大学の同期はバリバリ開発に従事しているのに、自分は仕様書の翻訳ばかり。このままでは市場価値が危うい。焦燥感にかられたエンジニアが選んだ「本当の安定」とは――。
エンジニアとして成長し、市場価値を向上させたいと考えている人は、どのような企業を選ぶべきか。新しい技術に触れられる環境、任せてもらえる社風、背中を追える先輩の存在――人によって注目するポイントは異なるかもしれない。
そんな中で自分の市場価値を上げられたという人がいる。「GMOフィナンシャルホールディングス」に転職した渡辺さんだ。GMOフィナンシャルホールディングスはGMOインターネットグループの一員であり、傘下にGMOクリック証券、GMOコインを持ち、株式、投資信託、FX、CFDなどの金融商品や、ビットコインやリップルなどの暗号資産取引サービスを開発、提供している。
今回お話を伺った渡辺さんは、エンジニアとしての市場価値を高めたいと思って同社に転職し、見事に成長を遂げ活躍しているという。同社の「成長できる」ポイントはどこにあるのか、探ってみた。
渡辺さんがGMOフィナンシャルホールディングスに入社したのは2016年5月のこと。前職は外資系のSIerだった。
「大学で情報工学を専攻して大学院まで進み、就活時には安定性を考えて外資系SIerに就職しました。入社1年目は半年以上にわたりJava研修を受けました。研修が終わったら開発業務に就くものとばかり思っていたのですが、配属はブリッジSE。メインの仕事は仕様書の翻訳でした」
渡辺さんとしてはコードを書くなど直接開発に携わる仕事をしたかったが、その希望はかなわなかった。
「学生時代の同期たちはバリバリ開発していたので焦りがありました。SIではシステムの全体像を見通せないことも気になっていました。自分のエンジニアとしての市場価値は大丈夫だろうかと心配になり、システム全体を見通せる仕事で、何らかの業務知識も身に付けていきたいと転職を考えるようになりました」
転職先は、自社サービスを持ち、Webでビジネスを展開している会社を中心に探した。
「このとき自分の中では、安定の意味が変わっていました。就活時は従業員数が多い、就職四季報に載っている、平均年収が高いなどが安定のイメージでしたが、転職時には、自社でサービスを持っていることや、そのサービスでどれぐらい稼いでいるかが安定を測る度合いになっていました」
渡辺さんが数ある転職先候補の中からGMOフィナンシャルホールディングスを選んだのには、明確な理由があった。
「面接官の技術知識が豊富で、自社のシステムを俯瞰(ふかん)的に捉えて、『どこのどういう仕事を任せたい』とこれからのことを具体的に話してくれることに驚きました」
このときの面接官が、後に上司となるHさんだった。渡辺さんは憧れの対象を見つけ、「この人のようになりたい」と思った。もう、同社以外に考えられなくなった。
Hさんに憧れて転職を決めた渡辺さんは、入社後に思わぬ誤算に気付く。
憧れの対象たり得るエンジニアは、Hさん1人ではなかったのだ。さまざまな強みを持つエンジニアがたくさん在籍しており、目標やお手本には事欠かない環境だったのだ。
仲間の存在も大きい。渡辺さんには3人の同期がおり、リスペクトしながら切磋琢磨(せっさたくま)できる良好な関係を築いているという。
「システムの設計で悩んでいるときなどは、同期と社員食堂に集まって相談することがあります。担当サービスは異なるけれど、信頼できる相手であり、安心できる心強い存在です」
渡辺さんは現在、CFD(Contract for Difference:差金決済取引)関連のサービス開発を担当している。CFDのディーリングシステムの裏側を開発担当であるHさんの下で支え、その後Hさんから渡辺さんに託された。
そのかたわらでGMOあおぞらネット銀行の立ち上げにも携わり、CFDのデスクトップアプリ開発なども手掛けている。
「デスクトップアプリの開発は、自ら手を挙げて参加させてもらいました。サーバサイド寄りから一歩踏み出して、フロントエンドの開発も手掛けることでJavaScriptやReact.jsのスキルを身に付け、いわゆるフルスタックのエンジニアに近づけると思いました」
渡辺さんは現在のプロジェクトにおいて、顧客向けとバックオフィス業務用の画面の設計・開発を行っており、同時にCI/CDの整備や、AWS(Amazon Web Service)環境の構築を進めつつ、同チームのリーダーも務めているという。
GMOフィナンシャルホールディングスには、手を挙げればチャレンジさせてもらえる社風があり、希望部署/チームを伝えると自身のスキルの幅を広げたり、専門性を高めたりできるチャンスがある人事制度が半年に1回ある。
CEOがエンジニア出身ということもあり、サービス企画にエンジニアがコミットしやすい雰囲気が根付いているのも同社の魅力だと感じているという。
「ビジネスの部分、例えばサービスの中身についてエンジニアサイドから提案することもあります。今は世の中でこういう金融商品がはやっているから取り扱ってみたらどうだろうかとか、この部分は法に抵触しないだろうか、など。エンジニアが金融サービスを企画するプロフェッショナルを相手に進言できるのは、当社の良い企業文化だと思います」
エンジニアとして技術面での面白さを実感する機会も多いという。
例えば、金融系のシステムにおいては高速処理とフェイルオーバーは重要なテーマだ。秒単位で取引レートが変わるため、処理に時間をかけるわけにはいかない。1秒間にどれだけ多くのトランザクションを処理できるかが金融システムの1つの指標にもなる。そのため、マルチスレッドによる並列処理は欠かせない。
「マルチスレッドの処理をどのように設計するかは苦心するところです。何の考えもなしにスレッドを増やすと大量のメモリを消費してしまい、速度低下や、最悪の場合システムダウンを招きかねません。開発を通じて学ぶことも多く、日々、設計力が磨かれています」
システムがダウンすると顧客に大きな損失を与えてしまうため、サーバも冗長構成が必須だ。万一本番システムが停止した場合には、待機システムに切り替えるフェイルオーバーをいかに迅速に行うかも問われる。
「当社のサービスはこれまでオンプレミスのサーバで提供することが多かったのですが、最近はAWSやサーバレスの利用も増えつつあります。システムインフラについても、新しいことをどんどん学べます。いずれは既存システムのDockerコンテナ化も行っていきたいですね」
サービス自体もそうだが、サービスが変われば技術も異なってくるのが面白いと渡辺さんは語る。
「当社では、証券系はJavaで、コイン系はGo、新規サービスはNode.jsなどさまざまな言語で開発をしています。社内でもサービスによって異なる技術が使われているので、いろいろと刺激を受けることも多いですね」
自社サービスを持つ会社は技術が固定されてしまいがちだが、同社は最新技術を積極的に採り入れ、またサービスごとに最適な技術を用いることで、そうしたネガティブな要因を排除している。
渡辺さんは6年前、自分の市場価値を上げたいと転職を決断した。その課題はクリアできたのだろうか。
「市場価値が上がったと実感しています。それは待遇にも反映されていて、前職よりも年収が上がりました」
エンジニアとしてランクが上がり、最近は採用面接に同席することもあるという。かつてのHさんと同じ役割だ。そこで面接官の視点から、どのようなエンジニアがGMOフィナンシャルホールディングスに向いているのか聞いてみた。
「証券やFXに興味を持ってくれる人と一緒に働きたいですね。例えば、実際に取引経験がある方は顧客目線でサービスを見れたり、システムの全体像を把握するスピードも速かったりして、社内で重宝されている印象があります。技術力が入社時点で足りなくても、自己成長のための努力ができる人なら、いくらでもキャッチアップできます。当社は年功序列ではないので、年齢や在職年数に関係なく、頑張った分はきちんと評価されます」
もちろん評価に応じて待遇も向上する。同社には、年収1000万円を超えるエンジニアも複数在籍しているという。
堅苦しい金融系とも違い、イケイケなはやりのWeb企業とも違う、その中間にある程よい居心地の良さは同社ならでは。成長できる環境と、成長につながる人がそろうGMOフィナンシャルホールディングスは、市場価値を向上させたいエンジニアにとって要注目の企業だ。
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提供:GMOフィナンシャルホールディングス株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT自分戦略研究所 編集部/掲載内容有効期限:2022年10月19日