Nutanixの国内普及が加速、それでも残る課題とはネットワールドが技術力で強力に後押し

Nutanixのハイパーコンバージドインフラ(HCI)製品の普及が加速している。こうした時期だからこそ、多くの課題をクリアしていく必要があると、ネットワールド マーケティング本部の三好哲生氏は話す。課題とは何なのか。

» 2017年08月30日 10時00分 公開
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 Nutanixのハイパーコンバージドインフラ(HCI)製品の普及が加速している。こうした時期だからこそ、多くの課題をクリアしていく必要があり、日本国内における主要ディストリビューターであるネットワールドが果たすべき役割と責任は大きいと、同社マーケティング本部の三好哲生氏は話す。

 課題とは何か。根本的にはNutanixという企業が、ユニークなアプローチで企業ITインフラの新たなソリューションを提供しており、しかも製品の進化のスピードが速いことにある。顧客を支援するリセラーも、Nutanixのユニークさを理解し、そのスピードについていったうえで適切な提案や支援ができないと、この製品のもたらす真のメリットを有効に生かせないままになってしまう可能性がある。

ソフトウェアベンダー化が進むNutanix

 三好氏は、第1の課題として、Nutanix製品の提供オプションの拡大と、ソフトウェアベンダー化を指摘する。

 Nutanixは、ハードウェアとソフトウェアが一体化したアプライアンスを自社製品として提供することからスタートしたが、現在ではDell EMC、Lenovo、IBMに対してソフトウェアのOEM提供も行っている。さらに最近では、Hewlett Packard Enterprise(HPE)、Cisco Systemsのサーバにインストールして利用できるソフトウェアライセンスの提供も始めた。「ディストリビューターとして、これら全てを適切に提供する必要があると考えています」と三好氏はいう。特にHPE、CiscoのハードウェアとNutanixソフトウェアとの組み合わせは、責任をもって検証を進めなければならない。

 全般的にハードウェア構成の選択肢も、数年前とは比べようもないほど増加した。このため、適切な検証とサイジングを提供し、HCIの重要な特徴である「届いたらほぼ即座に使い始められる」を実現するため、必要に応じてキッティングを行い、ハードウェアとソフトウェアを構成したうえで、短期間で顧客に届けなければならない。

 ネットワールドでは、出荷前システムの検証・構築を行う「プリ・インテグレーションセンター(PIC)」を増床・リニューアルし、2017年8月1日に新装オープンした。PICでは、Nutanixのキッティング機能も強化された。

 一方、ユーザー企業の間では、Nutanixのさまざまな選択肢について、望みの構成でどれくらいの価格になるのかを知りたいというニーズがますます高まっている。そこでネットワールドでは、同社のNutanixポータルサイト(利用にはアカウント登録が必要)で簡単見積もり機能を提供し始めた。これを使えば、定価ベースではあるものの、特定のハードウェア構成における大まかな価格がその場で算出でき、好みのリセラーを選択して、より正確な見積もりを依頼することもできる。

ネットワールドのNutanixポータルサイト

 ネットワールドは、Nutanixの調達や環境構築に関わるさまざまな作業をリセラーにワンストップで提供、リセラーが顧客のニーズへの対応に専念することを支援している。

Nutanixの活用支援には技術力が欠かせない

 第2の課題は、Nutanixの製品としてのユニークさと進化にある。他のHCI製品は、ほぼ全てVMware vSphereにSoftware Defined Storage(SDS)を組み合わせ、これらをサーバにプリインストールすることで、機動的かつ効率的な仮想化環境の運用ができるようにしている。つまり、従来型のITインフラで、vCenterを使ったvSphereの運用をしてきた人にとっては、大きく変わるところはない。

ネットワールド マーケティング本部の三好哲生氏

 一方Nutanixでは、vSphereの運用についても独自の運用コンソールで、さまざまな機能をワンクリックで使えるようにしている他、「AHV(旧称:Acropolis Hypervisor)」と呼ばれるKVMベースのハイパーバイザー上の仮想マシン、および物理マシンを同一のコンソールで統合管理できるようにしている。

 AHVの利用率は、世界的にNutanix環境全体の25%に達しているというが、三好氏は日本でも同様な状況だと話す。特にITインフラ更改ではなく新規アプリケーションのための導入では、予算やサポートのワンストップ性などからAHVが選択されるケースも増えているという。

 AHVによる仮想化では、vSphereのライセンスが不要なため、コスト効率を高められる。また、NutanixではAHVをベースとしたITインフラ運用支援機能をvSphereに近づけ、さらにこれを超えるべく、強化を急速に進めてきた。

 ユーザー企業はいったんNutanixの導入後も、プラットフォームソフトウェアの半自動的なバージョンアップを通じ、次々に強化されていく機能を活用し、IT運用の改善を継続していける可能性が生まれている。ただし、誰かが検証し、安心して使えることを示してくれないと、安心して使えないと考える企業は多いはずだ。プラットフォームソフトウェアのバージョンアップ自体、怖くてできないという企業もあるだろう。

 Nutanixの管理コンソールは、「Facebookアプリのような使い勝手」と表現する人がいるほど分かりやすく、Nutanixによって初めてITインフラ運用を内製化できたという企業もある。とはいえ、日常の運用作業はユーザー企業側がやるとしても、突然のパフォーマンス低下をはじめ、トラブルあるいはそれに類する事象が発生した場合、ユーザー企業が頼りにするのはリセラーだ。

 ユーザー企業をサポートする側は、使いやすいインターフェースの裏で、Nutanixソフトウェアがどのような振る舞いをしているかを理解していないと、トラブルシューティングができない。

 また、AHVに基づく機能が進化しているとはいっても、vSphereを選択するのが適していると考えられるケースもあると、三好氏はいう。

 ネットワールドには、Nutanix認定コンサルタントが8名在籍しており、さらにvSphereを通じて仮想化環境、およびその上で動作するアプリケーションに精通するエンジニアが多数存在する。こうしたエンジニアが技術面でリセラーをサポートすべく、多様なサービスを提供している。

 Nutanixはユーザー組織のITインフラを積極的に近代化できる、数少ない製品だ。そうであれば、リセラーの対応も近代化されることが望ましい。人材不足が深刻化している現在、リセラーは自社で全てを抱え込み、手作業で対応すべきではない。困難な作業はネットワールドに任せてほしいという。

 ネットワールドの技術力は、Enterprise Cloud Association(ECA)における活動にも生かされている。

 ECAは、ニュータニックス・ジャパンとそのパートナー企業が集結し、日本におけるNutanixソリューションの開発やベストプラクティスの確立を目指し、さらに一般への啓蒙を推進しているグループ。

 同グループにおける重要な活動の1つに、テクノロジーパートナー製品との組み合わせの検証がある。デスクトップ仮想化やバックアップソフトウェア、GPUなどをNutanixソフトウェアで検証し、最適な構成・設定や運用の仕方をドキュメントとして提示しようとしている。

 ネットワールドはECAに参加するディストリビューターとして、率先して検証に取り組んでいる。そして、こうした活動を通じて得られた知見を、リセラー支援の活動にもフィードバックしていこうとしている。

 一方、ネットワールドではブログを通じ、Nutanixに関する最新技術情報を日本語できめ細かく発信している。

 これについて三好氏は、急速に進化するNutanixの技術を、多くの人が容易に日本でキャッチアップできる環境が整っていかないと、Nutanixの価値についての認識が広まらず、その本質が理解されなくなってしまうことを危惧しているからだという。Nutanixは最先端の技術に率先して取り組んでいる。Nutanixを理解することは、最新のITインフラ関連技術を理解することでもある。

ネットワールドのNutanix Blogは、ITインフラ技術の進化に関する最新情報の宝庫でもある

Nutanixが戦略的に利用されるようになってきている

 第3の課題は、Nutanixの使われ方が変わってきていることにある。Nutanixは当初、デスクトップ仮想化や単一の業務システムなど、特定目的のためにパイロット的に使われるケースが多かった。それがうまくいくと、デスクトップ仮想化などでも本格的な導入が始まり、さらに社内ITのインフラ基盤としての導入に進むケースが増えてきた。

 こうなってくると、導入や技術に関するサポート活動についても、本格的な取り組みが求められるようになる。

 ネットワールドは2017年5月、Nutanixの国内ディストリビューターとして初めて、認定コンサルティングパートナーとなった。

 ネットワールドはこれまでも、Nutanixの基本設定、オンサイトでの要件ヒアリングに基づくNutanixの構成、基本的な操作方法についての説明ドキュメント提供、ハイパーバイザーの入れ替え作業などのサービスを提供してきたが、今回のコンサルティングパートナー認定によって、調査から計画、設計、展開、運用までの一連のプロセスについて、企業としてのNutanixが、大規模アカウントへの対応で培ってきたノウハウを直接的にフル活用し、リセラー向けに高度な認定サービスを提供できる。

 具体的には次のサービスが提供可能だ。

  • クラスタ最適化サービス
  • Acropolis ファイルサービスへのデータ移行
  • ハイパーバイザー移行
  • Citrix XenDesktop on Nutanix 構築
  • メトロ可用性、移行、マルチサイト、災害復旧、VDIなど本稼働環境向けサービス
  • サービスプロバイダー、ヘルスケア、公共など業種ごとのコンサルティングサービス
  • セキュリティ、DevOps、エンタープライズアプリケーション、ハイブリッド&マネージドクラウド、ビッグデータなどテクノロジーごとのコンサルティングサービス

 上記に加え、確実なVDI導入を実現する業界初のVDI保証制度である「Nutanix VDI Assurance」も提供開始した。これは、顧客が指定したユーザー数とユーザープロファイルを基に、ニュータニックス・ジャパンとネットワールドが共同で、コンピューティング(CPUとメモリ)とストレージの要件を保証するプログラム。導入後に要件が満たされない状況が発生した場合、Nutanixソフトウェアの設定を見直して対応する。それでも要件を満たせない場合、追加のハードウェアを無償で提供する。

 このように、ネットワールドは新世代ITインフラとしてNutanixをフル活用する企業と、それを支えるリセラーを、多角的なサービスで支援している。こうしたサービスの原動力となっているのは、一にも二にも、長年培ってきた技術力、エンジニアリング力だという。

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提供:株式会社ネットワールド
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2017年12月26日

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