前述した3つの特長のポイントを具体的に解説していこう。
日本オラクルでSPARC/Solaris製品に関するセールスコンサルタントを務める大曽根明氏(クラウド・システム事業統括 ソリューション本部 サーバーソリューション部 Master Principal Sales Consultant)は、「ハードウェアとソフトウェアが事前に構成/検証済みのEngineered Systemsとして、“間違いのないシステム基盤”を短期間で構築できることが、Oracle MiniCluster S7-2を使うメリットの1つ」だと話す。
「汎用サーバ製品を用いる場合、システム基盤の構築から設定、最適化、検証までに数カ月かかるのが一般的です。しかしOracle MiniCluster S7-2ならば数日、早ければ1、2日で導入を完了し、その状態でOracle Databaseを高速に実行することができます」(大月氏)
これを、SPARC/Solarisのエキスパートがいない企業だとしても、簡単な画面操作で用途に最適化したシステムを構成できることが大きなポイントだ。
「LinuxやWindowsからの移行を検討しているお客さまの中には、Solarisはハードルが高いというイメージをお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。しかし、Oracle MiniCluster S7-2ならば心配は要りません。アプリケーションに関しては他のOSからの移行作業が発生しますが、Oracle Databaseについてはデータベースを移すだけで済み、Solarisをほとんど意識することなく、場合によってはGUIベースの操作だけでセットアップが完了します」(大曽根氏)
その簡単セットアップを実現しているのが、Oracle MiniCluster S7-2に搭載された「バーチャル・アシスタント」だ。これはOSやデータベース環境、アプリケーション環境(仮想化環境)のセットアップ/運用を支援するツールであり、日本語化されたGUIを使い、下図に示す項目の設定をビジュアルベースで行うことができる。
「Oracle MiniCluster S7-2では、Oracle Real Application Clustersを用いたデータベースのインストールから設定、デプロイまでの作業が、全てバーチャル・アシスタントで行えます。通常ならばOracle Databaseのエキスパートが数日かけて実施する作業が、わずか4時間程度で完了します」(大曽根氏)
OSのパッチ適用や簡単なアップデートもビジュアルに行えるので、これまでSolarisを使ったことがない企業でも安心して導入できるというわけだ。
簡単に導入した後は、高いパフォーマンスでシステムを稼働させられる点も大きな魅力だ。Oracle MiniCluster S7-2に搭載されたSPARC S7プロセッサはコア当たりの性能が高いことを大きな特長としており、その性能の高さは各種の業界ベンチマークテストでも証明されている。データベースのみならず、Javaアプリケーションに関しても同クラスの他社サーバ製品と比べて高い性能を発揮する。
また、Software in Silicon技術により、Oracle Databaseを高速かつ高効率で実行するための各種機構をプロセッサに内蔵していることもポイントだ。SQL処理の高速化に加えてインメモリデータベース処理の高速化も実現しており、「大量のデータを高速に処理したい」といったニーズにも対応する。
日本に先行してリリースされた欧州や米国では、Oracle MiniCluster S7-2の高いパフォーマンスが実現する“高集約率”という利点を生かし、アプリケーションやデータベースの統合基盤のリプレース先として導入する企業が多いと大月氏は話す。
「例えば欧州の大手通信会社様では、それまで多数のx86サーバで運用していたアプリケーション/データベース統合基盤を1台のOracle MiniCluster S7-2にリプレースされました。これにより、サーバマシンの台数を11分の1に減らし、フロアスペースや電力コストを大きく削減しています」(大月氏)
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提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2017年10月19日
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