セキュアなクラウドとIoTで実現する「島の生活を支えるシステム」SDGsに貢献するクラウド活用例

企業の課題を解決するため、クラウドやIoTといった技術の活用が進んでいる。活用方法はさまざまで課題によって最適な組み合わせも異なる。本稿は「離島」のエネルギー問題を解決するシステムをクラウドとIoTで構築した事例を紹介する。

» 2021年12月28日 10時00分 公開
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 クラウドを積極的に活用し、AI(人工知能)やIoT(Internet of Things)といった先端技術を使ってビジネスを変革する。多くの企業がこのDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みを進めている。DXの主な目的は「競争力を強化して市場で生き残ること」だが、社会的な問題解決を目指してDXに取り組む企業もある。

 日新システムズはそういった企業の一つだ。同社は沖縄県宮古島市の「宮古島市島嶼(とうしょ)型スマートコミュニティ実証事業」(以下、スマートコミュニティ実証事業)に協力しており、先端技術を使って再生可能エネルギー活用に関するシステムを構築している。

 本稿は日新システムズの取り組みとそれを支える技術を分析することで、クラウドやIoTなどの新たな活用方法を探る。

IoTから送られてくる大量のデータをどうさばくか

 沖縄県宮古島市は「エコアイランド宮古島宣言2.0」を提唱している。同市はエネルギーの自給率を上げるため、再生可能エネルギーとして太陽光発電を活用している。ただ、太陽光発電は天候の影響を受けやすい。電力不足が発生するとさまざまな問題が生じるため、発電電力を予測し、それに基づいた蓄電池の管理や出力の制限などの対策が不可欠だ。

 同市が実施するスマートコミュニティ実証事業はこうした課題を解決するのが目的だ。市内の家庭に設置されたエコ給湯機や蓄電池といった「エネルギーリソース」の負荷状況をIoTで把握し、電力使用量を制御することで電力需要のピークカットや平準化を実現する。

画像 スマートコミュニティ実証事業の概要図(提供:日新システムズ)

 この事業を支えるのが、ネクステムズと日新システムズが共同で開発した電力需給制御システム「エリアアグリゲーションシステム」だ。エリアアグリゲーションシステムはIoTで収集したデータを集約し、エネルギーリソースの見える化や太陽光発電の発電予測、機器の制御をするシステムだ。

画像 日新システムズの山本紘己氏

 日新システムズには約220人の従業員数がおり、そのうち約7割がエンジニアというソフトウェア開発会社だ。エネルギーソリューション、IoTソリューション、エンジニアリングサービスの3つの事業を展開しており、エリアアグリゲーションシステムにはエネルギーソリューション事業として取り組んでいる。同社の山本紘己氏(システム・ソリューション事業部 エネルギービジネス推進部長)は次のように語る。

 「電力需給を制御するにはリアルタイムに情報を把握する必要がある。市内に設置されたエコ給湯機や蓄電池、EV充電器などエネルギーリソースは複数あり、利用するIoT機器もさまざまだ。そのため、エリアアグリゲーションシステムはIoT機器の製造ベンダーに依存しない通信プロトコル『ECHONET Lite』(経済産業省のスマートハウス標準化検討会が定めた標準の通信プロトコル)を利用している」

画像 エリアアグリゲーションシステムの概要図(提供:日新システムズ)

 だが、IoT機器から得られる大量のデータを活用するためにはそれだけでは足りない。IoT機器から情報を送信する「安定した通信回線」と集めたデータを集約して分析するための「クラウド」が必要だ。もちろん「セキュリティ対策」も欠かせない。

 日新システムズがこの課題を解決するために選んだのはさくらインターネットのサービスだ。

エリアアグリゲーションシステムを支えるさくらインターネット

 日新システムズが採用したのは、閉域網が使える「さくらのセキュアモバイルコネクト」とIaaS(Infrastructure as a Service)の「さくらのクラウド」、UTM(Unified Threat Management)製品の「FortiGate」だ。

さくらのセキュアモバイルコネクト

 IoT機器に内蔵したSIMカードからさくらのクラウドまでの間でセキュアな閉域型ネットワークを構築できる。データ利用量による通信制限がなく、IoT機器での利用を想定してリモートでSIMの「有効/無効」を切り替えられる機能を持っている。山本氏はさくらのセキュアモバイルコネクトの選定理由について次のように話す。

 「IoT向けの通信方式はさまざまだが、十分な通信速度があり、安価に利用できることが重要だ。セキュリティを考えると、IoT機器とクラウドの間に閉域網を構築できることが最低限必要な機能だった。さくらのセキュアモバイルコネクトはこれらの条件を全て満たしていた」

さくらのクラウド

 IaaSとして時間単位でサーバとストレージを利用できる。データ転送量に合わせた従量課金ではなく、利用する期間(時間や日数)で料金が決まるため、「コスト算出が容易で、想定外の出費を抑えることができる」とさくらインターネットは言う。国内には北海道と東京に拠点(リージョン)があり、バックアップやDR(災害復旧)の用途でも利用できる。

FortiGate

 UTMの分野で世界的なシェアを持つセキュリティ製品だ。次世代ファイアウォール(Next Generation FireWall)やアンチウイルス、IPS(Intrusion Prevention System)、簡易的なWAF(Web Application Firewall)などのセキュリティ機能を持っている。クラウドに構築した環境を外部の脅威から守ることができる。FortiGateの仮想アプライアンスはさくらのクラウドで利用可能だ。

 「機能豊富で拡張性も高く、管理画面が使いやすい。シグネチャが頻繁に更新されており、最新の脅威に対応している点も評価している」

 さくらインターネットのサービスやFortiGateの支えもあり、エリアアグリゲーションシステムは順調に稼働している。2021年9月からエネルギー事業者向けサービスとして日本全国に展開しており、「未来のスマートシティー構想の実現に向けたサービスとして期待されている」(山本氏)という。

 「離島は、島の外にある電力会社から電気を引くだけで膨大なコストがかかってしまう。太陽光発電を利用し、エリアアグリゲーションシステムで制御することで、電力の“地産地消”の仕組みを作ることができる」

かつてなく高まっている再生可能エネルギーへの期待

画像 エリアアグリゲーションシステムの画面イメージ(提供:日新システムズ)

 実証事業を終えた沖縄県宮古島市は、電力需給制御の対象範囲を市内だけではなく全島に拡大しているさなかだ。全島の電力需給制御を実現することで、2016年は2.8%だったエネルギー自給率を2050年には約50%に拡大する計画だという。

 日新システムズは今後、カーボンニュートラルに関心が高い企業や団体、エネルギー事業者などにエリアアグリゲーションシステムを展開する予定だ。山本氏は「将来的には、災害発生時などで電力供給がストップしたときの代替手段(地域マイクログリッド)として活用することも視野に入れている」と語る。

 「さくらインターネットのサービスとFortiGateには非常に満足している。最近はエリアアグリゲーションシステムだけでなく、地域コミュニケーションの仕組みや顧客の個別システム開発にもこれらのサービスを利用している。地域マイクログリッドは国内だけでなく海外展開も考えているので、今後はそういった面でもサポートに期待している」

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提供:さくらインターネット株式会社、図研ネットウエイブ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2022年1月18日

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