NECソリューションイノベータはSAPに関連する人材を集約する形で、2020年にSAPソリューション事業部を立ち上げた。SAP事業のキーパーソンに仕事の醍醐味や同社ならではの教育制度などを伺った。
国内トップクラス、1万人を超えるエンジニアを抱えるNECソリューションイノベータは、中期計画でSAP事業の拡大を打ち出し、SAPソリューション事業部(現:エンタープライズアプリケーション事業部)を発足。今まではNECグループとして大手の製造業や流通業など、NECグループの顧客を中心に取引していたが、中堅、中小企業をターゲットとしたビジネスを拡大し、SAPビジネスにおける存在感を急速に増しつつある。
NECグループでは、同じくグループ企業であるアビームコンサルティングが大規模案件の提案を、NECソリューションイノベータが中、小規模の案件を、とすみ分けを図っており、マーケットニーズに応える形でクラウド対応を進めるSAP社の戦略に追随している。
営業、提案活動を強化する直近の取り組みについて、エンタープライズアプリケーション事業部 シニアマネジャーの川上明氏は「SAPというとかつては大手企業向けのパッケージというイメージがありましたが、SaaS型の『SAP S/4HANA Cloud』の登場などによってハードルが下がり、中堅中小企業での導入が一気に進んでいます。当社も導入しやすいメソッドを作り込むなどして、日本で特に多い製造業の顧客獲得を目指しています」と語る。
SAPビジネスの拡大に合わせ、発足当初の約50人から150人を超える規模になったエンタープライズアプリケーション事業部だが、SAPエンジニアとしてNECソリューションイノベータで働く魅力や醍醐味(だいごみ)は何だろうか。
「最近は、SAPを導入して終わりではなく、基幹システムのデータを活用してDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進したり、AI(人工知能)と連携させたりといったことに関心が移りつつあるように感じます」と語るのは、エンタープライズアプリケーション事業部 プロフェッショナルの山田基博氏だ。
NECグループはデータサイエンティストなどプロフェッショナル人材が豊富で、こうした人材とうまく連携することで、時代のニーズに対応する思考や技術に触れられる。
グループ企業のシナジーという点では、前出のアビームコンサルティングとの人材交流も魅力だ。アビームコンサルティングの大型プロジェクトにNECソリューションイノベータのメンバーが参加することで、コンサルティングファームが得意とする上流の進め方など高度なスキルやノウハウを習得できる。
実際のところ、基幹システムとしてSAPを導入するだけならば、どこの会社に依頼しても大差なく、差別化は難しい。だがNECソリューションイノベータでは、SAPの導入、開発にとどまらず、他システム連携による入力の自動化などで現場の使いやすさやデータ活用を追求し、基幹システムを核とした社内システム全体を最適化する方向で付加価値を高めている。
全国津々浦々に広がる顧客ネットワークの他、強力な営業組織、豊富で多彩な人材アセットなどNECグループならではの強みがあり、その一員となることはエンジニアにとって“安心”や“将来性”につながるだろう。これに“実装力”を強みとするNECソリューションイノベータならではの手厚い人材育成、教育が加わるとなればなおさらだ。
山田氏は「個人のパフォーマンスで評価され、スキルアップやステップアップは個人まかせとなる外資系企業と違い、組織としてしっかりサポートして人材を育成するのが当社の文化です。アビームコンサルティングとの人材交流では、約20人のエンジニアがプロジェクトに参加していますが、毎月面談を行い、プロジェクトの状況確認だけでなくおのおのの将来像に向けた若手の育成を進めています」と教育体制を語る。
その人材交流は、エンジニアの資質や指向を見定める機会にもなっている。顧客の課題をどのように解決するのか、ロジカルに提案、説得していくことを好む人は上流のコンサルティング向きでは……といった判断ができるのは、マネジメント側はもちろんエンジニア自身にとっても有意義で貴重と思われる。
ここまでの内容でNECソリューションイノベータに興味を持った読者のために、同社におけるエンジニアのキャリアステップを簡単に紹介しておく。同社は現在約1万3000人の従業員を抱えているが、一部管理部門や営業マーケティング部門のスタッフを除いて、そのほとんどは技術職だ。
NECソリューションイノベータでは、エンジニアとして入社した後、担当〜主任〜プロフェッショナルへと職級が上がっていく。そして、次の職級へというところで、専門職キャリアと組織長キャリアの2つに分岐する。
前者の場合はシニアプロフェッショナルになり、以降、技術職のまま役員クラスまで進むことができる。後者の場合はシニアマネジャーになり、部門運営や事業戦略などライン業務に携わることになる。なお、いったんどちらかに進んだ後も、専門職キャリアから組織長キャリアへ、あるいはその逆にチェンジするパスも用意されている。
特筆すべきは、スペシャリストとして部長職相当以上の技術職をしっかり評価する「高度専門職制度」が用意されている点だ。管理者にならないと出世できない……といったことは一切なく、高い技術力で利益を生み出し企業に貢献することでエンジニアとしての成長とキャリアアップがリンクし続ける、同社ならではの制度だ。
この制度の良さについて、川上氏は「プロジェクトの規模に応じて、プロジェクトマネジャーに求められるスキルも変わってきます。超大型プロジェクトでトラブルをうまく収めてゴールへ導くとなると、やはり部長級の技術者の存在が欠かせません。若いエンジニアにとって、高いスキルや豊富な経験を有する高度専門職と一緒のプロジェクトに参加できるのは、大変貴重な経験になるはずです」と語る。NECソリューションイノベータの高度専門職は、2023年2月現在381人を数え、その中には役員も含まれる。
会社全体で人への投資に力を入れるNECソリューションイノベータだが、エンタープライズアプリケーション事業部は、2019年にSAPエンジニアに関するキャリアパスを新たに設け、教育プログラムも用意した。
SAP未経験者も念頭に、SAPの基本を講義形式で学ぶ約1カ月間のプログラムに始まり、約6カ月間のOJT(On the Job Training)プログラムを経て、独自に定めた評価指標に基づき、「ジュニアコンサルタント」に認定して終了する。この新しいキャリアパスは目標が明確に示され、それに対する達成度が見える化されている点において、若手エンジニアから好評だという。ちなみにこのキャリアパスは、業績評価基準ともリンクしており、公平かつ客観的な人事評価にも役立っている。
最後にお二人に、「NECソリューションイノベータで活躍できるエンジニア像」を伺った。
「一番大事なのはマインドだと思います。最近はお客さまの関心が、DXを進める上でのデータ活用やAI連携といったところに移っていて、われわれもSAPビジネスを通じてそうしたニーズにも対応していく必要があります。新たなテーマに興味を持ってチャレンジする人、それを楽しみながらできる人ならきっと活躍できると思います。当社はこれから伸びそうな新しい分野には重点的に投資しているので、“チャレンジしがいがある、活躍の場が必ず見つかる”職場だと思います」(山田氏)
「当社で活躍しているのは、ずばり“自ら考え、自ら行動できる人”です。若い人はさまざまな知識があり、効率良くできることをたくさん知っていますので、どんどん新しいアイデアを持ち込んでほしいと思います。全体で競争力を高めていくにはそれしかないと思うので。そして、現在劣悪な労働環境を強いられている人には、『人生をすり減らすのはもうやめてウチに来てください』と声を大にして言いたいですね。エンジニアを大事にするという点で、当社はどこにも負けないと思うので」(川上氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
提供:NECソリューションイノベータ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2024年3月29日