェアやミドルウェアなど、OpenStack以外の製品についても、統合的に提供しようとする場合がある。結果的に、ベンダーロックインの世界へ、顧客を引き込んでしまう懸念がある。

 一方、ミランティスには、そうした他意はない。OpenStackの構築と運用で、顧客をどこまで支援できるかに関心がある。従って、現実としてもベンダーロックインと完全に切り離された形で、OpenStackを提供できる。上記の通り、幅広い選択肢のなかから、各企業にとって最適と考える選択肢を提案できる。

 もう一つの意味は、ミランティスが企業としてOpenStackにリソースを集中投下できるということだ。同社はOpenStack Foundationの理事を務めており、在籍する約650人のエンジニアの多くがOpenStackコミュニティに貢献しているなど、このオープンソースソフトウェアの開発に深く関与している。OpenStackコミュニティの外側にいてインテグレーションをしているだけの会社とは根本的に異なる。

Pure Playの強みは、特定の製品・ソリューションを顧客に押し付けないこと

 ミランティスは、顧客からMirantis OpenStackの一部コードのカスタマイズ依頼を受け、対応することがある。OpenStackを熟知しているソフトウェアエンジニアが豊富にいるからこそできることだ。ただし顧客に対しては、コミュニティに寄贈することを基本スタンスとして案内している。後々のサポートについて考えれば、コミュニティに還元することで開発を続けてもらったほうが、自分たち自身でメンテナンスしていくよりも、よほど有利だからだ。

「米国と違う」では済まなくなっている日本を助けたい

 米国では、ITを駆使する企業が様々な産業で存在感を増し、既存の企業にとって明確な脅威となってきている。特に金融、自動車、小売といった業界においては、ITがビジネスを後ろから支えるだけでなく、その成否に大きな影響を与える存在になっている。焦点は、「ITを武器にすること」ではない。「ITで武器を生み出せるような環境を作り上げること」にある。

 ウォルマートなどが、OpenStackでソフトウェアの開発環境を構築し、社内の多くの人々がこれを機動的に使えるよう、提供しているのは、社内の基盤の上で、新しいソフトウェアやサービスを次々に生み出すサイクルを確立したいからだ。

 こうした変化に無縁ではいられないと気付き、新たな取り組みを進める企業が、日本でも少しずつ増えてきた。下平氏は、「ミランティスとして、こうした取り組みをぜひお手伝いしていきたい」という。なぜなら同社は、前述のように、「顧客がビジネス上、何を達成したいのか」を起点として、OpenStackの活用方法を顧客とともに考えていくことのできる、数少ない存在だからだ。

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提供:ミランティス・ジャパン合同会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2016年3月28日

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