「とても面倒見切れない」 多様化するクライアント端末に情シスはどう対処?OS、ブラウザ、そしてバージョンの差

今日、企業の業務システムはPCだけではなくさまざまな端末で利用される。多様化が進むクライアント端末に適切に対応するために何が必要なのか。そして忘れられがちな「ユーザビリティー」の重要さとは。

» 2020年04月23日 10時00分 公開
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 これまでの「会社のノートPC以外、業務では使えない」という常識は過去のものになりつつある。出先で使うタブレットやスマートフォン、そして在宅勤務で使う私物PCなど、業務システムを取り巻くクライアント端末は変化している。

 そこにはWindows、macOS、Linux、iOS、AndroidといったOSの違いだけでなく、Internet Explorer、Microsoft Edge、Google Chrome、Safari、Firefoxといったブラウザの違い、そしてそれぞれのバージョンについても違いがある。

 従業員からすれば利用できるクライアント端末が増えれば業務効率は上がり、生産性も向上すると考える。しかし、業務システムの開発、保守をしている情報システム部門からすれば「とても面倒見切れない」というのが本音だろう。会社支給の端末ならともかく、私物のPCや「顧客用のデモ環境でも動作させてほしい」といった要求に応えるのは難しい。ソースコード一つ取ってもOS、ブラウザ、バージョンの違いに合わせたカスタマイズ、つまり「差分の吸収」が必要になるからだ。

 かといって開発を外注にすれば、今度は予算増加と開発スピードの低下が問題になる。「ノーコード開発」「ローコード開発」ツールを利用する方法もあるが当然制約はあり、これまでの業務システムと全く同じ仕様にできるとは限らない。

 有識者によれば、こうした状況で企業に必要なのは「クライアント端末の多様性を受け止めつつ、リソースを一元的に統合管理できるプラットフォーム」だという。それは一体どんなものなのか。

忘れがちな「ユーザビリティー」の重要さ

 クライアント端末の差分吸収だけでも大変だが、他にも注意すべき点はある。日本ネクサウェブの川西誠氏(営業本部 本部長)によると「ユーザビリティー(使いやすさ)が考慮されていないケースが多い」という。同氏はシステム開発におけるユーザビリティーの実情について次のように語る。

画像 日本ネクサウェブの川西誠氏

 「エンジニアはユーザーの要望をヒアリングしてから開発に取り組むが、結局のところ『彼らなりの理解』で画面や操作ロジックを決めることが多い。私の印象では、欧米のようにデザイナーが関わって画面や操作ロジックを決めるプロジェクトは少ない。ほぼ完成という段階で『こんなはずでは』とユーザーに言われてしまうのはそのせいだ」

 川西氏は続けて、ユーザビリティー分野で著名な書籍『ユーザビリティエンジニアリング原論:ユーザーのためのインタフェースデザイン』(ヤコブ・ニールセン著)を引用し、ユーザビリティーの重要性を訴えた。

 「同書には『コードの48%はユーザーインタフェースに関係する。大型プロジェクトの予算オーバーで最も大きな原因はユーザビリティエンジニアリングに関することだった』とある。プロジェクトを成功させる、つまり『コスト』『品質』『納期』を満たすためにユーザビリティーの配慮が重要だと言える」

多様化するクライアント端末でも高いユーザビリティーを実現するnexacro beyond

 同社が提供する「nexacro beyond」は、こうしたニーズに応え、多様なクライアント端末に対応する「コードの統合管理」と「高いユーザビリティー」を実現する統合管理プラットフォームだという。

画像 nexacro beyondを用いたアプリケーション開発のイメージ

 nexacro beyondにはアプリケーション開発機能がある。開発できるアプリケーションは大きく分けて2種類。HTML5に準拠したWebブラウザで動作する「HTML5版」と、クライアント端末のネイティブアプリケーションのように動作する「ランタイム版」だ。開発言語は、習得が容易でエンジニアの調達難易度が低いとされるJavaScript。音声入力やジェスチャーといったNUI(ナチュラルユーザーインタフェース)にも対応しており、JavaScriptによる実装が可能だ。外部サービスと連携し、音声やジェスチャーなどの情報をコマンドとして利用できるため、システム活用の幅が広がるだろう。

 なお、「nexacro」は製品の総称で、「beyond」には、“beyond screen(画面を超えて)”という意味が込められているそうだ。

ソースコード一つで多彩なクライアントに展開

 nexacro beyondで開発したソースコードは、さまざまなクライアント端末で動作する。その理由はnexacroのフレームワーク「Unified Framework」にある。このフレームワークは「作成した1つのソースコードを複数用途に活用する」というワンソース・マルチユース(OSMU)思想を基に開発されている。

 Unified FrameworkはOS、ブラウザ、バージョンの違いで変化する挙動を「分岐ロジック」に従って吸収(制御)する。これにより、開発した1つのソースコードがさまざまな環境で想定通りの動作をするという。

画像 nexacro beyondのOSMU思想

 新しいクライアント端末が登場した場合は、開発者がソースコードを個別にカスタマイズするのではなく、フレームワークをバージョンアップさせるだけでいい。日本ネクサウェブで営業本部マーケティングチームのチーム長を勤める田 敏吾(ジョン・ミノ)氏は次のように語る。

画像 日本ネクサウェブの田 敏吾氏

 「Unified Frameworkは新しいクライアント環境に合わせて迅速にアップデートしている。例えばMicrosoft EdgeやiOS 13が登場した当初、対応に苦労した企業は多かったが、当社の顧客はUnified Frameworkの対応を待つだけでよかった」(田氏)

 日本ネクサウェブは別途、開発に特化したツール「nexacro studio」を提供している。nexacro studioの特徴は、ユーザーと対話しながら開発ができることだ。種類豊富なUIコンポーネントを持ち、それらをドラッグ&ドロップすることで画面レイアウトが決められる。このため、「ユーザーと一緒に『ボタンはもっと右』『ここにテキストボックスを配置して』など議論しながらプロトタイプを作成できる。単体テストも可能なため、その場でユーザーと合意形成を取ることが可能だ」(川西氏)。

 「プロトタイプのつもりが、そのまま本番で使えるシステムになる」こともあるそうで、顧客に好評だそうだ。

未来へ歩を進めたい国内外企業がnexacroを導入

 既に幾つもの企業がnexacroを導入している。都市銀行や地方銀行の代理店として法人向けに保険商品を提供するある生命保険会社は、各銀行のシステム環境に適応可能な契約システムを少ない労力で構築するためnexacroの導入を決めたという。

 ポリエステルフィルムを生産している東レ尖端素材(Toray Advanced Materials Korea)は、MES(製造実行システム)刷新のためnexacro beyondを導入した。この企業がそれまで使っていたMESはある統合開発環境を使って開発されたものだったが、「デスクトップPCでしか利用できない」「使い勝手が悪い」「IoTなど先進テクノロジーとの連携が難しい」という課題があった。

 さまざまな統合開発環境を比較検討した結果、ソース管理機能や開発生産性、開発コストに優れたnexacro beyondを選定した。導入の結果、システム運用コストが削減されただけでなく、Webアプリケーション化も実現。現場の作業員がモバイル端末から操作できるようになり、製造不良に素早く対処できるようになった。

 nexacro beyondはサムスン電子やLG電子でも採用されているという。前職がサムスン電子だった田氏は「毎日のように使っていたシステムが実はnexacroで開発されたものだった」という逸話を明かした。

開発元が日本支援チームを組織して迅速かつこまやかにサポート

 日本ネクサウェブは日本国内の展開に当たって、サポート体制の充実にも力を入れている。開発元であるTOBESOFTには、日本でのシステムエンジニアの経験を持つ日本語が堪能な6人のエンジニアがいる。彼らは日本支援チームとして日本企業の要望に応えているという。日本ネクサウェブも新たに専任のシステムエンジニアを確保し、パートナー企業と二人三脚で顧客企業をサポートする体制を整えている。

 「われわれはBUX(ビジネスユーザーエクスペリエンス)、つまり『顧客の声に耳を傾けること』を重視しており、ビジネス利用できる新しいインタフェースへの適応を積極的に進めている。『こんな端末に対応してほしい』という要望があれば、ぜひ相談してほしい」と田氏は話す。

 

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