日本の製造業の業務効率化支援にMicrosoft Azureを積極活用製造の現場に“クラウドの力”で変革を

製造業を中心とした業務支援ソリューションを提供しているシムトップス。ソリューションのクラウド化を推進する同社は、エンドユーザーが安心して安定的に利用できるインフラとしてMicrosoft Azureを選択。クラウド技術以上に、日本マイクロソフトのサポートが欠かせなかったと語る。

» 2017年06月30日 10時00分 公開
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2つのソリューションをクラウドで提供して業務をカイゼン

ALT シムトップス 代表取締役社長 水野貴司氏

 シムトップスは「日本の製造業が世界でNo.1であるために」という目標を掲げ、製造業向けのITソリューションを提供する開発ベンダーであり、特に生産管理、工程管理の分野でよく知られ、シェアも高い。

 同社では近年、クラウドを積極的に活用したソリューションの開発、提供にも注力している。その1つが「ConMas i-Reporter」(以下、i-Reporter)だ。

 製造業の現場では、作業の実績や進捗、またワークの品質チェック、設備機器やシステムの安全確認、動作チェックなどの結果を、現場で収集し管理システムに入力するという作業が発生する。こうした作業には、主に紙の帳票が用いられている。ペンで定められた項目をチェックしたり、状況を記述したりした後、必要であれば状態をデジタルカメラで撮影して、事務所へ持ち帰る。事務所では、帳票の記載内容をExcelなどに清書し、デジタルカメラから抽出した画像を貼り付ける。このファイルを上長に送り、承認後に管理システムに登録したり、管理部門へ送付したりするのだ。

 製造業だけでなく、建築、建設、保守、メンテナンス、サービス、流通などの幅広い分野で、紙の帳票を用いた煩雑な作業が常態化している。i-Reporterは、この紙の帳票を“タブレット帳票”にそのまま置き換えるソリューションである(図1)。

図1 図1 “紙の帳票”がそのままデジタル化されて、タブレットやスマートフォン上で簡単に利用できるようになる「ConMas i-Reporter」《クリックで拡大します》

 シムトップスの代表取締役社長である水野貴司氏は、「i-Reporterの最大の特徴は、従来の紙の帳票を、そのままタブレットやスマートフォンの画面に再現できる点です。入力する場所や内容を変えずに済むため、スタッフを再教育する必要がありません。また、事務所に戻ることなく清書された帳票を作成して、現場から承認フローへ回すことができます。完成した帳票は安全なクラウド上に保管されるため、失われることもありません。紙の利点を生かしつつ、欠点を克服したソリューションです」と説明する(図2)。

図2 図2 ConMas i-Reporterの構成。Microsoft Azureを活用してサービスが提供されている《クリックで拡大します》

 i-Reporterはオンプレミス版/クラウド版の両方を展開しており、導入事例も多数ある。導入企業では管理業務や報告書/日報作成といった作業時間を削減できており、業務効率が大幅に改善されている。

 もう1つ、現在クラウドへの対応を進めている「MC-Web CONTROLLER」は、長年にわたって稼働を続けている機械設備を持つ製造現場などに“IoT(Internet of Things)”を導入するためのソリューションだ。

 機械設備は頑丈で、何十年も使われている古いものも少なくない。しかし、IoT技術を応用したプロアクティブな故障対応などを実現しようとした場合、そうしたシステムを組み込むことは極めて困難なのが実情だ。また、最近の機械設備でも、ネットワーク機能を組み込もうとするだけでも、多額の費用がかかるケースがあるという。

 MC-Web CONTROLLERは、機械設備の電気配線に直接クランプして信号を拾い、送信するセンサー図3)、センサーからの信号を収集して、稼働状況などを判定するゲートウェイソフトウェア「MCW Gateway」(図4)、それらの情報を共有したり、可視化したりする「MCW Server」(図5)で構成される。

図3 図3 機械の稼働信号配線にクランプするためのセンサー(左)と既存機器への取り付け例(右)《クリックで拡大します》
図4 図4 センサーからのデータを収集し、稼働詳細状況などを判定するゲートウェイソフトウェア「MCW Gateway」《クリックで拡大します》
図5 図5 収集したデータを共有したり、可視化したりするための「MCW Server」《クリックで拡大します》

 「古い機械設備には、状況を伝えるためのランプなどが設置されています。その信号をセンサーで拾い、サーバで収集、判定、可視化、分析することで、簡単に詳細な稼働実績管理を実現できるようになります。センサーは電気配線にクランプするだけなので、複雑な工事も不要です。機械を止めることなく、稼働させたままで導入することが可能です」(水野氏)

 同社では、オンプレミスのITシステムを導入することが難しいユーザーでも、手軽にMC-Web CONTROLLERを活用できるように、MCW Serverのクラウドサービス化を始めている。

拡張性と自由度に優れ、サービス品質の高いクラウドを選択

ALT ConMas i-Reporter 開発・サポートグループ グループマネージャー 開発責任者/MC-Web CONTROLLER 開発・サポートグループ ソフトウェア開発責任者 松尾泰延氏

 i-ReporterとMC-Web CONTROLLERは、クラウドサービスとしても提供されている。ベースとなるクラウドインフラに、シムトップスは「Microsoft Azure」を選択した。

 i-Reporterは、当初からクラウドサービスとして提供するため、さまざまなクラウドインフラを検討していたという。幾つかのクラウドで実践してみたものの、期待していたような結果が得られなかった。同社の松尾泰延氏(ConMas i-Reporter 開発・サポートグループ グループマネージャー 開発責任者/MC-Web CONTROLLER 開発・サポートグループ ソフトウェア開発責任者)は、その理由を次のように述べる。

 「i-Reporterは、将来的な成長が期待されたソリューションでした。実際、現在は680社/3万1000ユーザーを超え、幅広い業種でご利用いただいています。しかし、当初は、どれほどビジネスが拡大できるかは予測できませんでした。テストしたクラウドインフラは、そうした将来的な拡張性や自由度に欠けていました」(松尾氏)

 もう1つ、特に松尾氏が気にしていたのは「Machine Learning」や「Cognitive Services」といった高度なサービスの提供だ。高品質なインフラ上で現在のサービスを提供しつつ、Machine LearningやCognitive Servicesなどの先進サービスの活用を模索できるのは将来を見据えてAzureを使い続ける理由の1つでもあるという。

“Azureだから”安心して顧客に勧められる

 Azureを用いたi-Reporterは、エンドユーザーにも大きなメリットがある。なぜなら、本番環境と全く同じ環境でテストできるからだ。

 「弊社は“買ってみないと分からない”というシステムを売りたくありません。ぜひ使って、その価値を実感していただきたいと思います。i-Reporterは、Azureを利用することでテスト環境も迅速に準備できますし、本番環境と同様にご利用いただけます。システムインテグレーターなどからの問い合わせやトライアルの申し込みも多く、他社の各業種向けサービスとの連携が強化されつつあります」(水野氏)

 i-Reporterユーザーのうち、Azure環境を用いているのは250社ほどだが、クラウドへの移行を検討しているところも増えてきているとのことだ。「マイクロソフトのAzureならば」ということで安心して、採用を決める大規模なユーザーも少なくないという。

 技術的にもAzureは、シムトップスのサービスと親和性が高い。もともと日本の製造業は、Windowsシステムのシェアが高く、同社もマイクロソフトのテクノロジーに関する知見やノウハウを蓄積していたからだ。

 「Azureを選択したことで最も価値を感じているのは、日本マイクロソフトの支援体制です。クラウド事業を始めたばかりの私たちにとって、日本マイクロソフトの技術面でのサポートは非常に心強いものでした」(松尾氏)

手厚いサポートがお互いのビジネス成長を促進する

 シムトップスはAzureのエンタープライズ契約を結び、日本マイクロソフトとの協業も強化している。最近は、i-Reporterの案件を共有し、営業チャネルを拡大しているところだ。ユーザーからAzureの紹介を求められたときには、日本マイクロソフトのエンジニアが商談に同席し、安心して利用してもらえるように細かく説明するケースも多いという。

 「協業による技術者支援の手厚さは、特に重要です。最近ではオープンソース技術の採用なども積極的に行われていますが、これに追随するのは容易なことではありません。マイクロソフトは、最新の開発者向けイベントや個別のハッカソンなどを通じ、最先端技術でいかなるビジネス価値を生むかという情報を細かに提供してくれます。もちろん、その回答となる最新技術も、既に用意されています。これは私たちにとって非常に大きなメリットです」(松尾氏)

 現在、シムトップスでは、MC-Web CONTROLLERのクラウド対応を急ピッチで進めている他、中核ソリューションである生産・工程管理システムのクラウド化も図っており、開発の中心であるベテランスタッフの意識も高まっているという。今後もシムトップスは、日本マイクロソフトとともに最先端の技術を追求して、製造業を中心に日本企業を支援していく。

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提供:日本マイクロソフト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2017年7月29日

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