第47回 「この人と働きたい」――フルスタックエンジニアが、スタート間もない企業を選んだ理由マイナビ転職×@IT自分戦略研究所 「キャリアアップ 転職体験談」

「転職には興味があるが、自分のスキルの生かし方が分からない」「自分にはどんなキャリアチェンジの可能性があるのだろうか?」――読者の悩みに応えるべく、さまざまな業種・職種への転職を成功させたITエンジニアたちにインタビューを行った。あなたのキャリアプランニングに、ぜひ役立ててほしい。

» 2017年06月29日 10時00分 公開
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 就職・転職するなら、規模感のある大手企業か、それともこれから成長していく小さな企業か――それぞれにメリット、デメリットがあり、判断の基準は人によって分かれるだろう。

 また「企業」で選ぶのではなく「人」で選ぶという考え方もある。「この人と一緒に働きたい」と思える人がいる企業を選ぶという考え方である。

 今回紹介する新間理貴さんは、転職先にスタート間もない小さな企業「AnyPay」を選んだ。その決め手は「人」だったという。

 AnyPay社は、広告配信を手掛けるアトランティスや、ニュースのキュレーションサービスGunosyを立ち上げ、成功に導いてきたアントレプレナーである木村新司氏が2016年に設立した、オンライン決済サービス「AnyPay」や、わりかんアプリ「paymo」を提供する注目企業だ。

 新間さんが同社で活躍するに至った経緯を紹介していこう。


【転職者プロフィール】
新間理貴さん(30歳)

AnyPay 開発本部(2016年11月入社)

【転職前】
オークファンにて、インフラ設計・構築、ソフトウェア設計・開発、海外拠点立ち上げ・マネジメントなどを経験
【転職後】
AnyPayにて、画期的な新サービスであるわりかんアプリ「paymo」のサービス立ち上げに参画。開発に従事する傍らで、社内の組織・体制づくりにも活躍

最初に内定をもらった企業を辞退し社員15人の企業へ!

 新間さんは、大学・大学院と管理工学を専攻。就職活動では、早々にモバイル向けゲームメディア事業を展開する、ある企業への就職を決めていた。従業員数300人ほどという中堅規模ながら、業界では名が知られている企業で、特に「この会社だから」という理由はなく、「最初に内定をもらえた会社だったから」と、入社の決め手もシンプルなものであった。

 しかし、新間さんはその企業への入社を辞退することに。というのも、在学中にインターンシップで「オークファン」で仕事をする機会があったからだ。

 オークファンは、ショッピングの商品および価格情報の比較、検索、分析サービスなどを提供する相場検索サイト「aucfan.com」を運営する企業だ。

 「中学時代にカードゲームのレアカードの価格を調べるためにaucfan.comを利用していたため、同サービスになじみがありました。また、インターンシップで実際に働いてみて、少人数故に一人一人の業務の幅が広く『短期間でより多くのことを学べるのではないか』と実感しました。『ファーストキャリアは小さな会社で』と考えていたので、当時社員数15人ほどだったオークファンに入社することに決めました」

インフラから開発、そして海外拠点立ち上げまでを経験

 2010年にオークファンへ入社した後、新間さんはまず、同社のサービスを支えるサーバの設計、構築などを担当するインフラ系エンジニアとして活躍した。

 「もともとインフラ系に強い会社だったので、それならば、いろいろと学ばせてもらおうと思い、自ら志願しました」と語る新間さん。そこには、レイヤーの上から下まで全てに精通するフルスタックのエンジニアを目指したいという思いもあった。

 サーバやネットワークスイッチの設置設定、ケーブルワークなど、物理レイヤーからキャリアをスタートさせていき、実際にデータセンターへ出向き、重たいサーバをラックにマウントし、ネットワークケーブルを配線することもやったという。

 1年半ほどインフラを手掛けてから開発部門へ異動。PHPを駆使して同社のサービスを開発した。

 そして2014年ごろ、社内でベトナム開発拠点設立の話が持ち上がる。

 「新卒から3〜4年もたつと、大学の同期の中には海外で仕事をして活躍している人が出てきます。何事も経験。海外で働いてみるのもいいかなと思いました」

 新間さんは、ベトナムの開発拠点立ち上げに手を挙げ、同年9月にホーチミンに赴いた。現地人3人を採用したところから引き継ぎ、人材の育成や拠点運営など、それまで未経験だったマネジメント業務も任された。自らコードを書く機会は次第に減っていった。

 その後、現地採用のエンジニアが増え、10人規模まで拡大したところで、「そろそろ、社内の他のメンバーに学ぶ機会を」という思いから帰国した。

 帰国後もマネジメント業務を任されるが、「全く新しいことにチャレンジしたい」という気持ちが強くなっており、新間さんは同社を退職する。

知人から「木村さんが会社を立ち上げる」と聞きAnyPayへ

 転職先を決めずに退職した新間さんだったが、不安はなかったのだろうか。

 「さまざまな企業でエンジニアが求められているので、技術を身に付けていれば、辞めるリスクはそれほど高くないと考えました。唯一、不安があるとすれば、自分が面白いと感じられる会社が、世の中にあるかどうかということでした」

 そうして、マイペースで次の進むべき道を探していたある日のこと、知人から「木村さんが新しい会社を立ち上げて、エンジニアを探している」という情報を知らされる。言うまでもなく、これがAnyPayだった。

 新間さんも、「メジャーなプロダクトを手掛けたい」と考えていたところだった。普遍的で大勢の人が使うサービスといえばECやネット広告が思い浮かぶが、既にメジャー大手が何社もあり、サービスも組織も出来上がっている状態。

 それよりも、決済サービスというより汎用性の高いサービス分野で、「個人でもスマホ経由でクレジットカード決済サービスによる代金徴収が行える」という同社のビジネスに、大きな可能性を感じたという。

 確かに、フリマのような個人間取引、ピアノのレッスンの月謝徴収など、個人間でもクレジットカード決済で代金を支払いたいシーンはたくさんある。類似のサービスもあるが、それをスマホからも行えるという点は新しく、しかも時代にマッチしている。

 AnyPayはまだスタートしたばかりだったが、ある程度形が出来上がった会社に入っていくよりも、立ち上げに関わって一緒に作り上げていきたい新間さんにとって、まさに「面白いと感じられる会社」そのものだった。

 木村さんのことは、さまざまなメディアを通じて知っていた新間さん。最後の決め手は「この人と一緒に働きたい」という強い思いだった。

優秀なチームにはマネジメントはいらない

 入社後は、わりかんアプリ「paymo」にサービス立ち上げから携わり、これまでの経験を存分に発揮し、活躍している。

 「新サービスの立ち上げには、それこそレイヤーの上から下まで全ての知識が必要なので、前職での経験が大いに役立っています」

 同社はフラットな組織で開発を行っており、ミドルマネジメントのポジションは設けていない。一人一人のエンジニアが自身の役割を理解し、能動的に動くため、トップダウンで指示を出す必要がないのだ。

 また、ことあるごとに会議を開くこともなく、「Slack」(チームコミュニケーションアプリ)で他のメンバーと打ち合わせたり、「GitHub」のIssue(懸案事項の共有機能)を使って課題の提起を図ったりして、非同期でも開発を進められる体制が構築されている。

 新間さんは、同社のこうした開発体制がとても気に入っており、この体制を維持するために、あるミッションも与えられている。

 「現在、エンジニアの採用業務にも関わっていて、“自分よりできそうな人を採用しろ”と言われています(笑)」

 こうしてエンジニアが、自分たちの業務を進めやすい組織や体制をつくり出していける点も、AnyPayで働く大きな魅力といえるだろう。

日本中から現金を消し去るために

 最後に少し意地悪な質問をぶつけてみた。

 開発はもちろん、マネジメントまで、さまざまなキャリアを積んできた新間さんだけに、独立起業するという考えはなかったのだろうか。

 「起業するにはビジネスのアイデアが必要ですが、その部分のキャリアは積んでいません。当社の木村は、これまでに幾つものビジネスを立ち上げ成功に導いてきました。だからこそ『一緒に仕事をしたい』と思い、この会社を選びました。卓越したアイデアを確かな技術で支えていくことに、大きなやりがいを感じています」

 そんな新間さんの、今後の目標はどのようなものだろうか?

 「自分が、普段からできるだけ現金を持たずに過ごしたいという性格なので、まずはAnyPayやpaymoといったサービスをどんどん普及させていきたいですね」

 究極の目標は「日本中から現金を消し去る」ことだという新間さん。その輝く瞳から「本当に面白いと感じられる会社」で活躍していることが伝わってくる。

AnyPay 取締役COO 大野紗和子さんに聞く、新間さんの評価ポイント

 新間さんがAnyPayに初めて話しに来てくれたのは、初期の立ち上げ期、まだ役員3人しかいなかった時期でした。前職オークファンでのインフラ、サーバサイドの広範囲の経験や、ベトナムでのチーム立ち上げ、マネジメント経験から、まだ人手も少なくこれから組織づくりをしていく必要があるAnyPayにとって、とても助かる存在になるだろうと思いました。

 人柄も、謙虚、かつ「新しいことにどんどんチャレンジしたい」というオープンなマインドの持ち主で、実際に現在、少数精鋭で高速のPDCAを回している「AnyPay」「paymo」の両プロダクトにとって欠かすことのできない存在となってくれています。これからも、AnyPayの開発の屋台骨の一人として、大活躍してくれることを期待しています。


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提供:株式会社マイナビ
アイティメディア営業企画/制作:@IT自分戦略研究所 編集部/掲載内容有効期限:2017年7月31日

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