オールフラッシュストレージを「今すぐ使いたい」、あるいは「今後活用していきたい」。だが、製品の性能や機能、運用方法を検討し、用途と照らし合わせなければならないことが利用の障壁となっているなら、Unityを選択していただきたい。
企業においてストレージが担うワークロードは多種多様だ。データベースやファイルサーバ、メールアーカイブ、仮想化システム、VDI(デスクトップ仮想化)、バックアップなどさまざまな用途があり、それらに応じて、パフォーマンス、可用性、信頼性、管理性、コストなどを考慮して最適なストレージを選択していく。だが、ワークロードに適したストレージを選択することはなかなか難しい。仮に製品を正しく選定できたとしても、ワークロードごとに容量設計や運用方法を変えたり、複数の機器を管理していったりといった特有の難しさがある。
そうした課題に対応するミッドレンジのストレージが、インテル® Xeon® プロセッサーを搭載した「Dell EMC Unity(以下、Unity)」だ。NASやSANそしてvVOLを1つのシステムで統合できるユニファイドストレージであり、導入、設計、運用といったストレージ特有の課題の解消を図った。EMCジャパンのプライマリストレージ事業部シニアシステムエンジニア、内田潤氏は、Unityを「使いやすさを追求した真のユニファイドオールフラッシュストレージです」と解説する。
Unityの特長は、大きく「シンプル」「柔軟」「最新」「手頃な価格」の4つにまとめることができる。
最大の特長は「シンプルさ」にある。導入、運用、サポート、アップグレードといった、ストレージ利用のライフサイクル全体にわたり、作業が極めて簡略化されている。特に導入や上位モデルへの移行は、一般的にプロフェッショナルサービスを利用しなければならないのがほとんどだが、Unityではユーザー自身が実行できる。
初期設定は、構成ウィザードを使ってわずか15分ほどで済ませられる。運用には、「Unisphere」と呼ばれるGUIツールが使える。さらにDell EMCでは、「CloudIQ」と呼ばれるクラウドサポートサービスも提供している。
企業のあらゆるワークロードに対応できる「柔軟」さも大きな魅力だ。1台でブロックストレージとファイルストレージの双方の役割をこなすことができ、データベース、ファイルサービス、メールサーバ、VDIなど、多様なワークロードで使える。特にVDIでは、ブート領域とユーザーのファイルデータ領域を1台でまかなえるため、特に使い勝手がいい。
製品提供形態も幅広い。オールフラッシュ構成のアプライアンスが一押しだが、SSDとHDDのハイブリッドアプライアンスも提供されている。また、仮想アプライアンス版も用意されている。仮想アプライアンス版には無償のエディションがあり、使い勝手を確認した上で購入することもできる。
オールフラッシュのアプライアンスについては、「3D NAND TLCドライブ」を採用し、インライン圧縮をデフォルトで提供する。その他のソフトウェア機能も全て製品価格に含まれる。前述した通り、導入やアップグレードにプロフェッショナルサービスは不要だ。これらによって、スモールスタートを可能にするとともに、高いコストパフォーマンスを実現している。
上記の4つの特長は、具体的にはどんな効果をもたらすのか。最大の効果は、「運用負荷と運用コストの削減」だ。EMCジャパンのプライマリストレージ事業部 シニアシステムエンジニアである古舘良則氏は、「ストレージ利用が全般的にシンプル化します」と話す。
Unityは多用途に使えるために、さまざまなワークロードが統合しやすくなっている。これを顧客自身で管理できるようにすることで、ワークロードごとに行っていた運用の手間やコストを大きく減らすことができる。
こうした運用スタイルを支えているのが運用管理ツール「Unisphere」と管理クラウドサービス「CloudIQ」だ。
Unisphereは、HTML5のUIを備えた新しいUnityのストレージ管理ツールで、日本語化された統一インタフェースで直感的な操作が可能だ。各種設定はウィザード形式で行え、ディスクの使用量、イベント通知、データ保護、災害対策の設定情報、稼働状況などを把握できる。一方のCloudIQは、Dell EMC製ミッドレンジストレージのための新しい管理プラットフォームだ。設定状況、パフォーマンス、容量、エラー発生状況などを基に算出したヘルススコア機能によって、管理対象ストレージの状態を採点できる。また、各コンポーネントについても容量やパフォーマンスの観点でグラフ化した情報を確認できる。さらには、オールフラッシュストレージで気になる、SSDの耐久性(消耗度)も確認できる。
もう1つの効果は、コストを抑えながら、ビジネスのニーズに柔軟に追随できるようになることだ。Unityでは、オールフラッシュモデルとして、「300(F)」「400(F)」「500(F)」「600(F)」の4モデルが展開されている。そして、コントローラーを変えることで、データの移行作業なしに上位機種へアップグレードできる。しかもこの作業を、ユーザー自身が実行できる。こうした意味でも、スモールスタートがしやすくなっている。
Unityは、Dell EMCのミッドレンジのユニファイドストレージとして、多数の企業に導入されてきた「VNX」シリーズの進化版として、2016年5月に販売開始された。
Unityでは、VNXに比べ、筐体が大幅にコンパクト化された。VNXはユニファイドストレージを構成する場合、7Uのサイズが必要だったが、Unityでは2Uで済む。これにより、ケーブル本数が減り、設置スペースおよび消費電力が節約できる。
このコンパクト化は、SANとNASの融合によって実現した。VNXでは、NASとSANでコントローラーが物理的に分かれていたが、UnityではNASコントローラーを仮想化した。「本当の意味でユニファイドストレージになった」(古舘氏)という。
「Unityは、VNXのQoSや可用性に関する実績に裏打ちされたオールフラッシュストレージ」だという言い方もできる。内田氏は「EMCがブロックストレージの分野で長い実績と信頼性を持つことが、そのままUnityの評価にもつながっています。安定したパフォーマンスがあり、高い可用性を持つストレージとして評価されています」と話す。
VNXが提供してきた豊富なデータサービス機能を備え、これが製品価格に含まれていることは、他のオールフラッシュストレージと比較した場合に、重要な選択理由となる。データ保護(暗号化、アンチウイルス、ローカルコピーなど)、リモートレプリケーション(遠隔複製)などが含まれている。オールフラッシュでは、データ圧縮も標準で使える。
今後の進化で注目できる点としては、CloudIQの機能強化がある。CloudIQではSSDの耐久性や、システムごとの使用容量の予測、故障の予兆などを直感的に把握できる。今後CloudIQでは、ミッドレンジのストレージ管理の標準ツールとして機能を拡張し、プロアクティブな監視サービスを強化するという。
クラウドとの連携も注目点だ。オールフラッシュは低価格化が進んでいるとはいえ、価格がネックになるシーンがないとは言えない。そこでUnityでは、ハイブリッド構成で、使用頻度の低いデータを低コストなストレージに移動するデータ自動階層化を提供している。さらに「EMC Cloud Tiering Appliance」という無償提供のデータ自動階層化ソフトウェアを使うことで、Unityのデータをクラウド上に保存することも可能だ。このようなクラウド連携については、連携サービスの充実や機能の拡張など、今後、さらに力を入れていくという。
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アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2017年5月18日