シンクライアントを利用している企業には悩みが多い。ビジネスの変化に伴い、ユーザー数が将来どの程度増加するのか予測が難しいため、柔軟性のあるシステムが欲しい。ユーザー数が増えても費用や運用管理の手間があまり増えないソリューションはないのだろうか。
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)のシンクライアント利用の歴史は長い。既に3世代ほどにわたり利用している。だが、直近で利用していたシンクライアント環境のサポートの終了が、2020年1月に迫っていた。そのため2019年度に入り、更新の検討を開始した。
従来利用していたのはハードウェア占有型(HDI:Hosted Desktop Infrastructure)のWindows 10環境と、マルチユーザーで使用できる「Windows Server 2008 R2 リモートデスクトップサービス」だった。しかしリモートデスクトップサービスはWindowsのクライアントOSと環境に違いがあり、アプリケーションのサポート、実際の動作など一部に問題が出ることもあった。そのため、新たなシンクライアント環境ではWindows Serverの利用をやめ、「Windows 10」を採用したいと考えていた。
同時にオンプレミス型のシンクライアント環境の導入にも懸念事項があった。利用していた環境では用意したサーバの能力をユーザー間でシェアするからだ。ここ最近、想定以上にビジネスが拡大していたため、CTCでは従業員が増加傾向にあった。ユーザー数が急激に増えたことにより、シンクライアント環境のサーバ能力やストレージ容量が逼迫(ひっぱく)しつつあった。そのため、アプリケーションのレスポンスが悪くなり、ユーザーの満足度が低下していた。
もちろんハードウェアを増強すれば、多くの問題を解決できる。しかし、今後のビジネスの成長に合わせ、必要なハードウェア容量を予測することは容易ではなく、将来を見据えた最適な容量設計を行うのは困難だ。また、サーバやストレージの追加にはそれなりの手間と時間がかかる。そのため、オンプレミスの仮想デスクトップ環境では、今後のビジネス変化に迅速に対応できないとも考えていた。これらの課題を解決できる、新しい仮想デスクトップ環境が必要だった。
そこでCTCが候補に挙げたのが、クラウドベースのVDI環境だった。2カ月足らずで5000ユーザーへのリリースを可能にしたクラウドVDIソリューションについて、移行のいきさつや効果などをCTCの情報システム部門に聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
提供:伊藤忠テクノソリューションズ株式会社、日本マイクロソフト株式会社、シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部