パブリッククラウド推進で見えてきたストレージの「ムダ」、その解決の一手とはパブリッククラウドをよりスマートに

企業はクラウドファーストを推進してきたが、有識者は「非効率なストレージ利用がせっかくのクラウドの価値を半減させかねない」と警鐘を鳴らす。

» 2023年10月24日 10時00分 公開
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 企業のクラウド活用は全盛時代に突入している。業種や業界を問わず、多くの企業が、オンプレミスからクラウドへのシステム移行を検討しており、中には基幹システムなどのミッションクリティカルなシステムについてもクラウド化を進める企業もある。

 もちろん、全ての企業がクラウドに偏っているわけではない。クラウドと比較した際のオンプレミスシステムのメリットに注目し、クラウドからオンプレミスへ回帰する企業もある。また、システムの特性、目的に応じてオンプレミスとクラウドを使い分けるハイブリッドクラウドや、複数のクラウドサービスの得意な領域を組み合わせて使うマルチクラウドを採用する動きも活発だ。

 一方で、ハイブリッドクラウド/マルチクラウドと言いつつ、旧来と同じような課題に直面してしまう企業も増えている。それぞれの事業、組織、ビジネスが求めるクラウドを個々に導入していった結果、連携も統合もできず、サイロ化してしまうという課題だ。

気付けばクラウド間、そしてクラウド内もサイロ化する理由

 ハイブリッドクラウドやマルチクラウドはその特性から、さまざまなニーズへ柔軟に対応し、効率が良い、拡張性に優れたシステムに思える。それらを使えば、クラウドとオンプレミスのシステムをうまく連携できる、使いたい技術に合わせて「AI(人工知能)だったらこのクラウドサービス、データレイクならあのクラウドサービスを」といったように使い分けられると考える企業は多いだろう。しかし、現実はそれほど優しくない。何事においても、いわゆる銀の銃弾は存在しないことがほとんどだ。

画像 デル・テクノロジーズの平原一雄氏

 ハイブリッドクラウド/マルチクラウドの仕組みを採用していても、IaaS(Infrastructure as a Service)などに構築したクラウド環境がサイロ化してしまっているケースが多いとデル・テクノロジーズの平原一雄氏(Customer Centric Cloud and Containers アジア・パシフィック&ジャパン アドバイザリーシステムズエンジニア)は語る。

 「クラウド内部に目を向けると、そこにはデータ管理の課題が存在する。その要因はストレージ、特にブロックストレージにある。クラウドにシステムを構築する際、システムごとに容量や性能などの要件が異なるため、それぞれ適したストレージを割り当てる。だが、その方式でシステムを作り続けると、システム1にはストレージ1、システム2にはストレージ2……といったように、孤立(サイロ化)したシステムが増産されてしまう。1つのシステムに関連付くストレージの容量を追加するのは簡単だが、複数あるシステムのストレージを総合的に管理するのはかなり困難だ。また、オンプレミスから“取りあえずリフト”したシステムなどは、もともとのストレージサイジングが過剰になっているケースも多い。ストレージが最適化されないままクラウド移行が進み、結果として効率化が難しく、運用管理も煩雑なものになってしまっている」(平原氏)

画像 IaaSで再燃するサイロ化の課題

 クラウドをただ利用するだけでは、オンプレミスと同様にストレージがサイロ化してしまい、非効率な状態になってしまう可能性が高い。この課題を解決するため、デル・テクノロジーズが提案するのがDell APEX Block Storageだ。Dell APEX Block Storageは、2023年10月現在、Amazon Web Services(AWS)とMicrosoft Azure向けに提供されている。

エンタープライズストレージの価値をクラウドへ

 デル・テクノロジーズは、もともとオンプレミス向けの製品やサービスを得意としていたが、近年ではクラウドの良さを取り入れた製品やサービスにも力を入れており、Dell APEXとしてポートフォリオを拡充している。オンプレミスのストレージをクラウドのように使えるDell APEX Data Storage Services、クラウドのアプリケーション実行環境をオンプレミスに容易に延長するDell APEX Cloud Platformなどがある。Dell APEX Storage for Public Cloudはデル・テクノロジーズの高度なストレージソフトウェアの技術や機能を、パブリッククラウド上に展開できる製品群で「パブリッククラウドメインのユーザーにデル・テクノロジーズの価値を提供する」という。

 2023年10月現在、Dell APEX Storage for Public Cloudは3つの製品で構成されている。ブロックストレージを実現するDell APEX Block StorageとファイルストレージDell APEX File Storage、そしてデータ保護ストレージDell APEX Protection Storageだ。

 「デル・テクノロジーズは汎用(はんよう)性の高いIAサーバを得意とするメーカーだが、そうしたハードウェアで稼働しているストレージについては、さまざまな差別化機能をソフトウェアベースで提供している。つまりサーバだけでなく、ソフトウェア技術にも秀でているメーカーだ。オンプレミスで培ったソフトウェア技術をパブリッククラウドでも使えるようにして価値を提供するGround to Cloudの取り組みを推進しており、Dell APEX Storage for Public Cloudもその一環だ。パブリッククラウド上でデル・テクノロジーズのエンタープライズストレージ機能を提供することで、クラウドのデータ管理における課題を解決する」(平原氏)

システムごとにサイロ化されたクラウドストレージを統合、性能アップ&コストダウンに貢献

 Dell APEX Storage for Public Cloudはその名の通り、パブリッククラウドを対象としている。ここでは、AWS環境向けのDell APEX Block Storage for AWSを例に説明する。

画像 Dell APEX Block Storage for AWS

 Dell APEX Block Storage for AWSは、AWSの仮想サーバAmazon EC2(以下、EC2)上に構築するソフトウェアディファインドブロックストレージだ。記憶媒体にはEC2インスタンスのローカルNVMe(Non-Volatile Memory Express)ストレージ(EC2インスタンスストア)またはブロックストレージAmazon EBS(Elastic Block Store、以下、EBS)を利用している。ストレージプール化されたストレージクラスタを構成することで、統合ストレージ機能を実現する。クラスタノード(EC2インスタンス)を増やすことで容量と性能をリニアにスケールできるという特徴があり、平原氏は「究極のパフォーマンスを実現する」としている。

 EC2インスタンスストアは、EC2インスタンスに物理的にアタッチされたNVMe型SSDを利用するため非常に高速で、平原氏によると「EBSよりも高性能で低遅延なストレージを求める環境」に適しているという。ただ「揮発性ストレージを使用するため、データ永続性のためにバックアップやリストアのシステムと組み合わせる必要があり、そのためのレファレンスアーキテクチャも公開されている」と平原氏は説明している。一方EBSは「高い性能は必要ないが、AWSと契約しているストレージ容量(EBSの契約容量)に対して利用効率が著しく低い環境」に適しているという。

 この利用効率が低いEBSの課題についてはシンプロビジョニング機能が有効だ。Dell APEX Block Storageを介してEBSのボリュームをストレージプール化することで、物理容量に依存しない大容量の仮想ボリュームをシステムごとに割り当てられる。EBSも適正な容量での契約が可能になる(EBS契約容量の最適化)。物理容量が足りなくなった場合も、EBSボリュームをストレージプールに追加するだけでよく、それらのふるまいはアプリケーションからは透過的だ。システムごとのストレージ管理が不要になるため、運用負荷を大幅に低減できる。また、Dell APEX Block Storageのスナップショット機能を利用すれば、EBSのスナップショット課金を回避でき、EBS契約容量の最適化と併せてコストを削減できる。

画像 Dell APEX Block StorageでIaaSのサイロ化を解決

 「Dell APEX Block Storage for AWSはコストメリットと性能を両立できる。デル・テクノロジーズの試算によれば、高性能なEBSボリュームタイプio2を多用したケースでは、約500TBのストレージ利用で、月額コストを65%抑えながら、高いIOPS(Input/Output Per Second)を実現した。また、スタンダードなEBSボリュームタイプgp3が使われているケースでは、容量効率が50%より低くなったところからコスト優位性が発揮された。約500TBの容量を133TBのEBSで構成(シンプロビジョニングは約4対1の比率)した場合、コストを39%抑えながら、IOPSは5倍も高い効果を得られた」(平原氏)

 Dell APEX Block Storage for AWSは冗長性も優れている。Fault Setアーキテクチャというデータセンターのラック障害対策機能をAZ(アベイラビリティーゾーン)に適用することで、マルチAZ対応、つまりAZをまたがるストレージクラスタも構成可能だ。ストレージクラスタ内のインスタンスや単一AZに障害が発生してもストレージアクセスを継続、同一リージョン内での可用性、耐障害性を維持できる。また、非同期レプリケーションによって、データモビリティやデータ保護も実現している。リージョン間だけでなく、オンプレミスとクラウド、クラウドとクラウド間でのデータレプリケーションも可能だ。

 「Dell APEX Block Storage for AWSは、高性能、高信頼性を持った非常に強力なストレージ環境を構築できるため、ミッションクリティカルなデータベースや基幹系システムのクラウド移行に適している。米国では複数の企業が大規模なデータベースの移行でDell APEX Block Storage for AWSを使い、性能不足やコスト肥大というハードルを乗り越えて、クラウド化に成功している」(平原氏)

 何も考えずに従来のアプリケーションを単純にリフトしてハイブリッドクラウド/マルチクラウド化を進めると、特定クラウドに移行したデータがロックインされる恐れがある。そうなればクラウド内のストレージサイロ化はますます進行するだろう。パブリッククラウドには多くのメリットがあるが、ストレージやデータの配置と管理の手間が利用者の足かせになってしまっては意味がない。

 「Dell APEX Block Storageは、パブリッククラウド内のデータ管理を最適化し、クラウドのよりスマートな利用を促進する。また、マルチクラウド環境に一貫したストレージ管理レイヤーを構築、シームレスなデータモビリティを実現することで、将来のアプリケーションワークロード配置の細やかな再調整にも応えられる」(平原氏)

 適切にデータ管理を見直して、ハイブリッドクラウドやマルチクラウドを活用したいと考える企業はDell APEX Block Storageを検討してみてはいかがだろうか。



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提供:デル・テクノロジーズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2023年11月19日

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