パートナーと共に驚異的な成長をこれからも──Dell EMC Business Partner Forum 2018 Tokyo好調でも満足せず、パートナーと共にさらなる高みを目指す

Dell EMCのパートナーイベント「Dell EMC Business Partner Forum 2018」が東京で5月29日に開催された。同社が掲げるトランスフォーメーションが新たな段階に到達する中、成長率の高いストレージやサーバー、HCI分野でどのような策を打ち出したのか。働き方改革に続く、学び方改革をどのように進めているのか、会場から報告する。

» 2018年07月17日 10時00分 公開
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トランスフォーメーションがMake it Realの段階に到達

松本光吉氏 Dell EMC執行役員副社長 インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 兼 パートナー事業本部長の松本光吉氏

 Dell EMCは2018年5月29日、パートナー事業の戦略や2017年の報告、表彰を行う「Dell EMC Business Partner Forum 2018 Tokyo」を東京の芝公園で開催した。

 冒頭のあいさつで、Dell EMC執行役員副社長 インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 兼 パートナー事業本部長を務める松本光吉氏は、2017年の事業が非常に好調であり、前年比で2桁成長を遂げたことを披露した。プロダクトごとの前年比成長率は、HCI/CIが400%超、オールフラッシュが63%、サーバーが17%という高い数字を達成。イベントのメインテーマであるパートナー事業も、成長率16%となった。しかし松本氏は、この数値に満足せず、より一層パートナーシップを強化する姿勢を見せた。

 「こうした高い数字を達成できたのは、ひとえにパートナーの皆さまのおかげです。しかしながら、Dell Technologies全体では、これ以上の成長率を達成しています。本年は、Dell EMCの製品をもっと身近に感じてもらうために、より幅広いポートフォリオを提供したいと考えています」(松本氏)

 続いて登壇したデル最高技術責任者の黒田晴彦氏は、2018年4月末から5月にかけて米国ラスベガスで開催されたDell Technologies World 2018の概要を紹介した。129か国から1万4000人が集まる過去最大のイベントとなったという。

 Dell EMCは、2016年から「4つのトランスフォーメーション」──デジタル/IT/ワークフォース/セキュリティの変革を戦略テーマとして掲げている。

 「今年のイベントでは『Make it Real』、実際に世界中で変革が本格的に進んでいるというメッセージで紹介されました。また今年は、初めて『Dell Technologies World』として開催され、グループの総合力が結集したことも注目されました」(黒田氏)

 黒田氏は、マイケル・デル会長の「技術戦略こそビジネス戦略」ということばを借り、技術の進化状況を理解しないと、ビジネスの革新、革命につながらないことを示唆した。そこで黒田氏は「VR/AR」「IoT」「マルチクラウド」「ソフトウェア・デファインド・エブリシング」「人工知能と機械学習」という5つの技術分野に注力する必要があり、パートナーと共に“追いかけていきたい”と強調した。

 引き続き、特に活躍したパートナー企業の紹介と表彰が行われ、最後に松本氏は「地球で随一の幅広いポートフォリオを多くのユーザーに活用していただけるよう、またパートナー各社がおのおのの顧客に一層貢献できるような仕組みを作っていきたいと思います」と締めくくった。

ストレージもパートナー戦略と国内サポートを徹底強化

渡辺浩志氏 プライマリーストレージ事業本部長の渡辺浩志氏

 イベント最初のセッションでは、同社のプライマリーストレージ事業本部長の渡辺浩志氏と執行役員 UDS事業本部長の倉橋秀則氏が登壇し、「Dell EMCストレージのススメ」と題した講演を行った。ストレージは、2018年に注力してビジネスを伸ばしたい分野とのことで、解説にも力が入っていた。

 オールフラッシュストレージ製品の好成績を継続するための最新ソリューションとして、渡辺氏はVMAXシリーズの後継となるハイエンド向けの「PowerMax」を紹介した。業界で初めてマシンラーニングエンジンを搭載し、「最大10M IOPSという高い性能を示すストレージアレイである」と強調する。規模にかかわらず“絶対に止められない環境”で高い信頼性を確保したいユーザーに推奨したいという。

 オールフラッシュ製品の先駆けとなる「XtremIO」シリーズでも、「X2-T」という新製品を紹介。性能、機能はハイエンド向けでありながら、ミッドレンジクラスの価格帯で提供される点がウリの1つだ。

 ミッドレンジクラスの「Unity」や「SC」シリーズは順調にお客さまを増やしており、特に「SC」シリーズでは、2018年第1四半期に過去最高の売上高を達成したという。加えて同氏は、クラウドベースの統合管理、予測分析ツール「CloudIQ」を取り上げ、2018年下半期には全てのストレージ製品に対応することを紹介した。

 UDS(非構造化データソリューション)分野については、倉橋氏が2017年度の実績を紹介し、第4四半期、さらに年間において過去最高の成長率を達成したことについてパートナー各社へ謝辞を述べた。この好調は現在も続いており、直近の2018第1四半期にも過去最高となる112%の成長を達成した。特にオートモーティブの分野でのニーズが高く、「データは燃料(DATA IS THE FUEL.)」というメッセージを体現して、イノベーションを興している企業が増えているとした。

 「企業にとってデータは資本にほかなりません。そのデータ資本はあらゆる場所に存在しています。それがどこにあるのか、最も知っているのはユーザーにいちばん近いパートナーの皆さんです。それらを一緒に発掘し、最適なソリューションとしてスケールアウトNAS『Isilon』やオブジェクトストレージ『ECS』を提案したいと考えています」(倉橋氏)

 一通りのアップデート情報を紹介したところで、サプライズ的に登場したのが、DPS事業本部長の今井浩氏だ。まず同氏は、データプロテクション事業についても2桁成長を達成し、多くの新規顧客を獲得できたことなどについて謝辞を述べた。

 「2018年には、クラウド、コンバージド、サイバーセキュリティという3分野での取り組みを強化します。DPS製品がVMware Cloud on AWSに対応すること。Data DomainやAvamarなどの機能をシンプルなエントリー向けのオールインワン製品として提供すること。バックアップ&リカバリー技術をサイバーリカバリーソリューションとして提供すること、これらの“3つのC”で市場をけん引したいと考えています」(今井氏)

 最後に渡辺氏は、パートナー向けの取り組みとして、これまでXtremIOで提供してきた「FUTURE-PROOF STORAGE LOYALTY PROGRAM」の範囲を他のストレージ/データプロテクション分野に拡大し、より手厚いサポートを提供することを紹介した。さらに倉橋氏は、ストレージ分野でも国内、日本語、24時間365日のサポート体制を作り、「エンドユーザーが安心して購入、運用できるような環境を整えた」ことを強調した。

将来にわたって貢献できる地球でいちばんのHCI

馬場健太郎氏 インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 パートナー営業本部 本部長 馬場健太郎氏

 次のセッション「HCIアプライアンスVxRailの実力」では、インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 パートナー営業本部 本部長 馬場健太郎氏が、2016年に発売した「VxRail」を中心に事業と製品の紹介を行った。

 馬場氏は、ITトランスフォーメーションのためには「モダンデータセンター」の実現が必要であり、HCIはそれを担うエッセンス、つまりフラッシュ、スケールアウト、ソフトウェア・デファインド、クラウド対応、信頼性の全てを備えていると主張する。Dell EMCは、VxRailをはじめ、あらゆるニーズに応えるHCIポートフォリオを備えているという。

 「HCIは、リソースを追加してスケールアウトできることが最大の特徴です。そのためには製品が継続的に供給されなければなりません。当社のHCIは、パートナーの尽力もあって、地球で一番売れています。つまり、将来にわたって製品を供給できる継続力があり、スケールアウトを持続できるということです」(馬場氏)

 Dell EMCのHCIの中でも、特に人気の高いものがVxRailシリーズだ。馬場氏はその理由として「ラインアップと機能が充実」「運用が簡単」「サポートサービス」「検証済みソリューション」という4つの項目挙げた。

VxRail

 特にサポートについては、サービスビジネスを担当するDell EMC サービスビジネス営業統括本部 統括本部長 高橋歩氏が登場し、他社と比べても手厚いサポートを提供していること、Dell EMCとVMwareが協調してサポートサービスを提供しておりユーザーやパートナーが安心して運用できる体制を整えていることを強調した。また検証についても、ヴイエムウェア株式会社 パートナー営業本部 ストラテジックパートナー営業部 部長 雪竹潤氏が登壇して強い協力体制を敷いていることを強調。ガイドラインなどを作成し、短期間での導入が実現しやすい環境を整えているとした。

 「パートナー向けの支援体制も強化しており、多くのプログラムやツールを用意しています。デモツールやソリューションセンターを上手に活用していただきたい。今後も、総合的な価値を提供できるソリューションとして、VxRailを推奨したいですね」(馬場氏)

業界最強のサーバー環境をトータルで提供

上原宏氏 執行役員インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 製品本部 本部長の上原宏氏

 「Dell EMCのサーバー、ネットワークだョ!全員集合」というどこかで聞いたことのあるタイトルの講演を行ったのは、執行役員インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 製品本部 本部長の上原宏氏だ。

 「Dell EMC PowerEdgeサーバーは極めて好調で、地球一のシェアを誇ります(※)。年間出荷台数では、第2位の1.24倍、第3位と4位の9〜16倍もの差を付けています。国内のx86サーバー市場が停滞する中で、パートナービジネスは122%へと成長しており、ひとえに皆さまの支援によるものと理解しています」(上原氏)

 同氏は、Dell EMCが“業界最強”のサーバー製品ポートフォリオを持ち、あらゆるコンピュートニーズに対応できることを強調する。多様化するユーザーニーズへ、オーバースペックにならずに最適な答えを提供するためには、この幅広さが必要というわけだ。

 中でも最新の第14世代Dell EMC PowerEdgeは、拡張性、自動化、セキュリティにおいての強化が図られており、2018年5月に発売されたばかりのPowerEdge R840/R940xaは、「機械学習の実現を加速する」ソリューションだという。上原氏は「惜しみないR&D投資を行って、最強の製品を提供します」と述べた。

※IDC WW Quarterly Server Tracker 2017Q4 (Share by Company) - Unit and Revenue, product category: x86、IDC WW Quarterly Server Tracker 2017Q4 (Share by Company) - Unit, product category: x86

PowerEdge 4ソケットサーバ

 パートナー向けにはPowerEdge OEM仕様という選択肢も提供しており、厳しい環境向けに設計された「PowerEdge XR2」では、フロントパネルやフィルターベゼルのカスタマイズ、オプション構成などが充実している。

 さらに上原氏は、PowerEdgeの環境を最適化するものとしてDell EMC Networkingソリューションを推奨した。ネットワーク分野においても、コアやキャンパスからエッジ、ワイヤレス、ソフトウェアやセキュリティまで、幅広い製品ポートフォリオを備えている点に注目したい。2018年6月には、HCIに最適なスイッチとして「Dell EMC Networking S4112-ON」やSD-WAN向けの「Virtual Edge Platform 4600 」なども発売、ワイヤレス製品を含めてポートフォリオをさらに拡充する予定だ。

働き方改革、学び方改革をDell EMCソリューションで実現

山田千代子氏 常務執行役員 クライアント・ソリューションズ統括本部 本部長 山田千代子氏

 最後のセッションでは、常務執行役員 クライアント・ソリューションズ統括本部 本部長 山田千代子氏が登壇し、「2018年デルクライアントビジネスは『働き方』『学び方』『VR』にフォーカス!〜今年注目の新製品のご紹介を交えて〜」と題した講演を行った。

 最近のDell EMCは、働き方を「7つのメソッド」に分類し、最適な製品開発や提案を行うという取り組みを強化している。本セッションで山田氏は、特にオフィスユーザーを支援するものとして4つのメソッドにフォーカスして解説と事例紹介を行った。

 現場のニーズと企業内でのITの提供にギャップのあるケースが少なくないという。同社の調べによれば、社内のPCのうち、デスクトップPCが50%を上回る企業は過半数であり、ノートブックPCを利用していても多くは社内ですら持ち運んで使われていないという。エンドユーザーのPC環境を最適化できていない企業が少なくないということだ。山田氏によれば、こうした状況をパートナー各社との協力で改善してきた例が増えているという。

 「ある製造業の企業の事例では、Dell EMCのPCを導入したことにより、海外拠点にも出張する外勤型ユーザーのサポート強化を実現できました。ある社員が発展途上国の拠点に到着すると同時にPCが故障し、慌てて本社のシステム部門に連絡したそうです。その翌日には、Dell EMCの現地拠点からエンジニアを派遣し、オンサイトでの交換修理を行いました。“グローバルに品質の高いサポートを提供できるのはDell EMCだけでしょう”と高い評価をいただきました」(山田氏)

VR研究会

 クライアントの分野では、業務におけるVR/ARの活用も進んでいる。Dell EMCでは、Nikeらとのコラボレーションも進めており、ARを使った製品開発の未来の在り方についてのコンセプト、ビジョンの共有を始めている。ワークステーション製品では「Dell Precision VR Ready」構成を提供しており、アプリケーションの認定プログラムも稼働している。さらに世界8か所にVR用の拠点を設け、ユーザーやパートナーが検証を実施できる環境を整えているという。

 「これまで十分に活動できていなかった教育市場での取り組みも強化して、“学び方改革”に貢献したいと思います。当社であれば、PC端末だけでなく、電子黒板、セキュリティといった教育に必要なさまざまなデバイス・ソリューションを提供することが可能で、安心して運用することができます。ある学校法人では、子どもたちが使うにはあえて堅固なPCが望ましいとして、当社のChromebook製品を採用しています」(山田氏)

パートナーとともに成長したい

 イベントの最後には、「Dell EMC Partner Award 2018」が発表され、貢献度の高かった7社を紹介した。最後に、デル代表取締役社長の平手智行氏とEMCジャパン代表取締役社長の大塚俊彦氏があいさつに登壇し、「パートナー様とともに成長するため、全力で取り組んでいく」ことを強調した。受賞各社は以下の通り。

受賞社一覧
受賞社 アワード名
(Winner)
アワード名
(Finalist)
富士ゼロックス株式会社 Go Big-Win Big
Net New Business
Client Solutions
ユニアデックス株式会社 Go Big-Win Big
Growth Premium to the market
Extraordinary Partner of the Year
Client Solutions
Go Big-Win Big
Net New Business
Server
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 Dell EMC President's Circle Extraordinary Partner of the Year
Server Go Big-Win Big
Services
Japan Special Contribution Service Delivery
リコージャパン株式会社 Go Big-Win Big
Net New Business
Go Big-Win Big
Growth Premium to the market
Client Solutions
Extraordinary Partner of the Year
ネットワンシステムズ株式会社 Service Delivery
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ Dell Technologies
兼松エレクトロニクス株式会社 Dell Technologies

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提供:デル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2018年7月30日

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