障害で仮想サーバがダウン……2分でリストアする方法国内企業向け提案事例も

バックアップをはじめとするデータ管理の領域で革新を起こすべく登場したCohesity。本格的な日本上陸からはまだ日が浅いが、実は日本企業の身近なデータ管理のニーズに応えられる注目製品だ。実際の現場での提案事例から、その実態を探る。

» 2019年11月25日 10時00分 公開
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 かつてGoogleの主任開発者を務めNutanixの共同創業者でもあるモヒット・アロン氏が2013年に創業したCohesity社。ハイパーコンバージドインフラ(HCI)のテクノロジーに基づく、スケーラビリティや柔軟性に優れるソフトウェアベースの次世代データプラットフォーム「Cohesity」を開発・提供している。

 Cohesityはバックアップやファイルサーバ、オブジェクトストレージなど、基幹システム“以外”のデータを1カ所で集中管理することでデータ管理の効率を高め、企業のデータ活用を促進する。その優れた拡張性を生かして「大量データの断片化」を解決することを目標に掲げている。

 米国を中心に近年、この製品コンセプトに共感する企業がCohesityを導入している。日本市場にも2018年に本格参入した。しかしストレージ製品を扱っているシステムインテグレーター(SIer)やITベンダーからは、「ユーザー企業にCohesityをどう訴求すればいいか分からない」といった声も聞かれる。Cohesity社が比較的新興ベンダーであることもあり、国内企業に向けた具体的な提案イメージが沸きにくいことがその背景にある。

 こうしたイメージに反して、実は既にCohesityは国内企業の間でも、バックアップストレージやファイルサーバのリプレース候補として検討され、導入も進んでいる。ストレージ製品の販売を手掛ける企業にとっても、ユーザー企業のニーズに十分応えられる実践的な製品なのだ。実際の提案事例を基に具体的な用途を紹介し、その特徴を探る。

Cohesity、代表的な3つの用途

画像 SB C&S株式会社 羽尾和弘氏

 「Cohesityは現在、日本企業が抱えている現実的な課題を解決できる、極めて実践的な製品として引き合いを頂いています」。Cohesityのパートナービジネスを手掛けるSB C&Sの羽尾和弘氏(ICT事業本部販売推進本部ICTソリューション販売推進統括部HCI&ストレージ&データマネジメント販売推進部 部長)は、Cohesityの現状についてこう説明する。

 羽尾氏がCohesityの代表的な用途として挙げるのは「バックアップアプライアンス製品」「スケールアウト型NAS(ネットワーク接続ストレージ)」「アプリケーションプラットフォーム」の3つだ。

Cohesityの代表的な3つの用途 図1 Cohesityの代表的な3つの用途《クリックで拡大》

スケーラビリティに優れるバックアップアプライアンスとして

 Cohesityは拡張性に優れるHCIのアーキテクチャを採用しているので、バックアップやファイルサーバなどのデータの急速な増加に直面している企業に適している。Cohesityは一般的なストレージシステムとは異なり、汎用(はんよう)的なx86アーキテクチャをベースにしたノード(サーバ)を複数組み合わせることでストレージシステムを構成する。各ノードはそれぞれにディスクを内蔵しており、これら複数のノードの内蔵ディスクを仮想ストレージソフトウェアで論理的に束ねることで、単一のストレージプールを構成する。

 このように、ソフトウェアをベースにストレージを制御するSDS(ソフトウェア定義ストレージ)のアーキテクチャを採用していることが、Cohesityの優れた拡張性や柔軟性を裏付けている。例えばバックアップやファイルサーバなどのデータ容量が急速に増えたとしても、システムを停止せずにノードを追加可能なので簡単に容量を拡張でき、自動的にリバランス処理してデータを再配置する。データの重要性がますます増加し、将来のデータ増加のペースが予測できない中、こうした拡張性の高いバックアップアプライアンスが多くの企業から求められているという。

分散管理が容易なスケールアウト型NASとして

 ソフトウェアベースでストレージを制御できる点は、ファイルサーバ用のNASとして利用する場合にも大きなアドバンテージになる。Cohesityは個々の筐体をソフトウェアベースできめ細かく管理できる上に、複数の筐体を束ねたクラスタ構成を取ることができる。またCohesityクラスタが複数の拠点に配置される場合も、これらをSaaS(Software as a Service)型の「Cohesity Helios」という管理ツールで一括管理できるようにしている。Cohesity Heliosによって複数のCohesityクラスタの状態をクラウドの単一のコンソールからまとめて管理・制御できる。さらに機械学習を活用した「SmartAssist」という機能を使えば、過去の容量増加の分析結果から将来の増加傾向を予測し、プロアクティブな管理を可能にする。

熊谷哲人氏 SB C&S株式会社 熊谷哲人氏

 SB C&Sの熊谷哲人氏(ICT事業本部販売推進本部技術統括部第1技術部3課 課長)によれば、こうした機能を高く評価した企業がスケールアウト型NASとしてCohesityの導入を検討するケースが増えてきているという。

 Cohesity Heliosは「ファイルサーバを複数の拠点で運用している企業にとっては特に導入メリットが大きいでしょう」(熊谷氏)。ファイルサーバは得てして物理的に離れた場所に散在しがちだ。Cohesity Heliosならそれらを中央で集中管理できるため「管理効率が大幅に向上するとともにガバナンスも効かせやすくなります」と同氏は説明する。

日本でもCohesityの導入検討が進行中

 既存のバックアップ製品やNAS製品にないこうしたメリットに興味を持つ企業は一定数あり、SB C&Sは既にパートナー企業を通じてさまざまな企業から引き合いを受けているという。それら企業の業種・業態は多岐にわたり、以下のようなさまざまな業界の企業や各機関が関心を寄せているようだ。

Cohesityに関心を寄せる主な業種

小売、金融、製薬、電子機器、自動車、映像・コンテンツ、印刷、大学、学術・研究

 既にCohesityを導入して日々の業務で活用したり、導入を前提とした概念実証(PoC)に着手したりしている企業もあるという。例えば某大手通信事業者は大々的にCohesityを活用しており、社内の仮想サーバのバックアップアプライアンスとして採用している。現在は1時間ごとに仮想サーバのバックアップを取っており、障害が発生しても仮想サーバをわずか2分でリストアできるという。

 Cohesityはその高いスケーラビリティとともに、容易に導入できる点も特徴だ。一般的なバックアップ製品を導入する場合は、バックアップサーバとストレージ製品をそれぞれ導入して設定し、さらにバックアップソフトウェアのインストールと設定も必要になる。システムの導入と構築にかなりの手間と時間を要するわけだ。一体型のアプライアンス製品として提供されているCohesityなら、バックアップ用途にせよNAS用途にせよ、既存の製品と比べて短時間で導入できる。

アプリケーションプラットフォームとしての用途も視野に

 ただし羽尾氏によれば、Cohesityをいち早く導入した企業は、こうした実用面でのメリットもさることながら、将来のデータ活用の在り方を視野に入れた優れたビジョンと、それに基づき設計された先進的な機能に魅力を感じているという。

 バックアップやファイルサーバ、オブジェクトストレージなどのシステムがサイロ化しており、それぞれの部署がばらばらにデータを管理している日本企業は少なくない。このように断片化されたデータをCohesityで一括管理することで、データ管理の効率を大幅に向上できるとともに、データの価値そのものを高められる。

 例えば従来のバックアップシステムの役目は「障害に備えてリストア用のデータを保管すること」にあった。Cohesityはそうした単一の目的だけでなく、バックアップデータやファイル、各種ログなどの企業内に存在する多くのデータを1カ所に集約し、アプリケーションから積極的に活用できるようにすることで、それまで光の当たらなかったデータから新たな価値を引き出すことを狙っている。そのためにCohesityはアプリケーションを動かすプラットフォームとしても利用可能だ。ファイル全文検索やログ監査、ウイルス対策、脆弱(ぜいじゃく)性診断といったデータ利活用のさまざまなアプリケーションを専用のマーケットプレースからダウンロードして、アプリケーションプラットフォームとしても利用できる。

Cohesityを販売するパートナー企業に手厚い支援を提供

 ディストリビューターであるSB C&Sは、パートナー企業を通じてユーザー企業にCohesityを提供している。多くの企業にCohesityの魅力を伝えるべく、製品を直接ユーザーに提案・販売するパートナー企業に対しても、さまざまな支援策や優遇措置を積極的に提供している。

 今後、SB C&SはCohesityを販売するパートナー企業の技術者向けに、無償のハンズオントレーニングなどの提供も予定しているという。営業面においても、同社が獲得した商談案件をパートナー企業に紹介することも可能だという。さらにはパートナー企業やユーザー企業の環境でCohesityの検証を手軽に実施できるよう、検証機を無償で提供する。「こうしたさまざまな施策を通じて、Cohesityを販売するパートナー企業を技術的側面からも全面的に支援します」(熊谷氏)

 商談時だけでなく、製品導入が決定した後の導入支援や技術サポートも積極的に進める方針だ。こうしたさまざまな活動を通じて、パートナー企業のストレージビジネスを強力に支援する。羽尾氏は「Cohesityが提供する価値をより多くの日本企業に広めることで、日本におけるデータ活用の活発化に寄与したい」と抱負を語る。

 「現時点でCohesityに求められる役割はバックアップやNASがほとんどでしょう。ただ、将来的にデータを蓄積して『これらのデータを活用して新たな価値を生み出したい』と考えたときこそ、Cohesityならではの決定的な強みが現れます。長期的な視野に立って『データを使ってビジネスを推進したい』と考えている企業は少なくありません。そうした企業に解決策を提案するSIerやベンダーにとって、Cohesityは魅力的な製品になるでしょう」(羽尾氏)

※この記事はTechTargetジャパン掲載コンテンツの転載です。

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提供:SB C&S株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2020年3月18日

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