工夫だらけのサーバを開発、注目ベンダー「xFusion」が目指すものとはSB C&Sとの協業で国内展開を加速

注目のサーバベンダーxFusionが、Intelの最新CPU搭載サーバを引っ提げ、SB C&Sとのパートナーシップで日本におけるビジネスを大幅に強化している。同社のサーバに組み込まれた多数の工夫とはいったいどのようなものか。

» 2023年06月07日 10時00分 公開
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Intelの最新CPUを搭載したサーバを14機種発表

ALT xFusion技術日本
チャネル推進部 シニアエンジニア
六車朝信氏

 今、最も注目されているサーバベンダーであるxFusion Digital Technologies(以下、xFusion)が、SB C&Sとの協業によって日本におけるビジネスを大幅に強化する。Intelの「第4世代 Xeon スケーラブル・プロセッサー」となる「Sapphire Rapids」(開発コード名)を搭載したサーバを14機種も発表。xFusionは最新CPUにいち早く対応するだけではない。同社のサーバは、さまざまな工夫を盛り込んでいるのが興味深い。

 Sapphire Rapidsを搭載したサーバの投入について、xFusion技術日本の六車朝信氏(チャネル推進部 シニアエンジニア)はこう話す。

 「xFusionはIntelと連携してサーバを開発し、いち早く製品を市場に投入することを目指しています。日本ではラックサーバのニーズが高いのですが、海外では高密度サーバも求められています。また、世界的にGPU搭載サーバの人気が高まっています。そうしたグローバルにおけるさまざまなニーズに応えるため、今回は新製品としてIntelの最新CPUを搭載した14モデルをそろえました。もちろん、最新CPUを搭載した製品を素早くリリースすることだけを目指しているのではありません。業界標準ベンチマークを使った性能テストや、各種認証の取得にも力を入れています」

 Intel以外のさまざまなベンダーとの協働もポイントだと六車氏は話す。GPUに関してはNVIDIAとパートナーシップを結び、メモリやストレージでは日本の半導体メーカーであるキオクシアと提携する。

 「キオクシアとは、サーバ分野における次世代SSD製品や業界標準の策定、共同認証、カスタマイズソリューションなどに関する共同技術研究を行っています。例えば、性能、省エネ、高信頼性を実現する次世代産業用SSDに基づいたコンピューティングソリューションを開発しています」(六車氏)

 さらに注目したいのは、今回新たにSB C&Sとのパートナー契約を結んだことだ。SB C&Sの高橋智春氏(ICT事業本部システム基盤推進本部 プラットフォーム推進統括部 マーケティング部 1課 課長)はこう話す。

 「GPU向けのサーバ市場が活気づく中、信頼性が高く、競争力のある価格で提供されるサーバが強く求められています。また、一般的なサーバ用途でもお客さまの求める要件や製品仕様は多岐にわたるため、豊富なラインアップから選定が可能になるxFusionのサーバ製品は、そうしたニーズに非常にマッチします」(高橋氏)

 製品ラインアップや性能、機能を見ると「サーバはどこも同じ」という考え方を改める必要さえありそうだ。xFusionのサーバはどこがすごいのだろうか。

新製品「FusionServer V7」に採用された熱対策、電源、省エネ技術

 xFusionがSapphire Rapidsを搭載したサーバ製品として新たに市場に投入するのは「xFusion FusionServer V7」シリーズ(以下、FusionServer V7)だ。FusionServer V7は、業界エコシステムを活用しながら、最新技術をふんだんに盛り込んだサーバ製品となっている。

ALT Intelの最新CPUを搭載した「xFusion FusionServer V7」14機種が日本市場に投入される(提供:xFusion)《クリックで拡大》

 1つ目の特徴は「熱対策」。CPUやメモリなどのコンピューティングパワー強化に伴い、消費電力をどう抑えていくかはサーバの大きな課題となっている。

 「サーバをいかに効率良く冷却するかが重要です。吸気の効率を追求して開口部を大きくすることをはじめ、自社開発の二重反転ファンやエアフローの最適化などにより、放熱能力を高めています。ファンのフィンは、業界初となる航空宇宙グレードのエアフォイルで空力効率を向上させ、騒音を低減しました。また、ファンのベアリングは、独自の高耐熱、低騒音グリスレスステンレスベアリングにより、従来ファンに比べて5〜10年の長寿命化を実現しています。モーターも自社で開発し、FOC(Field Oriented Control)制御アルゴリズムでモーター損失を低減し、効率を向上させています。これらにより、放熱の風量を50%向上させ、サーバを45℃環境で安定稼働させることができます」(六車氏)

 45℃環境での安定稼働は、サーバルームの空調を抑えることにもつながり、消費電力の節約にも貢献できるという。

 2つ目の特徴は「電源」だ。電源もxFusionが独自に開発しており、特許を取得したものを含めて、大きく3つのコア技術があるという。

 「3000ワット窒化ガリウムチタニウム電源を自社開発しました。『電力を効率化する技術』『高密度化する技術』『高出力を行う技術』で特許を取得しています。具体的には、高効率を実現するブリッジレスなPFC(Power Factor Correction)回路、高密度を実現する多相磁気結合、高密度を実現する窒化ガリウムを活用します。これにより電力密度33%向上、電力損失12.5%低減、電源故障率50%低減を実現しています。エンジニアリングにも最新技術を活用し、1000項目以上の試験を経て出荷されます」(六車氏)

 3つ目は「省エネ技術」だ。さまざまな特許技術を用いて、インテリジェントに省エネを実現する。具体的には、AI(人工知能)アルゴリズムを用いて、負荷、温度、性能、ファン回転数などから総合的に最小消費電力ポイントを見つけ出す「MPC-PID技術」、AIアルゴリズムによる高精度な仮想温度センサー技術で、サーバ全体をカバーする「仮想センサー技術」、CPUの電力損失を削減し、負荷に応じた自動位相切り替えで省エネを実現する「高効率VRD省エネ技術」、部品電圧のマルチ連動フローティングにより変換経路ロスを低減する「インテリジェントフローディング電圧技術」などがある。

ALT FusionServer V7はさまざまな特許技術を用いて、インテリジェントに省エネを実現する(提供:xFusion)《クリックで拡大》

信頼性、可用性、保守性が高く、企業の事業継続性に貢献できるサーバ製品

 FusionServer V7はこれらの特徴を活用することで、サーバ運用の効率化や高度化を可能にする。一方で、xFusionは動作の信頼性向上についても独自の取り組みを進めているという。

 「システムクラッシュの61%はメモリ障害が原因とされています。ただ、メモリ障害の影響を大きく避けることは困難であり、障害発生後に手動による修復も必要でした。FusionServer V7ではこうした事態を解決するために、メモリ障害を自己修復する仕組みを備えました。さまざまなトレーニングデータからローカル環境でリアルタイムに作成する故障モデルを活用し、メモリ障害の予測・警告とハードウェア/ソフトウェア面での隔離を行います。このAIを活用したメモリ障害自己修復技術によって、ダウンタイムを50%削減できます」(六車氏)

ALT AIを活用したメモリ障害自己修復技術によってサーバのダウンタイムを50%削減する(提供:xFusion)《クリックで拡大》

 また、自社開発しているサーバ管理用のiBMC(Intelligent Baseboard Management Controller)チップもポイントだ。コアデータプロテクションやインテリジェントなオペレーション監視といったRAS(Reliability, Availability and Serviceability)機能を備える。標準インタフェースでアクセスできるため、サードパーティー製の統合サーバ管理ツールとも容易に統合できる。

 「最大1.0GHzのクアッドコアiBMCチップとセキュリティチップを搭載しています。これにより、プロトコルの保護や暗号化によるデータ保護など、チップレベルのセキュリティを実現します。iBMCチップだけでなく、FusionServer V7は、製造段階で業界最高水準の国際セキュリティ認証「CC(Common Criteria)」の「EAL4+」を取得しており、安心して利用できることもポイントです」(六車氏)

 国際規格としてはCC EAL4+の他にも、PCI DSS 4.0セキュリティ規格への準拠、英Intertekカーボンフットプリント認証、液冷ラックスケールサーバにおけるドイツTÜV Rheinlandの信頼性認証、ドイツTÜV SÜDのエネルギー効率認証などを取得している。

 保守サポートは日本国内に設置したデータセンターが窓口となり、24時間365日、問い合わせを受け付けている。国内企業が安心して使える環境を整えたのだという。

 このようにFusionServer V7は、信頼性、可用性、保守性が高く、企業の事業継続性に貢献する。こうした点に着目し、日本展開において強力な販売パートナーとなっているのが、SB C&Sだ。

SB C&Sとの協業で国内のユーザー企業をトータルサポート

ALT SB C&S
ICT事業本部システム基盤推進本部
プラットフォーム推進統括部
マーケティング部 1課 課長
高橋智春氏

 SB C&Sの高橋智春氏は、パートナー契約を結び、国内展開を強化する狙いについて、こう話す。

 「国内のサーバ市場は規模こそ大きく変化していませんが、ユーザーやニーズが変わってきています。サービスプロバイダーの存在感が高まっている他、AI、HPC(High Performance Computing)のニーズが高まっています。サーバ製品への要求としては、高い品質と安全性を確保していること、それでいながら低コストでシステムを構築できること。さらに、ビジネススピードに対応できるように短納期であることも求められています。FusionServer V7はそうした近年の国内ニーズにマッチした製品で、価格面でも高い競争力を持ちます。実際に検証機を使った導入支援も予定しています」(高橋氏)

 xFusionでは、高い品質や信頼性のことを「キャリアグレード」「ジャパンクオリティー」と呼び、設計品質と製造品質の両面から信頼性向上に取り組んでいるという。

 「設計においては、長期安定稼働と偶発故障削減のために日本製の高品質な部品を多数採用しています。また、IT機器に求められるIEC(国際電気標準会議)試験でも、基準値以上で信頼性試験を実施しています。ISO 9001/TL 9000/TS 1694認定など、徹底した品質マネジメントにも取り組んでいます。日本の大手企業から品質管理のコンサルティングを定期的に受け、品質向上に努めています。お客さまからもxFusionのサーバは壊れにくいという評価を頂いています。実用面では、性能も優れているため全体のサーバ台数を減らすことができ、運用性を高めることもできます」(六車氏)

 「サーバ本体の性能だけでなく、熱対策、電源、省エネ技術など、環境への配慮が求められる時代にきめ細かい工夫のあるサーバは、お客さまからの採用も増えてくると思います」(高橋氏)

 SB C&Sとの協業により、さらに国内での展開が加速し、多くの企業がFusion Server V7を安心して導入、利用できる環境が整う。新たなビジネス開発や既存システムのリプレースなどで検討していきたい。

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提供:SB C&S株式会社、xFusion技術日本株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2023年6月16日

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