今だからこそ言える「DXに直結する」レガシー変革法ランザビジネスからバリューアップへ

社会全体でデジタルシフトが進む中、多くの企業がDXに取り組んでいる。だが、一定のコスト削減や効率化はできても、「変革」といえるほどの成果が得られていない場合もある。ビジネスとシステムの変革には何が必要なのか。現実的な方法を聞いた。

» 2022年09月05日 10時00分 公開
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DXの取り組みが遅れている原因

 レガシーなビジネス/システムが変革を妨げ、多大な経済損失を招くと指摘された「2025年の崖」が間近に迫っている。だが、DX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みを加速させるものの、業務や組織の変革に至る道筋を描けず、「紙を使っていた業務のデジタル化」など単なるツール導入にとどまっているのが、大方の現実だ。

 こうした状況についてNECの藤沼博人氏(プラットフォーム販売部門 サーバ・エッジ販売推進統括部 プロフェッショナル)は、次のように話す。

 「レガシーシステムの改修などによって、IT自体の最新化は進んでいます。ただ、各企業ともDXを意識しているものの、ビジネス展開をスピードアップさせるような変革には至らず、業務単位でのデジタル化にとどまっている例が目立ちます。DXを念頭に置きながらも、デジタイゼーション(アナログや物理データのデジタルデータ化)を進めているような状況です」

 DXにつなげるには、ビジネスプロセス/ビジネスモデルの変革を目指す「デジタライゼーションを進めることが大切です」と藤沼氏は強調する。

NEC 藤沼博人氏

 「レガシー環境を最新環境に置き換えるだけでは、DXにはつながりません。確かに最新化で既存業務の生産性が向上したり、無駄を省いたりできます。ただ、そのことをもって業務、組織、文化の変革になるわけではありません」(藤沼氏)

 デジタライゼーションを目指す上で重要なのは、変化する経営環境を素早くキャッチし、「ビジネス展開を迅速、柔軟に変えられる仕組み」を考えることだ。特に現在はテレワークなどコロナ禍を受けた働き方の変化、サイバー攻撃の高度化、突発的な自然災害など、数カ月先ですら予測困難な時代になっている。

 「経営環境が目まぐるしく変化しているからこそ、ビジネスの変化対応力を高めなければなりません。レガシーシステム改修の際も、単に新しいものに置き換えるのではなく、『ビジネスのスピードや変化対応力を高めるためには、どのような基盤が必要か』を考えることが大切です。DXを念頭に置きながらも、この観点が弱いことが取り組みの遅れにつながっていると考えます」(藤沼氏)

既存システムの維持と運用に割いていた予算を「攻めのIT」へ

 では、レガシーシステム改修に当たり、具体的には何を重視すればよいのか。藤沼氏は「守りのITから攻めのITへ予算を振り向ける意識が重要」だという。

 「レガシーなインフラには古いプログラミング言語のコードが多く残り、適切に扱える人材の退職などにより、ブラックボックス化が進んでいる状況です。多くの日本企業において、IT予算の約8割がそうしたインフラの維持と運用に使われているといわれています。つまり多くの予算が既存業務の効率化とコスト削減に充てられ、本来予算を割くべき顧客とのエンゲージメント醸成や収益に資するSoE(System of Engagement)領域の取り組みがおろそかになっているのです。レガシーシステム改修の際には、スピードと変化対応力を実現するとともに、守りのITに割いていた予算を攻めのITへ振り向けることが肝要です」(藤沼氏)

 では、どのような手段が求められるのか。オンプレミスが複雑化、大規模化していたり、パブリッククラウドが浸透して管理対象が増えていたりと、ただでさえ工数が増大している中、「コスト削減、効率化を実現しながら、SoE領域の取り組みを同時に推進する」のは決して簡単ではない。

 「そこで重要になるのがハイパーコンバージド・インフラストラクチャ(以下、HCI)です。システムが属人化、ブラックボックス化するのは、システムが複雑化して標準的なスキルでは管理できなくなっていること、これが主な原因です。HCIを利用すると運用プロセスを標準化でき、高度なスキルがなくてもインフラをシンプルに管理できるようになります。また、オンプレミスとクラウドのハイブリッド環境を、同じ運用体系で一元管理できるようにすることもポイントです」(藤沼氏)

HCIをDX推進基盤としてパッケージングした「NEC Hyper Converged System

 ご存じの通り、HCIはサーバとストレージを物理的に一体化させることで、サーバ、ネットワーク、ストレージなど領域ごとに担っていた運用保守を一体的に実施できるようにしたシステムだ。サーバを追加するだけで業務を止めずにリソースを拡張できるなど、ビジネスニーズに追従しやすいこと、管理工数とコストの削減効果が高いことなどが支持され、既に多数の企業が導入している。だが、藤沼氏が指摘するように、「コスト削減、効率化」以上の取り組みに生かされている例は少ない。

 「今後、DX化を進めていく上で変化の激しいビジネス環境に迅速・柔軟に対応可能なクラウドの活用は必須になります。しかし、全てのオンプレ環境をクラウドへ移行できるとは限りません。現実的には、オンプレミスを併用するケースが多いと言えます。結果としてクラウドとオンプレミスの両方を利用するハイブリッドクラウドの構成になりますが、この際に課題となるのは非効率な管理です。そこで、NECが推奨しているのは、まずHCIをオンプレミスに導入して、運用性や拡張性を高めることです。これによりオンプレミスをクラウドライクな環境として管理工数とコストを削減するとともに、クラウドも同じコンソールで一元管理できるようにします。つまり、レガシーシステムをHCIでモダナイズし、ハイブリッドクラウドもシンプルに管理できる仕組みにすることで、DX推進の基盤とするのです」(藤沼氏)

 ただ、HCIは複数のベンダー製品が存在するため、企業にとってはいかに自社に最適な製品を選び、インテグレーションするかどうかもポイントとなる。そこでNECは独自の機能や専用サービスを付加することで、「既存環境に親和性が高く、クラウド環境にもスムーズに移行しやすい」ソリューションを展開している。それが「NEC Hyper Converged System」(以下、NEC HCS)だ。

 「NEC HCSは、仮想化ソフトウェアとして多くの企業で利用されているVMwareの技術をベースにしたHCIと、NECのサーバ『Express5800』を組み合わせ、HCIを安心して運用できるよう各種サービスやツール類をセットにして提供するソリューションです。高信頼な製品であることに加え、仮想化基盤を検討、構築、運用、保守する全てのフェーズでNECのサービスとドキュメントを用意するトータルサポートを行います。既存システムのクラウド移行についても、VMwareの製品を利用し、既存のワークロードをそのまま移行可能です」(藤沼氏)

NEC HCSは、仮想化基盤を統合管理するNECオリジナルのツールがバンドルされており、多くの企業にとって扱いやすいHCI製品となっている(提供:NEC)

「DX推進に集中できる」高信頼サーバ「Express5800」や包括サポートも提供

 NEC HCSのアドバンテージは「NECが提供するデータセンター施設の活用」「高信頼ハードウェアの提供」「安心安全な保守サポート」「独自の管理ツール提供」「DX推進の基盤としての活用」の5つだという。藤沼氏はデータセンター設備のポイントについてこう述べる。

 「お客さまのサーバルームやデータセンターに設置することはもちろん、NECのデータセンター内にコロケーションのように設置して、プライベートクラウドとして利用することもできます。メリットは、NECのデータセンターがパブリッククラウド環境と接続するための拠点になることです。NEC HCSを活用したプライベートクラウドと、『Microsoft Azure』や『Amazon Web Services』(AWS)などのパブリッククラウドを安全、高速な回線で接続し、ハイブリッドクラウド環境を統合管理できるようになります」

NEC HCSをNECのデータセンター内に設置することで、ハイブリッドクラウド環境をより確実に効率的に整備、利用できる(提供:NEC)

 守りのITの面では、各パブリッククラウドを活用してバックアップや災害復旧(DR)を効率的に行ったりすることで、可用性やセキュリティ、データ保護を高度化できる。攻めのITの面では、「NEC HCS内に格納したさまざまなデータと、パブリッククラウドの各種サービスを使ってDXの取り組みを加速」させることができるという。

 「高信頼ハードウェア」とはExpress5800のことに他ならない。国内でシェアを持つ同製品は、設計段階から品質重視の取り組みを行っており、その高度な信頼性が企業に支持されている。「安心安全な保守サポート」とは、全国360カ所にある最寄りのサービス拠点から保守員が駆け付ける修理対応と、専門技術者が顧客の課題を一括でサポートし、運用負荷を軽減できることを指す。

 「レポーティングや障害予兆検知、最長7年の保守サービス、NECの保守作業員による管理ソフトウェア操作代行などによって、安定稼働をサポートします。具体的には、ディスク故障時はNECの保守作業員がお客さまの運用管理者に代わってディスク交換前後の操作を実施します」(藤沼氏)

 「独自の管理ツール提供」とは、監視、操作機能を一画面で制御できるNEC HCS専用の管理ツールのことだ。仮想化基盤全体の状態を一目で把握し、ローリングアップデートでソフトウェアを一括更新できる。ノード拡張やアップデート作業の自動化などにより、運用負荷を大幅に下げることも可能だという。

特別なスキルがなくても直感的に扱いやすい管理インタフェースを備える(提供:NEC)

 このように、NEC HCSはレガシーなインフラ環境を単に新しいものに置き換えるのではなく、システム構成と管理プロセスそのものをシンプルかつ高度にモダナイズするものといえる。

 これにより、守りのITにかかる維持、運用の手間とコストを削減して、攻めのITに向けた「余力」を生み出すとともに、ハイブリッドクラウドの基盤ともなることでDX推進への門戸を開く仕組みとなっている。

 「インフラ運用のコスト削減、省力化は多くの企業にとって積年の課題ですが、その先を見据えることが肝要です。ぜひNEC HCSをDX推進基盤として活用することで、取り組みの遅れを取り戻し、加速させていただきたい。NECは先進的かつ安心なシステムとサービスでお客さまを包括的に支援していきたいと考えています」(藤沼氏)

NECのオンラインイベント “「未来の共感」を創るNEC Visionary Week 2022

NEC HCSのアドバンテージである独自の管理ツールについて画面イメージを含めて詳細にご説明いたしますので、ぜひご参加ください。

日時:10/4(火)15:30-16:15

セミナータイトル:【BS-19】DXを加速するNECのハイブリッドIT

NEC Visionary Week 2022 参加お申込みサイトはこちら

※「BS-19」で検索ください。

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アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2022年9月20日

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