ハイブリッドワークが生産性向上の起爆剤に――実現に向けて働く環境をアップデートするポイントとは重要なのは場を用意することではなく、選択できるようにすること

オフィスに出社したり、在宅で業務を推進したりする「ハイブリッドワーク」の一般化が進む一方、テレワーク環境の整備がゴールになっているケースもある。コロナ禍以前からテレワークを実践してきたMicrosoftは、そうした状況に警鐘を鳴らす。では、ハイブリッドワークを見据えて働く環境をアップデートしていく上でのポイントはどこにあるのだろうか。

» 2022年06月02日 10時00分 公開
[PR/@IT]
PR

コロナ禍で「社員の幸福度」が低下する中、ハイブリッドワーク環境の整備がカギに

 「いつでも、どこからでも、どのようなデバイスからでも働くことができる」環境を求める声が急速に高まっている。その背景にあるのは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大や少子高齢化に伴う労働人口の減少、多様な働き方へのニーズの拡大などだ。

 コロナ禍で現場の社員から経営者まで多くの人が実感したように、テレワークへの対応が不十分な場合は、自らの健康リスクを負ってでも出社せざるを得なかったり、特定の業務をこなせないために事業の継続そのものが著しく困難になったりする。また、オフィスへの出社を前提とした従来の働き方を続けていれば、新たな人材獲得が困難になったり、育児や介護などを求める社員をサポートしたりすることもできなくなる。

ALT 日本マイクロソフト 業務執行役員
デバイスパートナーソリューション事業本部
事業本部長 佐藤久氏

 一方、完全なテレワーク環境で働くことは、社員に“負の影響”を与えることも明らかになってきた。コロナ禍でテレワークを中心に自宅などから業務をこなした社員の多くは、チームメンバーや取引先と十分なコミュニケーションやコラボレーションができずに、生産性が低下してしまうことを実感したはずだ。Web会議やチャットだけでは、対面で得られる情報に比べて限界があり、働くことにストレスを感じるケースも報告されている。

 日本マイクロソフトの佐藤久氏(業務執行役員 デバイスパートナーソリューション事業本部 事業本部長)は、コロナ禍がもたらした働き方の変化をこう説明する。

 「Microsoftが世界31カ国3万1000人のさまざまな企業の社員に対して実施した調査『2022 Work Trend Index』によると、コロナ禍以降『仕事よりも健康やウェルビーイング(幸福)を優先する』と回答した社員は実に53%に上っています。コロナ禍をきっかけに転職したり、転職を検討したりする社員も増えており、ミレニアル世代やZ世代では52%が1年以内に転職したいと回答しています。こうした傾向は日本でも同様に見られます」(佐藤氏)

 ここで注目したいのは、日本企業も含めて多くの企業の経営層やマネジャー層が、こうした社員に対し、どのように働く環境を提供するか悩み始めていることだ。コロナ禍が落ち着いた際、「オフィス回帰」に動いた企業もあった。一方でテレワークを標準的な働き方と定義して、オフィス規模を縮小する企業も見られた。しかし、いずれにおいても、健康やウェルビーイングは期待したほど向上しなかった。

 「コロナ禍以前からテレワークを実現していたMicrosoftでも、コロナ禍以降、社員のウェルビーイング指数は低下していました。会社で働く全ての人が、コロナ禍を通じて新しい価値観や優先順位を持つようになり、オフィスに通勤するという従来型の働き方に回帰したり、テレワークを始めとする新しい働き方を押し付けたりするだけでは、働くことにストレスを感じるだけだということを実感しています」(佐藤氏)

社員自身が選択できるようにすることが重要

 2022 Work Trend Indexの調査結果からも、そうした複雑な事情を読み取ることができる。同調査では「完全なオフィス業務に戻る計画である」と回答した経営者が50%に達した。一方で、「今後1年間テレワークまたはハイブリッドワークを希望する」と回答した社員は52%に達している。

 「中間管理職であるマネジャーは、働き方に関して会社の方針と社員が希望する働き方の間で板挟みになっています。そうした中で求められているのは、従来のオフィス環境と新しいテレワーク環境をうまく組み合わせたハイブリッドワーク環境の提供です。オフィスに出社するのであれば、出社に見合う価値のオフィス環境を提供しなければなりません。また、テレワークで業務を行う場合も、出社した社員との差異を感じることなく働ける環境を提供する必要があります」(佐藤氏)

 オフィスの会議室で会議を開き、オフィスで参加した社員とリモートで参加した社員がいた場合、リアルに参加した社員だけで意思決定をして、リモートでの参加者に不利になるような環境では、社員のウェルビーイング指数は低下する。それが生産性の低下にもつながり、最終的には業績の低下や社員の離職を招く可能性もある。

 「気を付けたいのは、単にWeb会議システムやテレワーク環境をツールとして導入しただけでは、ハイブリッドワーク環境は実現できないということです。2022 Work Trend Indexの調査でも、Web会議やリモート会議で就業時間外の労働が28%増加、週末の労働が14%増加、1人当たりのチャット送信数が32%増加したという結果が出ています。柔軟な働き方やテレワークには、デジタルツールによるデジタルオーバーロード(過負荷)のリスクも存在するのです」(佐藤氏)

 では、「正しいハイブリッドワーク環境」はどうすれば実現できるのか。佐藤氏は重要なポイントを3つ挙げながら、次のように解説する。

 「1つ目のポイントは、社員が最適な働き方を動的に選択できることです。誰かに与えられるのではなく、選択肢がある中から社員自身が自由な裁量で選べるようにすることが重要です。『出社かテレワークか』ではなく、『出社でもテレワークでもOK』という環境を整備します。

 2つ目のポイントは、自由な働き方を支えるITシステムです。業務や業務プロセスをデジタル化し、適切なガバナンスとセキュリティの下でさまざまなデバイスから安全・快適に業務ができるようにします。

 3つ目のポイントは、コラボレーションのためのプラットフォームを用意することです。リモートからWeb会議に参加した社員が阻害されないようなコラボレーションプレースが必要です」(佐藤氏)

ハイブリッドワーク環境の整備は、DXを加速させる最初の取り組み

 正しいハイブリッドワーク環境を実現するために、Microsoftはコミュニケーション、コラボレーションプラットフォームを推奨している。具体的には、さまざまなコラボレーション機能を提供する「Microsoft 365」やコミュニケーションのハブやコラボレーションに適した「Microsoft Teams Rooms」や「Microsoft Surface Hub」などのデバイスだ。

 「いつでも、どこでも、どんなデバイスでも働けるIT環境を提供することは、単にテレワークを実現する効果だけにとどまりません。むしろ重要なのは、全ての業務をデジタル化し、ガバナンスの再構築やアプリケーションのモダナイゼーション、システムの全体最適化に取り組んでいくための基盤になることです。その基盤の上で、デジタルフィードバックループを回し、DX(デジタルトランスフォーメーション)の実現を目指していきます」(佐藤氏)

ALT 日本マイクロソフト
デバイスパートナーソリューション事業本部
Teams Roomsテクノロジーストラテジスト
是枝 日登志氏

 デジタルフィードバックループとは、「1. 業務システムからデジタルデータを取得」「2. 取得したデジタルデータを結合・統合して1カ所に集約・分析・知識化」「3. ビジネス適用による、改善サイクルの実行というサイクルを回し続けることで、DXを加速させていく」仕組みのことだ。

 これは言い換えると、企業がハイブリッドワーク環境の整備に取り組むことは、DX推進のためのファーストステップになり得るということ。そうした取り組みをスタートさせるために適したツールの一つがMicrosoft Teams(以下、Teams)になる。

 日本マイクロソフトの是枝 日登志氏(デバイスパートナーソリューション事業本部 Teams Roomsテクノロジーストラテジスト)はこう説明する。

 「Teamsは、単なるWeb会議ツールではなく、業務システムのフロントエンドとして機能することが大きな特徴です。社内の会計システムや契約システムなどとインテグレーションすることで、スマートフォンアプリのTeamsを通して契約業務や経費精算業務を進められます。コラボレーションプラットフォームであるTeamsを会議室でも快適に利用できる『Microsoft Teams Rooms』の提供も行っております。Teams Roomsを利用する事で、会議室を含めいつでも、どこでも、どんなデバイスでも働ける環境を簡単に構築できます。具体的には、オフィスから会議に参加する人とリモートで会議に参加する人に同じユーザー体験を提供します」(是枝氏)

 Teams Roomsにより、デジタルオーバーロードのリスクを解消しながら、社員の生産性やウェルビーイング指数を大きく向上させることができるというわけだ。

ハイブリッド会議を実現する「Microsoft Teams Rooms」とは

 Teams Roomsは、オフィスで会議に参加する人とリモートで参加する人を平等な立場に置くことができるハイブリッドミーティングソリューションだ。会議室向けに設計されたデバイス(コンピューティング、タッチコントローラー、カメラ、マイク、スピーカー)を会議室や講義室など、複数の人が会議に参加するスペースに設置し、社内外のメンバーがTeamsを使ったコラボレーションを簡単に実施できるようにする。デバイスとしては、Microsoft Surface Hubの他、Windowsベースの「Microsoft Teams Rooms on Windows」、Androidベースの「Microsoft Teams Rooms on Android」がある。

 「ハイブリッドワークにおけるTeams Roomsのメリットの一つは、どこでも、誰でも会議に参加できること、ワンタッチで簡単に参加できること、AI(人工知能)による最先端ミーティング体験を提供すること、またIT管理者に向けて、安心・安全なWebミーティングを実行するための管理ツールの提供がされている事です。さらにTeams以外のWeb会議ソリューションに参加できる事も重要なポイントです」(是枝氏)

 Teams Roomsは会議室用にチューニングされているため、ノイズ抑制や帯域幅最適化でクリアな音声品質を実現しており、ストレスのないコミュニケーションが可能だ。また、単純に相手の顔を見ながらのコミュニケーションをするのではなく、インスタントメッセージ(チャット)や、リアクション、挙手、ホワイトボード(デジタル&アナログ)、ライブ字幕機能、参加者と目線を合わせる位置に配置する、新しいレイアウト “フロントロー” などの機能も提供する。

ALT フロントローを利用した会議の様子(提供:日本マイクロソフト)《クリックで拡大》

 会議に参加する際はタッチパネルで会議を選択するだけでよく、会議への招待や会議室予約は、通常のTeams会議招集と同じく、会議予約時に、Teams Roomsも含めるだけである。プラットフォームがTeamsなので、PCやスマホアプリなど、多種多様なデバイスから参加できる。

 AIによるミーティング体験は、AIによる音声解析と自動議事録作成、AI処理によるフレーム調整と補正によるホワイトボードへの手書き文字の表現などだ。その他にも、ホワイトボードに書き込んだ内容を参加者全員がよく見えるように、障害物となる人を透明化するといった先端機能を提供する。

ALT ホワイトボードの透過表示機能のイメージ(提供:日本マイクロソフト)《クリックで拡大》

 「Microsoft Teams管理センターからは、Teams Roomsのデバイス管理と監視もできます。会議の履歴やログの管理、リモートからの再起動や更新設定、パフォーマンス統計情報の取得も可能です。これまでのコミュニケーションツールは、事後報告の問題に対して原因追跡する事は非常に困難でした。報告された時点で既にログが上書きされてしまい、その時何が起こっていたのかを把握する事ができない事があるからです。Teams管理センターは、会議履歴を保存しているので、IT管理者は、たとえ事後報告であったとしてもユーザーからの問題報告を追跡する事ができます」(是枝氏)

ALT Teams管理センターの画面では会議室に設置されたTeams Roomsの状況を閲覧でき、効率的に保守できる。「デバイス管理のために別途システムを構築する必要はありません」(是枝氏)《クリックで拡大》

 「ハイブリッドワークに欠かせない、Teams Roomsのメリットをご実感、ご体感いただく機会として、日本マイクロソフトでは、Teams Roomsの2台無償トライアルや、無償のハイブリッドミーティングワークショップといったTeams Rooms導入支援プログラムをご提供しています」(是枝氏)

 ハイブリッドワークは、生産性向上のための起爆剤であり、DX推進の土台となる取り組みだ。TeamsやTeams Roomsを活用すれば、スモールスタートでハイブリッドワークを推進することが容易になる。日本マイクロソフトが提供する支援プログラムを機会に、社員の幸福度向上とDXの推進に役立てたいところだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:日本マイクロソフト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2022年6月20日

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。