データ復旧事業者によると、ゴールデンウイーク(GW)明けはHDDのトラブルが多くなり、HDDの修理やデータ復旧の依頼も通常の倍以上になるという。HDDの障害が長期休暇明けに発生しやすいのはなぜか。不幸なことに、実際にトラブルに遭遇してしまった場合は、どのように対処するのが最善なのだろうか。
「ゴールデンウイーク(GW)や夏季休暇、年末年始などの長期休暇明けは、HDDのトラブル発生率が高まり、私たちへのHDD復旧依頼も通常の倍以上になります」と話してくれたのは、データ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」を提供しているデジタルデータソリューションでエンジニアグループの主任を務める井瀧義也氏だ。
デジタルデータリカバリーは、2007年から(東京商工リサーチ調べ)10年間連続で日本一のデータ復旧件数実績(累計で13万3000件以上)と、96.2%という高い復旧率(2015年度実績 データ納品件数/データ復旧依頼件数 同社調べ)を誇る国内トップシェアのデータ復旧サービスだ。
長期休暇明けにHDDトラブルが多発する一因を井瀧氏は、「長期休暇前に社内システムなどの電源を落として、休暇明けに電源をオンにする際にHDDのトラブルが発生するケースが多い」と説明する。
障害が発生する要因が蓄積されてきた中で、休暇を機にサーバやNAS(Network Attached Storage)などの電源をオン/オフすることで、トラブルが顕在化する可能性が高くなるというのだ。RAIDで運用している場合は、1台のHDDに障害が発生しても冗長構成で問題なく運用できるため、障害が発生しているHDDを放置したまま運用を続け、電源のオン/オフでHDDチェックが行われるときに起動できずに、デジタルデータリカバリーに問い合わせてくるケースも、休暇明けに非常に増えているという。
「一部上場している大企業でも、NASのRAID機能に頼って運用を続け、最終的に障害が発生して、私たちが修復したというケースもあります」という井瀧氏は、HDDのトラブルが発生した場合は、自分たちで対処するのではなく、できるだけ早くデータ復旧サービスを行っている事業者に連絡してほしいと訴える。
「このケースでは、お客さま自身がトラブルを解消しようとして、NASメーカーのサポートに問い合わせてファームウェアのアップデートやディスクの入れ替えなどを行ったりしたそうです。その結果、ディスク1のHDD障害だったのが、ディスク1〜3までの3台の障害へと症状が拡大してしまいました。その後、私たちに連絡が来て、幸いなことにデータを復旧させることができましたが、障害の初期段階に比べて非常に多くの手間とコストが掛かる結果となってしまいました。最悪の場合、データを復旧できない可能性もありました」と井瀧氏は話を続ける。
「私たちのデータ復旧事業は、医療と同じようなところがあり、早期の発見と対処が最も重要になります。万が一、HDDに故障が発生した場合には、迅速かつ正しい対処が大切なデータを救うことになります」と井瀧氏。復旧対応へのスピードがデータを失うか、失わないかの大きな差になると井瀧氏はいう。
例えば、HDDの論理障害の場合、リビルドやデータの再構築が発生してしまえば、1TBのHDDは4時間で全てが上書きされてしまう可能性があり、データ復旧の可能性が低くなってしまう。わずか4時間といえど、この間に障害が進行したり、データが喪失したりするなど、「データの復旧では、数時間の対応の遅れが“致命的”になります」と井瀧氏はこれまでの経験から“時間経過の重要性”を強調する。これは、医療に置き換えれば、症状を放置したり、自己流で対処したりして悪化させるのと同じことであり、その後、どのような名医に診てもらって対処しても手遅れになっているということだ。
そのために、デジタルデータリカバリーでは、即日対応(首都圏なら2時間以内)の「出張サービス」を提供し、迅速にお客さまのトラブルに対応する体制を整えている(詳細は後述)。
また、物理障害の場合にHDDなどを交換したりするのは、医師免許を持っていない人が手術のミスをするようなもので、こちらも手遅れになってしまう。正しい知識を持った人が、正しく対処することで、データを復旧できる可能性は大きくなる。
「運用管理を任されているお客さまが、自分でトラブルを解決したいという気持ちがあるのはよく分かります。ですが、速やかに電源をオフにして、専門のデータ復旧事業者にお問い合わせいただくことをお勧めします。また、ハードウェアメーカーは、自社製のハードや周辺の構造についてのサポートはできますが、HDDに関する専門的な知識はありません。障害が発生したタイミングで、データが必要だと分かっているのであれば、メーカーサポートよりも先に、データ復旧事業者に相談してほしいと思います」と井瀧氏は説明する。
デジタルデータリカバリーは、機器持ち込みから最短5分で初期診断を完了し、最短15分での復旧が可能となっており、復旧依頼を頂いたお客さまの80%が48時間以内に復旧作業が完了するという点が大きな特徴となっている。また、配送による破損や時間のリスクを避け、情報漏えいをなくすため、一切外注作業を行っておらず、自社内で全ての復旧作業を行っていることも安心して復旧を依頼できる点である。
データ復旧を依頼する場合には、どれくらいのコストが掛かるか心配になるが、デジタルデータリカバリーでは、お客さまが要望する“データを復旧できたかどうか”という「成功報酬型」の料金体系になっており、電話相談、集荷、初期診断までは無料で、診断結果報告時の見積額以上の金額が請求されることがないのも安心だ。
さらに、デジタルデータリカバリーでは、24時間365日電話相談を受け付けている他、RAIDやサーバ機器に対しては、「出張サービス」も行っているので、データやHDDを社外に持ち出せないケースに対応できるのもデジタルデータリカバリーならではの特徴だ。日をあらためて訪問するのではなく、即日最速対応(首都圏なら2時間以内)で、井瀧氏のようなデータ復旧専門のトップエンジニアが派遣され、現地での診断とデータの復旧を行ってくれるのは非常に心強い。“データ復旧はスピード勝負”と考えている同社ならではのサービスであり、この対応スピードが大切なデータを救う大きなポイントになることは間違いない。
出張費自体は無料で、現地での診断後のキャンセルや、復旧不可だった場合には料金は発生しない。また、同社のトップエンジニアは、情報管理の教育を受け、個人情報保護士の資格も有しているので、機密保持誓約書を交わすため、情報漏えいのリスクがないことも安心できる。
「データ復旧は一発勝負で、スピードが命となります。重ねて言いますが、HDDの障害が発生した場合は何もせずに、すぐに電話相談してください。私たちは、今後もデータ復旧のための技術力の向上に力を入れ、出張診断に対応できるスタッフの増員なども行っていく予定となっています」(井瀧氏)
データ復旧のデジタルデータリカバリーを主事業としているデジタルデータソリューションは、情報漏えい調査のデジタルデータ・フォレンジックサービスなどの新たなサービスも提供している。2017年3月からは、デジタルデータバックアップサービス「DDB CLOUD(ディーディービークラウド)」の提供も開始した。
「私たちは、デジタルデータの問題を解決する会社として、データ復旧をメイン事業として成長してきました。しかし、データの復旧は、トラブルが発生してからお客さまのお手伝いができるサービスです。本来あるべき姿は、トラブルが発生しないことだと考え、トータルでお客さまのデジタルデータを守る一歩としてクラウドのバックアップソリューションを提供することになりました」(井瀧氏)
DDB CLOUDは、1日1回の自動バックアップサービスとオンラインでデータ管理できるオンラインストレージサービスの2つのサービスで構成されている。100GBを月額2,980円から利用でき、100台まで同一料金となるため、これまでバックアップなどにコストをかけられなかった中小規模の事業者や個人事業主でも導入しやすくなっている。また、自動的に2世代までのバージョン管理が行われ、上書きでデータを失う可能性が低減されていることも特長の1つだ。
「HDD障害を未然に防ぐ絶対的な対策は残念ながらありませんが、最も重要なのは、バックアップをしっかりと取って、万が一のときに速やかに復元できる体制を整えておくことです。また、同じサーバや機器にバックアップを取っているケースもありますが、物理障害が発生した場合に復元できなくなる可能性があるため、バックアップは別の場所に取っておくことをお勧めします。DDB CLOUDは、これまでコストや運用の問題で、バックアップサーバやファイルサーバを設置できなかったお客さまに、導入しやすい安価な価格で信頼性の高いクラウドを提供するものです。前述のように、上場企業であっても、HDD障害によってNASのデータを失ってしまう可能性がある中で、自社内ではなく、信頼できる事業者とクラウドを使ったサービスでデータを管理することを検討していただければ幸いです」(井瀧氏)
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アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2017年6月7日