ネットワーク全体を1つの巨大なスイッチに、SDNの運用構築を容易にする勘所とは自社のネットワークをGoogleやFacebookのように変える

SDNが一般化し、多くの企業で導入が進み、メリットを享受する一方で、ネットワークの運用管理が煩雑になったり、一部の対応機器しか使えなかったりと、さまざまな課題が分かってきた。その問題を解決しつつ、GoogleやFacebookのような巨大IT企業のハイパースケールネットワークを目指すにはどうすればいいのだろうか。

» 2018年08月29日 10時00分 公開
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知る人ぞ知るSDN界の注目プレイヤー「Big Switch Networks」

 ネットワークの世界において、「SDN」(Software Defined Network)というキーワードが一般化して既に久しい。しかし、SDNを実際に導入する企業や組織が徐々に増え、その評価が定まってくるに従い、当初のような「SDNが実現すれば、ネットワーク管理者もユーザーも皆がハッピーになれる!」というユートピア論は、若干後退したようにも見える。

 特に、OpenFlowに代表されるオープンな規格をベースにSDNを構築する手法は、多くの成果を生んだ一方で、ネットワークの運用管理が煩雑になったり、「一部の対応機器しか使えない」といった制約も同時にあらわになったりした。このような状況を受け、現在ではベンダー主導でこれらの制約を乗り越えようとする動きが進められている。

 現在さまざまなメーカーやベンダーが独自のSDN戦略を展開している中、世界的に大きな注目を集めているのが、2010年にシリコンバレーで創業した新興ベンダーBig Switch Networksだ。ネットワークベンダーとしてまだ歴史が浅い同社だが、既に海外では多数の大手企業に導入されており、日本においても徐々にユーザー数を増やしている。

Big Switch Networks システムエンジニア 安田哲氏

 Big Switch Networksの日本法人は、他国に先駆けて同社初の海外支社として設立され、会社としての規模はまだ決して大きくないにもかかわらず、製品のサポートエンジニアを日本法人に置いている。こうしたことからも、同社が日本市場にかける意気込みの高さがうかがえる。

 同社が掲げるビジョンについて、Big Switch Networks システムエンジニア 安田哲氏は次のように説明する。

 「GoogleやFacebookのような巨大IT企業が運用するデータセンターのハイパースケールネットワークは、極めて高い柔軟性と拡張性、冗長性を持つことで知られますが、これを実現するには優秀なネットワークエンジニアを大量に確保する必要があります。Big Switch Networksでは、これと同じようなクオリティーのネットワークを、少ない要員で手軽に構築、運用できることを目指して製品開発を続けてきました。最終的には、次世代データセンターのネットワークアーキテクチャで、ネットワーキングが抱えるさまざまな課題を一気に解決することを目指しています」

ベアメタルスイッチ用OSとSDNコントローラーをセットで提供

 Big Switch Networksが提供する製品は、大きく2つのラインアップに分かれている。一つが、データセンターのネットワークをSDNベースで構築し、その運用を自動化する「Big Cloud Fabric」。そしてもう一つが、監視/分析用のネットワークの構築、運用を担う「Big Monitoring Fabric」だ。

 Big Cloud Fabricは、一言でいえば「SDNを実現するための製品群」だが、実際の中身は従来のSDN製品とはかなり異なる。まず、Big Cloud Fabricにはハードウェアは含まれず、ソフトウェアだけで構成される。その構成要素の一つが、同社が独自に開発したSDNコントローラーのソフトウェアだ。これをサーバに設定した上で、ネットワークを介して他のネットワーク機器(スイッチ)を集中制御する。スイッチ側にも専用ハードウェアは不要だ。

Big Switch Networks チャネルアカウント 部長 糸井恭太氏

 その代わりに、ベアメタルスイッチに同社独自のスイッチOS「Switch Light OS」を搭載することで、SDNを構成するスイッチを実現する。このように、独自ハードウェアを持たず、Dell EMCをはじめとするベンダーが提供する汎用(はんよう)ハードウェア上に独自ソフトウェアを載せることでSDNを実現するのが同社の戦略だ。

 しかも、単にSDNの必要最低限の要件を満たすだけではなく、初期のSDNの弱点と言われた「運用管理の複雑性」をソフトウェア機能によって解決しているのが、同社製品のユニークな点だ。Big Switch Networks チャネルアカウント 部長 糸井恭太氏によれば、同社の社名「Big Switch」も、実はこうした製品コンセプトが反映されたものだという。

 「Big Switchという社名は、さまざまな機器が複雑に絡み合う現代のネットワークが抱える運用課題を解決するために、ネットワーク全体をあたかも『1つの大きなスイッチ』であるかのように扱えないか、というコンセプトの下につけられました」

 「ネットワーク全体を1つのスイッチのように扱う」とは、具体的には以下のようなことを指す。

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提供:ユニアデックス株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2018年9月28日

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