デル・テクノロジーズと主要クラウドベンダー3社が明らかにしたマルチクラウドの最先端ハイブリッド/マルチクラウドの最適化とは

ハイブリッド/マルチクラウドの在り方が急速に多様化している。デル・テクノロジーズと主要クラウド技術ベンダー3社が共同でセミナーを開催し、ハイブリッド/マルチクラウドの最適化についての選択肢を説明した。

» 2024年01月16日 10時00分 公開
[PR/@IT]
PR
デル・テクノロジーズ 代表取締役社長 大塚俊彦氏

 近年、企業のクラウド利用の在り方が大きく変化している。カギとなるのはハイブリッド/マルチクラウドだ。パブリッククラウドの利用を推進している組織があれば、積極的にオンプレミスとの併用を図っている組織もある。こうした動きに対応するソリューションの選択肢も増えており、何をどう選べばいいか分かりにくい状況も生まれている。

 そうした中、2023年11月21日に「デル・テクノロジーズ、VMware、Microsoft、Red Hatの4社が語るハイブリッドクラウドの最適化戦略」が開催され、注目ベンダー4社がそれぞれの視点からクラウド戦略を解説した。

 最初に登壇したデル・テクノロジーズの代表取締役社長 大塚俊彦氏はオープニングでこう語った。「可用性、スピード、コストなどの要件に応じ、ワークロードを適材適所で配置していくことが、お客さまのビジネス成果につながります。デルは3社と連携し、これを容易に実現できるソリューションを提供していきます」(大塚氏)

デル・テクノロジーズが大幅拡充したDell APEXソリューションとは

 デル・テクノロジーズ(以下、デル)は2023年にさまざまなマルチクラウドソリューションを「Dell APEX」(以下、APEX)ブランドに統合した。当初はサブスクリプションモデルの一つだったAPEXだが、この統合により「真のマルチクラウドソリューション」になったという。背景にはクラウドそのものの変化がある。デル・テクノロジーズ 常務執行役員 パートナー事業本部長 入澤由典氏はこう話す。

デル・テクノロジーズ 常務執行役員 パートナー事業本部長 入澤由典氏

 「過去にオンプレミスで起きたIT環境の最適化の動きがクラウド全体にも起きています。パブリッククラウドとオンプレミス双方のメリットを生かすために、最適なクラウドの使い方をデザインした上でゴールを目指していくことが必要になってきました。クラウド内、クラウド間、クラウド全体で最適化する『マルチクラウド・バイ・デザイン』の発想が求められます」(入澤氏)

 そこでデルが推進するのがクラウドの最適化戦略。これは大きく分けて4つのレイヤーで構成される。1つ目は、オンプレミスで培った手法をクラウドに適用する仕組み(「GROUND to CLOUD」)。2つ目は、クラウドの技術をオンプレミスに適用する仕組み(「CLOUD to GROUND」)。3つ目はオンプレミスとクラウドで共通の体験を提供する仕組み(「AAS OFFERS」)。4つ目は、マルチクラウド環境を統合し運用管理する仕組み(「CONTROL」)だ。

 「この4つのレイヤーでソリューションを展開することで、お客さまがマルチクラウド活用で直面するさまざまな課題に対応していきます」(入澤氏)

デル・テクノロジーズのクラウド最適化戦略(提供:デル・テクノロジーズ)

 例えば、1つ目のレイヤーで提供されるソリューションとしては、統合ストレージサービスの「Dell APEX Storage for Public Cloud」などがある。また、2つ目のレイヤーではパートナーと連携してパブリッククラウド環境をオンプレミスで提供する「Dell APEX Cloud Platform」などがある。

 入澤氏は「APEXブランドでさまざまなソリューションを展開していきますが、デルだけは実現できません。強力なパートナーエコシステムの下、付加価値の高いサービスを提供していきます」と強調した。

3社と協業しハイブリッドクラウド環境を提供

 デルが提供するソリューションのうち特に注目度が高いものの一つが、クラウドスタックをオンプレミス、エッジで提供するDell APEX Cloud Platformだ。この製品について、デル・テクノロジーズ Customer Centric Cloud and Containers アジア・パシフィック&ジャパン アドバイザリーシステムズエンジニアの平原一雄氏は次のように説明した。

デル・テクノロジーズ Customer Centric Cloud and Containers アジア・パシフィック&ジャパン アドバイザリーシステムズエンジニア 平原一雄氏

 「ビジネスイノベーションのために新しい開発スタイルが求められる中、注目されているのがコンテナ技術です。クラウド上でのコンテナ活用が進む一方、オンプレミスでコンテナアプリケーションを開発、運用したいという要望が増えています。このご要望に対し、IaaS/PaaS、コンテナを含むクラウドスタックをオンプレミスのターンキーソリューションとして提供を開始したのがDell APEX Cloud Platformです」(平原氏)

 市場でニーズの高いクラウドスタックとデルのハードウェアインフラを統合した形で提供することで、導入や運用管理に工数や時間をかけることなくクラウドで使い慣れた環境をそのままオンプレミスやエッジへスムーズに延長し、ハイブリッドクラウドを容易に実現できるという。

 クラウドスタックとしては、Red Hatの「Red Hat OpenShift」、Microsoftの「Azure Arc」「Azure Stack HCI」、VMwareの「VMware Cloud Foundation」がある。これまでもデルのハードウェア上でこうしたクラウドソフトウェアを統合したソリューションを提供してきた。APEXの新しさは、デルのクラウドストレージ「Dell APEX Storage for Public Cloud」との互換性を備えたソフトウェアストレージである「Dell SDS」を共通で採用していること、そして標準化したプラットフォームの上で共通の管理ツールを用いた統一的な運用管理が可能になったことにある。

 「ハードウェアが標準化され、1つのツールでプラットフォーム全体を自動化できるため、運用管理が効率化します。好きな場所に好きなクラウド環境を持ち込み、パブリッククラウドで開発したアプリケーションを柔軟に配置するといったこともできます」(平原氏)

「VxRail」を共同開発してきたVMwareは2つの選択肢を提供

 デルと長きにわたって協業関係にあり、オンプレミス向けのHCI(ハイパーコンバージドインフラ)である「VxRail」などを共同開発して提供してきたのがVMwareだ。デルは、ハイブリッドクラウド移行、連携に最適な提供形態としてVxRailをベースにした2つのソリューション「Dell APEX Private Cloud」と「VMware Cloud Foundation(VCF) on VxRail」を展開する。

 ヴイエムウェア クラウドプラットフォーム技術部 シニアクラウドプラットフォームアーキテクト 兼 CTO Ambassadorの川満雄樹氏は、Dell APEX Private Cloudについて、「オンプレミスで最もシンプル、迅速にクラウドライクな運用が可能な仮想化基盤を提供するもの」と説明した。

ヴイエムウェア クラウドプラットフォーム技術部 シニアクラウドプラットフォームアーキテクト 兼 CTO Ambassador 川満雄樹氏

 顧客は「VMware vCenter」を使った従来通りのvSphere環境の操作が行え、仮想マシンの場所選択や構成、立ち上げが可能だ。また、「Dell APEX Console」を使い、セルフサービスで仮想化基盤全体の利用、課金状況の管理ができる。サポートはデルが一元的に提供する。

 一方のVCF on VxRailは、ネットワークやコンテナを含めたフルスタックSDDC(ソフトウェアデファインドデータセンター)のターンキーソリューションとなる。「VxRail Manager」「SDDC Manager」といった管理ツールを活用し、システム全般にわたって自動化されたエンドツーエンドのライフサイクル管理ができる。

 VCF on VxRailを利用するメリットは、自動化の対象が大きく広がることにある。川満氏は、「環境設計/構築、設備拡張、Day 1におけるストレージや仮想マシンのサービス展開、Day 2のライフサイクル管理まで自動化が可能」と説明した。

Azureをオンプレミスにも適用、Dell APEX Cloud Platform for Microsoft Azure

 デルとHCIソリューション「Azure Stack HCI」を提供してきたMicrosoftは、マルチクラウド管理ツールの「Azure Arc」を組み合わせた製品として、新たに「Dell APEX Cloud Platform for Microsoft Azure」を展開する。日本マイクロソフト クラウド&AIソリューション事業本部 インテリジェントクラウド統括本部 Azure第四営業本部長の安冨秀隆氏は、「Microsoft Azure」におけるハイブリッド/マルチクラウド管理の根幹となるのがAzure Arcだと説明する。

日本マイクロソフト クラウド&AIソリューション事業本部 インテリジェントクラウド統括本部 Azure第四営業本部長の安冨秀隆氏

 「Azure Arcにはインフラを管理することに特化した機能と、Azureのサービスをオンプレミスや他クラウドに持ち込む、あるいは延伸するための機能があります。インフラ管理機能では、Azureが提供する監視やログ、ポリシー、セキュリティ、インベントリ管理などもオンプレミスで利用できます。一方、サービスの延伸機能ではAzureの機械学習やIoT、ログ分析などの機能をオンプレミスなどで利用できます」(安冨氏)

 オンプレミス側の選択肢であるAzure Stack HCIにAzure Arcを組み合わせることで、Azureによるオブザーバビリティ、基盤の最適化、ハイブリッドクラウドのOPEX化などが可能だという。その上で新たに提供するのが、Dell APEX Cloud Platform for Microsoft Azureとなる。

Dell APEX Cloud Platform for Microsoft Azureの概要(提供:日本マイクロソフト)

 「オンプレミスからクラウド、クラウドからオンプレミスの両方で、細かな管理が実現できるようになります。デプロイの自動化やライフサイクル管理にも対応していきます」(安冨氏)

マルチクラウドでクラウドネイティブを実現、Red Hatの取り組み

 Kubernetesをベースとしたコンテナプラットフォーム「Red Hat OpenShift」を展開するRed Hatは、デルとの協業で新たに「Dell APEX Cloud Platform for Red Hat OpenShift」を提供する。レッドハット テクニカルセールス本部 ソリューションアーキテクトの平田千浩氏はまず、マルチクラウドの実情について、こう話す。

レッドハット テクニカルセールス本部 ソリューションアーキテクト 平田千浩氏

 「市場ではマルチクラウドのメリットが語られますが、実際には課題に直面している企業が多いです。例えば、クラウドごとに実装とサポート、動作プラットフォーム、コストが異なる、動的回復には複雑な設計が必要、などです。そこでRed Hatが提唱しているのが、クラウド/オンプレミスを問わず一貫したクラウドネイティブ体験を提供するオープンハイブリッドクラウドです。オープンソースを活用し、標準技術で開発、運用体験を最適化し、クラウドロックインの回避を目指します」(平田氏)

 デルと共同で展開するDell APEX Cloud Platform for Red Hat OpenShiftについてはこう説明する。

 「デルのサービスとセットでアプライアンスとして提供する、初のターンキーソリューションです。ストレージにはDell SDSを採用し、ワークロードを動かす場所を柔軟に選択できる、まさに、Red Hatが提唱するオープンハイブリッドクラウドを実現したソリューションの一つです」(平田氏)

Dell APEX Cloud Platform for Red Hat OpenShiftの概要(提供:レッドハット)

 平田氏はメリットとして「短期間での構築/導入」「ロケーションによらないクラウドネイティブ環境の実現」「顧客のアップグレード計画に寄り添ったデルの支援」「ハードウェアとOpenShiftのサポート窓口のデルへの一本化」「アプリケーションとデータをロケーション間で共有できるオープンハイブリッドクラウドの実現」を挙げ、デルとの取り組みに非常に期待していると話した。

「マルチクラウド時代におけるITインフラの進むべき道」を議論

 セミナー最後のパネルディスカッションには、講演を行った4社のエキスパートに加え、デル・テクノロジーズ ストレージプラットフォームソリューション事業本部 ディレクターの森山輝彦氏が参加。来場者から寄せられた「ハイブリッド、マルチクラウドをどう定義しているか」「コンテナ活用の阻害要因は何か」「各社の協業による今後の展望」などの質問に答えた。

 その上で森山氏は、マルチクラウド時代におけるITインフラの進むべき道について「3つのポイントがあります。1つ目はガバナンス&セキュリティの担保、2つ目は個別最適化と全体最適化のバランス、3つ目は企業を超えたパートナーシップです。お客さま、ベンダー、パートナー、さまざまな企業がお互いに議論し、信頼できる相手とともに、最適解を見つけていくことが求められます」と締めくくった。


インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー・ファミリー搭載 Dell VxRailがもたらすメリット

 デル・テクノロジーズとVMwareが共同で設計し、あらゆるコンポーネントの最適化と検証を経て出荷されるDell VxRailは、DXを実現する次世代ITインフラに新たなユーザ体験をもたらします。

 データセンターのモダナイゼーションを促進する、ハイブリッドクラウドを導入する、あるいは開発者向けKubernetesプラットフォームを構築するなどの幅広い用途において、Dell VxRailが提供するターンキーエクスペリエンスで、継続的なイノベーションが可能になります。

 Dell VxRailは、極めて高いパフォーマンスと総保有コスト低減のメリットをもたらすインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー・ファミリーを搭載。クラウド、5Gエッジ・コンピューティング、人工知能を活用したデータ中心型コンピューティングの新たな時代における多種多様なデータセンター・ワークロードのニーズに対応します。

ALT

Amazonギフトカード3000円分が当たる!アンケート実施中

「現在のクラウド利用における課題」に関するアンケートを実施中です。
アンケートにご回答いただいた方の中から、抽選で10名様にAmazonギフトカード3000円分をプレゼントいたします。「アンケートはこちら」ボタンから、ぜひご回答ください。

※賞品(Amazonギフトカード)の発送をもって発表にかえさせていただきます。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:デル・テクノロジーズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2024年2月20日

Amazonギフトカード3000円分が当たる!

「現在のクラウド利用における課題」に関するアンケートを実施中です。アンケートにご回答いただいた方の中から、抽選で10名様にAmazonギフトカード3000円分をプレゼントいたします。

関連リンク

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。