インテルの最新CPU「第4世代 インテル Xeon スケーラブル・プロセッサー」が企業や社会の課題解決に寄与し、変革を支える理由2023年6月開催のイベント「Intel Connection 2023」にも注目

企業や社会におけるデジタル化の進展は新たな段階に突入した。DX、AI、サステナビリティ、カーボンニュートラル、省電力など、要求が多様化するコンピューティング環境において、CPUはどのような役割を果たし、貢献していくのだろうか。

» 2023年06月06日 10時00分 公開
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“新たな時代”に突入したコンピューティング環境

 ここ数年の間に、コンピューティングの役割は様変わりした。ITはもはや社会インフラともいえる存在になっている。

 例えば、x86サーバを使ったオープンでスケーラブルなモバイル通信への変革は、ほとんどの移動体通信事業者が進めているところだ。スマートシティーのプロジェクトも増えてきている。こうしたプロジェクトでは、至るところにコンピューティングを埋め込み、都市機能のインテリジェント化を進めている。政府や自治体の行政サービスも今ではデジタル化なしに語れない。

 ビジネスの世界では、デジタルトランスフォーメーション(DX)に関連した話を聞かない日はない。世界中の企業が生き残りをかけてDXに取り組んでいる。中でもデータ活用の高度化を進める企業は多い。AI(人工知能)/機械学習(ML)を活用して既存の事業を生まれ変わらせ、新しい事業を成功に導こうとしている。

 そして機械学習/AIといえば、またたく間に誰もが意識する存在になったのが「ChatGPT」だ。個人、組織のどちらにとってもゲームチェンジャーになり得ることが広く認識されている。企業は、このChatGPTや類似サービスの可能性を模索する一方で、データセキュリティへの懸念から、社内でオープンソースの大規模言語モデル(LLM)を動かす企業も出てきている。

 工場、物流拠点などにおけるエッジコンピューティングも広がろうとしている。機械学習/AIを活用し、新たなレベルの自動化、最適化を図り、インテリジェント化を進展させるのが目的だ。

 過去10年の間にクラウドコンピューティングが急成長し、企業や社会の取り組みを支える存在として広く知られるようになったことも、非常に大きな変化だ。クラウドはITへの「投資」を「利用」に変えるとともに、一企業では従来利用できなかった機能をサービスとして提供するようになった。そのおかげでIT活用の裾野が広がり、デジタルサービスを開発、提供するスピードが向上。従来にはなかったサービスを生み出しやすくなった。こうして、クラウドは組織のDXを強力に後押しするようになっている。

 また、「SaaS」(Software as a Service)と呼ばれるクラウド型のアプリケーション/システム提供サービスの利用も一般化した。Web会議からCRM(顧客情報管理)、基幹システムまで、ビジネスのあらゆる場面で使われるようになった。

 このようにコンピューティング環境は“新たな時代”に突入したといえる。

多様化、進化する用途に応えるサーバCPUとは

 CPUベンダーとして企業や社会におけるコンピューティングをリードしてきたインテルは、サーバCPUが時代を先取りする存在でなければならないと考えてきた。これからのCPUは、拡大するニーズに最適化された性能、スケーラビリティ、機能を果たす必要がある。それと同時に、サステナビリティ(持続可能性)に関しても積極的な役割を果たさなければならない。

 こうした考えの下、インテルが2023年1月にリリースしたのが「第4世代 インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー」(開発コード名:Sapphire Rapids)だ。発表時点で、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud、Oracle Cloud、IBM Cloudといった主要クラウドをはじめ、Cisco Systems、米ロスアラモス国立研究所、Ericsson、Telefonicaなど、多くの企業、組織が顧客として名を連ねている。

 第4世代 インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーは設計を従来とは大きく変え、コア数、メモリ帯域幅、L2/L3キャッシュ、I/Oなどを大幅に強化。これまでとは異なるレベルの性能を発揮するようデザインされている。その上で、今後拡大する実環境のワークロードに最適化するため、最大5種類のアクセラレーターを搭載している。

  • インテル® アドバンスト・マトリクス・エクステンション(インテル® AMX):タイル化した二次元行列の演算を専門に行うプロセッサ。機械学習ベースのAIにおける推論/学習処理を高速化できる
  • インテル® ダイナミック・ロードバランサー(インテル® DLB):ネットワークのパケット処理をコア/スレッド単位で分散処理できる
  • インテル® データ・ストリーミング・アクセラレーター(インテル® DSA):システム内のデータ転送(キャッシュからメインメモリ、メインメモリ同士、メインメモリからI/Oなど)を高速化する
  • インテル® インメモリー・アナリティクス・アクセラレーター(インテル® IAA):データベース処理における「スキャン」「フィルター」「圧縮」「伸長」を行う。データベースのスループット(実効速度)を向上できる
  • インテル® クイックアシスト・テクノロジー(インテル® QAT):暗号化とデータ圧縮を高速化する。第3世代 インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーではチップセットに実装していたが、CPUに統合することでパフォーマンスを向上している

   ※インテル® AMXのみCPUコアに内蔵。その他はコアの外にアクセラレーターとして搭載


ALT 第4世代 インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーが搭載する5種類のアクセラレーター(提供:インテル)《クリックで拡大》

 これらは、インテルが顧客企業からのニーズを聞いて、必要とされているものを優先的に開発、実装してきた結果だ。アクセラレーターへの取り組みは第3世代 インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーから続いており、実績があるのも安心材料だろう。

これからのサーバCPUはサステナビリティへの貢献が必須

 ここ数年、「サステナビリティ」や「カーボンニュートラル」などのキーワードが重視され、消費電力削減の機運が高まっている。それに加えて、戦争によるエネルギー危機で電気料金が高騰。省電力は、きれい事ではなくなっている。

 一方、社会では多様な分野の業務がデジタル化し、流通するデータ量と処理ニーズの増大が著しい。これに伴って、稼働するサーバ数も大幅に増えている。サーバCPUの性能が向上すれば消費電力が増えるのは当然のことだが、処理性能当たりの電力効率はエンタープライズやクラウドサービスプロバイダーにとって、事業を安定的に経営するという意味でのサステナビリティにも必要不可欠なものとなっている。

 1CPU当たりのコア数が多ければ、サーバに必要なCPUの数、あるいはサーバそのものの台数を減らすことが可能になるため、ラック当たりの消費電力を減らすことができる。

 また、第4世代 インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーが搭載するアクセラレーターは、消費電力の抑制にも寄与する。内蔵アクセラレーターを使うと、特定の処理をオフロードして役割分担するため、同一の消費電力でより多くの処理ができる。

 内蔵アクセラレーターを有効活用することで、目的のワークロードに対し、前世代と比べて消費電力当たり平均2.9倍高い性能を見込むことができ、最適化電力モードでは性能損失を最小限に抑えながらCPU当たり最大70ワットの省電力化が可能になり、総保有コスト(TCO)を52%から66%削減できるという。

具体的にはワークロード性能をどう向上するのか

 第4世代 インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーでは、内蔵アクセラレーターやその他の機能強化により、AI、アナリティクス、ネットワーキング、ストレージ、HPC(High Performance Computing)など、幅広い用途にわたり企業の課題を解決する。

ALT 第4世代 インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーによって高速化されるユーザーのワークロード(提供:インテル)《クリックで拡大》

 例えば、AI分野では「インテル® アドバンスト・マトリクス・エクステンション(インテル® AMX)」によってPython向けの機械学習ライブラリ「PyTorch」を実行し、リアルタイムの推論と学習処理で最大10倍のパフォーマンスを達成したという。また、AIやHPCに最適化された「インテル® Xeon® CPU Maxシリーズ」は、大規模な言語処理モデルを最大20倍高速化すると見込まれている。

 インテル® Xeon® CPU Maxシリーズは、64GBの広帯域幅メモリをパッケージ上に実装し、HPCやAIにおけるデータスループットを大幅に向上。第3世代 インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーの最上位モデルと比べて、エネルギーや地球システムのモデリングなど実環境のアプリケーションで、最大3.7倍のパフォーマンス向上が確認できたという。

技術とビジネスをつなぐ「Intel Connection 2023」を開催

 現在、働き方改革や教育分野のデジタル化、企業変革とDX、サステナブルな世界などでデジタル化が強く意識され、さまざまな取り組みが進みつつある。CPUはそれらの課題解決を下支えする最も根本的な技術要素だ。インテルは新しいサーバCPUで、これまで以上に大きな役割を果たしていく。

 インテルは、デジタルが企業や社会の課題解決にどのように貢献しているか、現状と最新事例を紹介するイベント「Intel Connection 2023」を2023年6月19〜20日に開催する。インテルの開発者向けプライベートイベントはよく知られているが、Intel Connection 2023は間口を広げて、業界の垣根、技術者/経営者の枠を超え、企業間の連携を高めて「DcX」(データセントリックトランスフォーメーション)をさらに推進し、未来に向けた多種多様な関係構築の場となることを目指しているという。

 Intel Connection 2023では、AI、サステナビリティ、教育、DX、データ&インフラストラクチャなど、多様なテーマで多数の講演を用意している。ぜひこのイベントに参加して、最新のコンピューティング事例に触れ、新たなデジタル化の進め方について考えを深めてみてはいかがだろうか。

イベント「Intel Connection 2023」開催

 「Intel Connection 2023」は、業界の垣根を超え、技術者、経営者の枠も超え、企業間の連携を高めてDcXをさらに推進し、日本の次世代を育て、未来を創る多種多様な業界の皆さんが集える関係構築の場を提供します。さまざまな「つながり」で、ビジネスを創出する場としてご活用ください。

   ・イベント名:Intel Connection 2023

   ・開催日時:2023年6月19日(月)〜20日(火) 9:30〜17:30(9:00受付開始)

   ・開催場所:東京ミッドタウン ホールA+B (東京都港区赤坂9丁目7-2)

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提供:インテル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2023年6月20日

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