超高速インターネット接続サービス「NURO 光」を生み出し支えているのは、自由な発想を持ち、チャレンジを続けるエンジニアだった!自社サービスをフルスタックで創り出せる環境

常にチャレンジするマインド、社内ラボの整った環境、エンジニアの提案を受け入れる風土――エンジニアにとって理想的な環境がここに。

» 2020年11月11日 10時00分 公開
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 「ソニーネットワークコミュニケーションズ」が運営する個人向けインターネット接続サービス「NURO 光」。NURO 光は、2013年4月にサービスを開始。当時提供されていた多くの光インターネット接続サービスが下り最大1Gbpsの通信速度でサービスを展開している中、「NURO 光 G2・G2V」では下り最大2Gbps(※1)という通信速度のサービスを提供することで、スピードと価格を重視するインターネットユーザーから高い評価を獲得した。

 その後、2015年には下り最大10Gbps(※2)のサービスとなる「NURO 光 10G」を提供。2019年3月には上り下り最大6Gbps、同10Gbpsというサービス「NURO 光 6Gs」「NURO 光 10Gs」をそれぞれ展開。ヘビーユーザーや大量のコンテンツをやりとりするクリエイターなどからも厚く支持されている。

 今後、さらなる高速化に向けた技術検討も始まっているというNURO 光だが、その裏側は、同社のネットワークエンジニアたちの自由な発想と、チャレンジ精神あふれるマインド、そして日々のたゆまぬ努力に支えられていた。

ゼロベースで考えたからこそ実現した超高速通信サービス

 そもそも同社では、なぜ大手通信キャリアでさえ下り最大1Gbpsのサービスしか展開できなかった時期に、下り最大2Gbpsという超高速通信サービスを提供できたのだろうか。

 その秘密は通信規格の違いにある。光回線を使ったインターネット接続サービスでは、局側とユーザー宅側の接続にPON(Passive Optical Network)と呼ばれる技術が使われる。PONには、IEEEが定めるGE-PONや、ITU-Tが定めるGPONなど、幾つかの規格があり、国内通信事業者の多くがGE-PONを採用する中、NURO 光はGPONを採用したのだ。この採用規格の違いが、下り通信速度の差となっている。

規格名 標準化団体 上り通信速度※ 下り通信速度※
GE-PON IEEE 1.25Gbps 1.25Gbps
GPON ITU-T 1.244Gbps 2.488Gbps
※技術規格上の最大速度

 他キャリアと異なる規格を選ぶだけならば簡単なことのように思えるかもしれない。しかし、そこには大きなチャレンジがあった。

 話はネットワーク基盤「NURO」の構築前までさかのぼる。「当時、ネットワーク機器メーカーに普通に相談すれば、ほぼ確実にGE-PONを提案してきた」と、NURO事業部ネットワーク部ネットワーク課 課長 清水隆宏さんは話す。これは当時、国内にGPONのノウハウがほとんどなかったためで、メーカーが実績あるGE-PON機器を勧めてくるのは自然なことだった。

NURO事業部ネットワーク部ネットワーク課 課長 清水隆宏さん

 「もし何も考えていなければ、当社もGE-PONを採用していたでしょう」

 しかし、そうはしなかった。同社には「So-net 光」というインターネット接続サービスもある。こちらは他社のアクセス回線を使ってサービスを提供しているものだ。そのため同社は、他社通信回線の強みも弱みも分かっていた。その上で、新たにダークファイバーを活用した自社回線でサービスを提供していくにはどうすればいいのかと「ゼロベースで考えた」(清水さん)という。

 GPON採用を後押ししたのは、通信速度と機器調達コストだった。

 通信速度については前述の通り、GPONはGE-PONに対して下りの通信速度で2倍近い差がある。

 機器については、広く世界に目を向けた。FTTH(Fiber To The Home)市場の黎明(れいめい)期においては世界的に見ても日本が進んでおりGE-PON機器が多く普及していたが、海外では4G/LTEなどのモバイル基地局向けバックホール回線用途としてGPONが普及し始めてきており、調達価格の面でも優位性を持てるポテンシャルを有していたのだ。

 ただし、その選択には大きな努力が伴うこととなった。

 局側に設置するOLT(Optical Line Terminal)と、ユーザー宅側に設置するONU(Optical Network Unit)は「例えるなら電話の親機と子機の関係のようなもので、同じメーカー同士のものを使えばつながるが、一方が他社の機器だとつながる保証はなく、機器選択のバリエーションが限られていた」(清水さん)のだという。

 たとえITU-Tの規格にのっとって設計・実装した機器同士であっても「メーカーによる方言のようなもの」があるため、うまく通信できないこともある。そこで同社ではトライアル環境を構築。メーカーを跨(また)いだ相互接続検証を実施し、仕様が異なるメーカーには仕様改善を求め製品への実装を依頼したこともあるという。

 「この検証業務は、現在も絶やさず続けています」(清水さん)

 現在は、GPONの上位規格であるXGS-PONを採用する上り/下り最おおむね10Gbpsのサービスなどを提供している。新たな通信規格や通信機器が登場するたび、さらにいうと装置のソフトウェアのバージョンが変わるたびに、相互接続性を担保する必要があるのだ。

 こうした、たゆまぬ努力の結果、同社にはGPON規格の多大なノウハウが蓄積されていった。

世の中の働き方の急変も、エンジニアの工夫で柔軟に対応

 そんなNURO 光の高速通信を裏で支えているのがバックボーンネットワークだ。NURO 光は、現在、サービス提供エリアを順次拡大している最中だが、サービス提供中のエリアについても、ユーザー数の増加に対応するため、バックボーンネットワークを増強していかなければならない。

 そのバックボーンの増強を担当しているのが、NURO事業部 ネットワーク部 ネットワーク課所属のネットワークエンジニア 藤井裕之さんだ。

NURO事業部 ネットワーク部ネットワーク課 ネットワークエンジニア 藤井裕之さん

 「私は主に、WDM(Wavelength Division Multiplexing)やPTN(Packet Transport Network)の設備によるレイヤー1(L1)/レイヤー2(L2)のネットワーク帯域増強を担当しています」

 バックボーンの増強は年間で予算を計上して計画的に行っており、例年、前年に次年度の計画を立てているという。2020年度分についても2019年11月には計画立案済みだった。

 ところが、年が明けると新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が始まり、緊急事態宣言が出ると、計画変更を余儀なくされてしまった。

 「在宅ワークが増えてくるにつれ、ネットワークのトラフィックが急激に変わっていきました」(藤井さん)

 それまでは、昼間の時間帯にオフィス街のトラフィックが上昇し、夕方から夜にかけての時間帯は郊外の住宅地のトラフィックが上昇する傾向にあったが、在宅ワークが進むに連れ、自宅からのオンラインミーティング利用や、社内情報リソースにアクセスするユーザーが増えたからか、住宅街の昼間のトラフィックが急激に上昇していった。

 年間計画で進めているネットワーク増強では、数週間から数カ月での大きな変化があった場合、なかなか対応できない。しかし、同社では現場エンジニアたちの工夫により柔軟に対応していった。

 「実はその分、オフィス街の昼間のトラフィックは減っています。そこを利用して、データの流し方を変えたり、経路を制御したり、暫定的な設備増設を臨機応変に行うなどやりくりをし、ユーザーに不利益が生じないように調整していきました」(藤井さん)

 日々トラフィックをチェックしているという藤井さんは、「帯域が圧迫されてくると緊張感が高まります」と話すが、次の手も二重三重に考えているのだろう。

フルスタックで活躍できる環境がある稀有(けう)な会社

 GPONの採用、バックボーンの増強についての話を聞いただけでも、現場の意見が通りやすく風通しの良い社風であることが伝わってくる。しかし、同社の魅力はそれだけではない。

 かつて、藤井さんが担当するネットワーク増強の領域で、それまでの増強方法が通用しなくなっていた時期があった。そんなピンチも藤井さんの提案により切り抜けたという。

 それまではネットワークグループを細分化することによりグループ当たりのトラフィック量を下げるという手法を用いていたが、あるとき、もうこれ以上細かくは分けられないというところまで来てしまった。そこで藤井さんが提案したのは、対象ネットワークグループに対する回線帯域を太くするという手法だった。しかし、機器の制約上、単純な設備追加による帯域増強が困難であったため、機器ベンダーと「どういう技術が使えるか」を何度となく検討する必要があったという。そうした苦労を乗り越え、ようやく機器構成を変更し、目的を果たすことができ、今では新たな増強方式としてネットワーク全体に採り入れられている。

 藤井さんは「こうして自ら提案し、トライアンドエラーができる会社」という点に大きな魅力を感じている。

 同社に入社する前、派遣エンジニアとしてさまざまな会社の現場で働いたことがある藤井さんにとって、自分が思い付いたことを周囲に相談したり、不明点を気軽に質問したりできる環境であることなど、新しいことにチャレンジしやすい環境が整っている会社は珍しいという。

 「後になって考えると『ばかな質問をしていたな』と後悔することもあるのですが、いいアイデアを出したときには『それは、実際にやってみた方がいいね』と周囲が後押ししてくれるので心強いですね」(藤井さん)

 また、清水さんは「フルスタックで活躍できる環境がある」ことが同社の魅力ではないかと語る。

 同社のネットワークはL1からL3まで、多重レイヤーで構成されているが、同社ならば、全てのレイヤーを細部にわたって扱うことができる。これは、大規模な組織で整然と分業化が行われている大手通信キャリアでは決して味わえない経験になる。

 「当社のエンジニアも全レイヤーの細部まで全て分かっているという人は、恐らくいません。みんな自分が得意としているレイヤー以外について、少しずつ触れながら、知識を広げていっています」(清水さん)

 しかし同社ならば、組織上の制約で他のレイヤーを扱えないということはないという。これは裏を返せば、知識やスキルを高めることで、誰でもフルスタックで活躍できることを意味している。

 「得意分野がないという人は、いずれかの分野に詳しい先輩と一緒に仕事をしていくことで得意分野を持つことができます。社内にはラボが設置されており、商用導入している機器が、最低でも1台以上用意してあるので、L1からL3まで、実機で動作確認をしながら学ぶことができます」(清水さん)

NURO事業の今後の展開と広がるエンジニアの将来

 通信規格においては、100Gbpsに向けた超高速次世代PONの標準化も議論されており、実サービス面でも、いよいよ下り最大20Gbpsという領域が見え始めてきた。そのような中、NUROが目指す今後はどのようなものだろうか。

 「エリアカバー率の向上と、より速いサービスの追求は欠かせません」(清水さん)

 エリアカバー率の向上では「パッケージ化工法」を採用していくという。これまで数々の自社設備を各拠点に設置してきた経験をもとに、設備の構成や設定を幾つかのパターンに分類し、同じ仕様の機器構成を用意しておき、ニーズに即応できるようにしたもの。ラックへのマウントや結線、IPアドレス情報の設定といった工数を低減することで、サービス提供までのリードタイムも大幅に減らせるという。

 また、通信速度については、登場したばかりの技術は機器調達コストの面でハードルが高いため、当面は既存技術を応用してより品質の高いサービスを提供していき、時期とコストのバランスを取りながら新技術を取り入れていく方針だ。

 その他にも、同社のNURO 光以外の事業、例えば個人向けISPブランドである「So-net」や法人向けインターネットサービスを展開している「NURO Biz」や「bit-drive」とのコラボレーションで幅広いサービスの拡充も行っていきたい考えだ。

 最後に、2人に自身の今後について伺った。

 「会社としてというよりも、個人的な夢ですが『通信事業のその先の未来』について、お客さまにどういったバリューを提供できるのかを探りたいですね。例えば、どんな人にも使ってもらえるように、いちいち接続するための設定が不要なサービスを考案していきたいと考えています」(清水さん)

 「もっとエンジニアとしてのスキルを高めていきたいですね。現在の自分のスキルはL1、L2に偏っています。そこで上位レイヤーについて、もっと知識を深めて、ネットワークをトータルに、できればフルスタックで見通せるようになれれば、と考えています」(藤井さん)

 大胆な発想と独自のノウハウで、他社にない高速かつ高品質なインターネット接続サービスを提供しているNURO事業。その母体となるソニーネットワークコミュニケーションズには、現場エンジニアのアイデアや意見を尊重し、トライアンドエラーを許してくれる自由な社風が根付いている。そこには、間違いなくあの「SONY」のDNAが色濃く受け継がれているのだと感じてしまう。エンジニアにとって、これほど働きやすく、やりがいが感じられる環境はない。

※1

  • 「2Gbps」という通信速度は、ネットワークから宅内終端装置へ提供する技術規格上の下りの最大速度です。お客さまが使用する個々の端末機器までの通信速度を示すものではありません
  • 端末機器1台における技術規格上利用可能な最大通信速度は、有線接続(1000BASE-T1ポート利用)時でおおむね1Gbps、無線接続時でおおむね1.3Gbpsです(IEEE802.11acの場合の速度です。弊社が設置する宅内終端装置の機種により対応していない場合があります)
  • 速度は、お客さまのご利用環境(端末機器の仕様など)や回線混雑状況などにより、低下する場合があります

※2

  • 「10Gbps」「6Gbps」という通信速度は、ネットワークから宅内終端装置へ提供する技術規格上の最大速度です
  • 端末機器1台における技術規格上利用可能な最大通信速度は、有線接続(10GBASE-T利用)時で10Gsプラン:おおむね10Gbps、6Gsプラン:おおむね6Gbps、無線接続時でおおむね1.7Gbpsです
  • 速度は、お客さまのご利用環境(端末機器の仕様など)や回線混雑状況などにより、低下する場合があります

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提供:ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2020年12月3日

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