PC管理といえば、従来は社員の要望に見合うスペックのPCを会社が選定し、標準機として社員に配布、管理するのが一般的だった。そうしたPCのOS設定やアプリインストールなどの作業は情シスが担っていた。企業によっては別部門のITに詳しい人が兼務で対応しているケースもある。
しかし、今日のように働き方が多様化すると、PCの機種や用途が多岐にわたり、これまでのやり方では対応し切れなくなっている。PC準備に時間がかかって業務が滞る、社員からのオンラインでの問い合わせ対応に追われる、テレワークで利用中のPCにセキュリティアップデートを適用させる……担当者の苦労は増えるばかりだ。
PC管理を見直さなければ日々の業務が成り立たなくなるといっても過言ではない。そうした中、PC管理を根本から見直す仕組みとして注目をされているのが、クラウドを利用した「ゼロタッチ展開」(以下、ゼロタッチ)だ。
ゼロタッチを使うとPC利用に必要な初期設定や手続きは自動的に実施され、社員はIDとパスワードを入力するだけですぐにPCを利用できるようになる。社員は情シスの力を借りることなく、スマホの機種変更のように、簡単にPCのセットアップや切り替えが可能になる。
新入社員など入社前の社員向けにPCを用意する場合もゼロタッチは有効だ。ゼロタッチ設定をしたPCを社員の自宅に配送するだけで、社員は届いたPCに自らのユーザーアカウントを設定し、業務に必要なアプリケーションなどを準備できる。
社員はいつでもどこでもPC設定できるので、さまざまな働き方に対応可能だ。また、最新のデバイスを自由に選択でき、社員のモチベーション確保の面でも効果がある。情シスはPCのキッティング作業やセキュリティ設定などの面倒な業務から解放され、その分の時間を生産性向上や業務変革などに振り分けられるようになる。
Windows PCのゼロタッチを実現する上で要となる技術が「Windows Autopilot」だ。Windows AutopilotはPCの初期設定を自動化し、情シスの作業を効率化できるサービスだ。「PCの開梱」「アクティベーション」「OSの設定」「デバイス管理ツールや業務アプリケーションなどのインストール」「組織やユーザーごとの個別設定」といった作業を自動化する。
クラウドベースでほとんどのPC設定を済ませられるため、利用台数やユーザー環境の多様さにかかわらず、セキュリティを確保した状態でPC管理を継続的に効率良く運用できる点がメリットだ。Windows Autopilotは、アカウント管理の「Azure Active Directory」やデバイス管理の「Microsoft Intune」などと連携する必要がある。Microsoft 365ユーザーなら、それらのライセンスを追加購入するだけですぐに利用できる。
ゼロタッチをソリューションとして提供しているのがダイワボウ情報システム(DIS)だ。全国各地に拠点を持ち、大手企業はもちろん、公共機関や自治体、教育機関、中堅中小企業まで豊富なサポート体制をパートナーとともに敷いている。特に、PC調達から導入、展開までを含めた物流サービスに特徴を持つディストリビューターとして、全国のパートナーと連携したソリューション提供を得意とする。
ゼロタッチはWindows Autopilotを利用すればどのパートナーでも提供できると思われがちだが、実際にはPCをクラウドサービスと関連付けるためのデバイスID(もしくはハードウェアID)の登録作業が事前に必要で、この作業に対応できるパートナーは限られる。例えばデバイスIDは「Tuple」「PKID」「4K HH」などの登録が必要だが、PCメーカーごとに仕様が異なるため、ノウハウを持つパートナーが少ないのだ。
DISは、国内外15社以上のPCメーカーに対応しており、メーカーごとに異なるデバイスID/ハードウェアIDの取得、登録代行に関するノウハウが豊富だ。また、取得、登録代行に関わる作業をサービスとして基本無償で提供している。PC調達から管理運用、廃棄までPCライフサイクル全体にわたって一貫したサポートをパートナーとともに提供する。
ゼロタッチは、今後のPC管理における標準的な手法になる可能性が高い。情シスの人材不足など喫緊の課題を解消することはもちろん、生産性向上や経営効率化も考慮し、採用を検討する企業は増えるだろう。その際には、豊富な知見を持つDISが大きな力になるはずだ。
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アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2023年6月27日