多くのIT部門は、社内システムの運用管理業務に日々追われており、本来取り組むべきIT戦略計画などの業務に手が回っていない。こうした課題を解決するソリューションとして、今、注目度が高まっている、PCライフサイクル全体をカバーする運用管理サービスについて、担当者に聞いた。
昨今、デジタルトランスフォーメーションや働き方改革への流れが急速に加速しつつあり、企業では業務の中でITをより有効に活用していくことが求められている。一方で、現実を見ると、社内でIT活用の推進役を担うはずのIT部門は、その役割を果たせていないのが実情だ。多くのIT部門は、社内システムの運用管理業務に日々追われており、本来取り組むべきIT戦略計画などの業務に手が回っていないといえる。
「IT部門は、ITを活用して、いかに業務効率化を図り、TCO削減やビジネスの成長につながるITサービスを提供していくかを考えるのが本来の仕事であり、経営層からもその役割に期待されている。しかし、実際には日常の運用管理業務をこなすのが精いっぱいで、特に社内のヘルプデスク対応に業務時間のほとんどを取られてしまっている。また、限られた人数で社内全体のPCやシステムの利用状況を把握するのは難しく、これがシャドーITを生む原因にもなっている」と、NTTデータ ウェーブ デスクトップサービス部の三浦大氏は指摘する。
こうした課題を解決するソリューションとして、今、注目度が高まっているのが、NTTデータ ウェーブが提供している「Wave PC Mate」サービスだ。このサービスは、ハードウェア・ソフトウェアの調達からセットアップ・デリバリー、運用管理、保守、撤去までをワンストップで提供し、企業のPC運用管理業務を一括で請け負うもの。サービスメニューは、「PCサービス」「セットアップ・デリバリーサービス」「サポートサービス」の大きく3つで構成され、PCライフサイクル全体をカバーしている。
NTTデータ ウェーブは、もともと日本たばこ産業(JT)の情報システム子会社(ジェイティソフトサービス)として、システムの構築や運用管理サポートなどを手掛けていた。このJTでのPC運用管理を通じて培ったノウハウと知見を生かし、企業のPCライフサイクルを網羅するアウトソーシングサービスとして、2003年から「Wave PC Mate」の提供を開始している。
「Wave PC Mate」では、単にハードウェアやソフトウェアを提供し、PCの運用管理を代行するのではなく、顧客専任のサービスマネージャーを配置し、顧客のIT部門と共に、TCO削減や部門・ユーザーの円滑な業務遂行に貢献する活動を行っている。
「Wave PC Mate」を構成する各サービスの概要を紹介しよう。
まず、PCサービスは、顧客のニーズに応じた機器仕様や保守条件などをマルチベンダーで評価/選定し、最適なハードウェアやソフトウェアを3年/4年/5年コースで提供する。
貸し出すハードウェアには、故障時の対応としてハードウェア保守を完全セット化し、オンサイト修理にも対応。貸し出し期間が終了した後は、ハードウェア回収まで同社が行う。回収したPCは、ディスクを粉砕処理し、保存されていたデータを安全に抹消する。顧客自身によるデータ消去を希望するケースにはデータ消去ツールも用意している。
セットアップ・デリバリーサービスでは、あらかじめ決められたハードウェア・ソフトウェアの各種設定を事前に行い、マスター環境を作成。ユーザーが簡単にセットアップできる状態で各拠点にPCをデリバリーする。ここで注目されるのが、同社独自開発の「自動セットアップツール」だ。これによって、初期導入時の作業を自動化し、導入費用を大幅に削減できるという。
自動セットアップツールについて、デモを交えて紹介してくれたのは、NTTデータ ウェーブ システム基盤事業部 デスクトップサービス部の松ざき(崎の異体字)沙織氏。「Wave PC Mate」では、提供するPCに、あらかじめ自動セットアップツールを組み込んでデリバリーする。ユーザーは、届いたPCを取り出して、ネットワークケーブルを接続し、電源を入れるだけ。すると、自動セットアップツールが立ち上がるので、セットアップ開始ボタンをクリックして、ユーザーのPC管理番号を選択すれば、自動で環境設定を行ってくれる。
従来、こうした環境設定は、IT部門が手作業で対応したり、分厚い手順書でユーザーが作業を行ったりするため、半日がかりになることも珍しくなかった。このツールによって、早ければ手元に届いてから20〜30分でPCが利用できるようになる。
また、マスター環境から専用リカバリーメディアを作成し、提供している。OS障害やマルウェア感染などのトラブルが発生した際には、このメディアと自動セットアップツールにより、迅速に初期状態まで復旧することが可能となる。
この他、セットアップ・デリバリーサービスでは、事前の導入計画の支援や、大規模案件などにおける展開専用の問い合わせ窓口の設置にも対応している。
「サポートサービス」は、一元窓口としてヘルプデスクを設置し、ユーザーからの問い合わせから問題解決までをサポートするとともに、IT部門の大きな負担であった運用管理業務を軽減する各種サービスを提供する。
ヘルプデスクでは、顧客と同一のPC環境を用いて、電話での応対からリモートサポートまでスムーズなコミュニケーションを実現している。
また、リモート操作を行うPC環境については、ヘルプデスクフロアとは分離し、顧客ごとに物理的に区画分けされた厳重な端末アクセスルームで管理している。この端末アクセスルームには、静脈認証を採用し、担当者本人以外は入室できないようになっている。さらに、ヘルプデスクフロアには監視カメラも設置されており、スタッフの行動を24時間チェックしている。
「顧客情報の内部流出が起こらないよう万全のセキュリティ体制を整えている」(松ざき氏)
また、資産管理とセキュリティ対策において、他社と一線を画すサービスを提供している点も見逃せない。
資産管理のサービスとしては、独自開発の資産管理ツールを提供。このツールでは、顧客のIT資産の情報が一元的に表示され、IT部門の担当者は、ハードウェアの配置やソフトウェアライセンスの契約数などをリアルタイムで把握できる。また、表示フィルターやドリルダウン検索など多彩なビューを備えている他、機種やOS、ソフトウェアなどのサマリー情報も確認でき、社内の「見える化」に大きな効果を発揮する。
そして、セキュリティ対策のサービスでは、Windowsのセキュリティパッチや最新のウイルス定義ファイルをそのまま配信・適用するのではなく、事前に専任の技術スタッフが顧客と同一環境のPCで適用検証を行っている。その後、顧客自身で業務検証を行い、問題がなければ全拠点のユーザー端末に配信している。
「ただ、セキュリティパッチやウイルス定義ファイルを配信しても、ユーザー側が適用してくれないと意味がない。そこで当社では、適用状況から配信方法を切り替えるなどを行い、適用率を上げ、クライアントPCの脆弱(ぜいじゃく)性対策を強化している。これによって、適用率100%達成を支援している」(松ざき氏)
このように「Wave PC Mate」は、IT部門が抱えるPC運用管理業務の悩みに応えるベストプラクティスのアウトソーシングサービスといえるだろう。IT部門はこのサービスを導入することで、日常の運用管理業務から開放され、経営を支援する戦略部門へと変革していくことができるはずだ。
もちろん、TCO削減のメリットが大きいことも忘れてはならない。「Wave PC Mate」の標準サービスは、利用月数で平準化した月額サービス料金のみで利用でき、従来システムのような機器の購入・管理環境や設備費などの初期費用は一切かからないのである。
「『Wave PC Mate』によるコスト削減の成功事例としては、「Wave PC Mate」の導入を機にIT運用管理業務全般を見直した結果、導入から5年後にTCOを25%削減したケースもある」(三浦氏)
2003年の提供開始から10年以上の実績がある「Wave PC Mate」は、既に幅広い業種の企業に導入が進んでいる。その中でも、食料品、不動産、サービス業で多くの導入実績を持っており、ほとんどの企業が他社サービスからのスイッチだという。
導入規模としては、例えば、食料品の企業では全国約300拠点、約1万6000クライアント、不動産の企業では全国450拠点、約7600クライアント、サービス業の企業では全国約130拠点、約5000クライアントと、大規模なサービスの導入が中心となっている。
「『Wave PC Mate』は、3000台以上のPCを保有する企業に導入メリットが大きくなる。業種的には、今後、製造業や金融業への提案活動にも力を注ぎ、導入実績を広げていきたい」と、松ざき氏は、さらなる導入拡大に意欲を見せた。
なおNTTデータ ウェーブは、11月8〜10日に開催される「2017 Japan IT Week 秋」に出展し、同社ブースで「Wave PC Mate」を紹介する予定だ。
今回の展示では、インテルと日本HPとの3社コラボレーションにより、“働き方改革を推進するトータルアウトソーシングサービス”をテーマにしたブースを展開。ブースでは、セキュリティ機能に優れた日本HPのPCをデモ機に使用し、「Wave PC Mate」の大きな特徴である自動セットアップツールや資産管理ツールを実際に体験できる他、働き方改革を推進する各種オプション機能を多く展示するという。
特に、「Intel Unite®ソリューション」は、会議の無駄を減らしたスマートな会議を実現するソリューションだ。会議室に設置された大型ディスプレイとミニPC、クライアント上のIntel Unite®アプリケーションにより、オンサイトの参加者、リモートの参加者ともにワイヤレスで素早くPC画面を共有できる。
他にも「Wave PC Mate」のオプションツールが幾つか展示される。
例えば「ARTI」は、ADアカウントのロック解除とパスワード初期化をセルフサービス化することができる。これにより、ユーザーからのアカウントロックやパスワード忘れの問い合わせが減り、運用工数の削減を図ることができる。
また、データ移行ツール「WavePorter」もニーズが高まっているオプションだ。PC同士をLANケーブルでつなぐだけで、古いPCのデータを新しいPCに、簡単に移行することができる。社内ネットワークを介さないため、他システムへの影響も考慮することなく利用可能となっている。
2017 Japan IT Week 秋では、「Wave PC Mate」に関するさまざまなデモ展示やオプション製品の紹介が行われているので、実際にブースに足を運んで、見て、体験してみてはいかがだろうか。
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提供:株式会社NTTデータ ウェーブ
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2017年11月29日