SIerのネットワークエンジニアを成長させる「頼りになる技術者集団」の正体とは深刻なネットワークエンジニア不足をどう解決する?

システムインテグレーターの間で、ネットワークエンジニア不足が常態化し、育成が大きな課題になっている。だが幸い、エンジニアの成長につながるサポートサービスを提供している技術者集団がいる。その活動内容を主要メンバーに聞いた。

» 2024年03月26日 10時00分 公開
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 企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みが加速している。それに伴い、新たな技術を採用し、ITインフラを刷新しようとする動きも活発化している。一方、そうした企業の取り組みを支える立場のシステムインテグレーター(SIer)は、大きな悩みを抱えている。それは人材、特にネットワークに詳しいエンジニアが不足していることだ。

 そもそも優秀な技術者の採用は年々難しくなっている。それに加え、教育や育成にかける時間もコストも足りていない状況だ。結果として、SI(システムインテグレーション)ビジネスに影響を与えるケースも増えてきているという。ディストリビューターとしてさまざまなパートナー企業をサポートしているネットワンパートナーズ(以下、NOP)の林 利樹氏(セールスエンジニアリング部)はこう話す。

画像 NOPの林 利樹氏

 「人材確保や教育の課題は、特にネットワーク分野で深刻だと感じています。ネットワーク機器の操作は専門性が高く、同じスイッチ製品でもメーカーごとに独自の仕様があります。そうした部分もカバーしなければならないため、ネットワークエンジニアの育成コストは高くなりがちです」

 こうした悩みを抱えるSIer、つまりパートナー企業に人気を博しているサービスがある。Cisco Systems(以下、シスコ)をはじめとしたネットワーク製品について、パートナー企業向けの技術サポートをQA(質問、応答)形式で提供する「TechDesk」だ。

 「TechDeskは、システムエンジニア(SE)からの技術的な質問をメールや専用サイトのフォームで受け付け、回答するエンジニアサポートサービスです。例えば、『ドキュメントの通りに設定したが、うまく動かない』といった質問に対して、ログの取得方法や問題の特定方法などを含め、解決の手助けをします」(林氏)

 TechDeskが注目される理由は何か。林氏をはじめとする、3人のテクニカルリードに詳しく話を聞いた。

豊富な業界経験を持つスペシャリストが集結

 TechDeskが提供するのは、シスコをはじめとするマルチベンダーの製品に関するナレッジ(技術ナレッジ)と、豊富な経験を持つエンジニアのノウハウだ。

 NOPは、過去の問い合わせ内容をデータベースに集約しており、蓄積された技術ナレッジは4万件を超えるという。さらに、独自に実施している製品検証レポートなども多数保持し、公開している。もし、そこでは解決できない問題があっても、NOPの専任エンジニアチームが質問を受け付け、対応する体制を取っている。

 専任エンジニアチームは、おのおのが得意分野を持つスペシャリスト集団だ。チームを統括するテクニカルリーダーである小林里菜氏(セールスエンジニアリング部)は、セキュリティを得意分野としている。

画像 NOPの小林里菜氏

 「経歴としては、シスコのセキュリティ製品の担当SEを6年間経験し、産休、育休を経て、2024年からTechDeskに配属となりました。これまで数多くの製品について、情報収集や検証・評価、パートナー向け勉強会やトレーニングを実施してきました。メーカーからの非公開情報やサポート情報の素早い展開、トレーニングで培った資料作成や説明のノウハウを強みとして、セキュリティ製品に関する相談に乗っています」(小林氏)

 同じくテクニカルリーダーの小堀泰樹氏(セールスエンジニアリング部)は、ルーターやスイッチを専門としている。また、ネットワンシステムズでエンドユーザー担当のSEとして長年活躍してきた実績もある。

 「ルーターやスイッチをお客さまに納入し、設計、動作確認などをする現場担当SEを15年、経験しました。NOPに移ってからは約3年間、SEとして業務をこなした後、TechDeskに配属されました。TechDeskでは主にルーターとスイッチを担当しています。私の強みは、窓口(フロント)としてトラブル解決に当たった多くの経験があり、“現場の痛み”を知っていることです。パートナー企業と同じ目線でサポートすることを心掛けています」(小堀氏)

 林氏も、パートナー企業専任のセールスエンジニアとして、さまざまな業種、業態の企業と多様な製品を担当してきた経験がある。

 「サービスプロバイダー、教育、エンタープライズ、物流・倉庫、金融などさまざまなセクションのお客さまのシステム構築をサポートしてきました。一口にネットワークといっても、企業や業種ごとに異なる知識やノウハウが求められます。例えば、金融なら『パケットのドロップが許されない』、教育なら『GIGAスクールでWi-Fiなどのネットワーク構成が重要』などです。幅広い分野での経験を自分の強みにしてお客さまをサポートしています」(林氏)

パートナー企業が置かれた状況を推測し、相手の目線に立ったサポートを

画像 NOPの小堀泰樹氏

 NOPはディストリビューターであるため、製品の特性や内部仕様などに精通している必要がある。当然、TechDeskのメンバーにも非常に高い技術スキルが要求される。しかし、それだけで“エンジニアが欲しい答え”を返すことは難しい。QAといっても、質問に対して「YesかNoか」で答えるだけで済むことはほとんどない。質問に至るまでの背景をヒアリングしながら、解決策をガイドする必要がある。

 TechDeskに携わるエンジニアの特徴として、製品の特性や顧客からの質問内容を基に、構成や設計を推測して調査する能力の高さが挙げられる。

 「NOPは、パートナー企業のお客さま(以下、エンドユーザー)の設計や構成の情報を直接知ることはできません。そのため、情報を整理して推測する必要があります。例えば、『Aという事象が起きたということは判断のためにBのログが必要』『Bのログがこう出ているときはCという事象が起きている』といったように時系列に沿って情報を整理しながら、NOPが持っている情報とパートナー企業から伝え知ったエンドユーザーの状況を突き合わせて判断しなければなりません」(小林氏)

 サポートの仕方も工夫している。林氏は「パートナー企業の事情を踏まえ、その立場に立ったサポートを心掛けている」と語る。

 「最初の質問だけで解決まで持っていければいいのですが、多くの場合、追加でログを取得してもらうなどやりとりが発生します。しかし、パートナー企業の場合、ログ取得一つとってもさまざまな事前作業が必要になります。例えば、エンドユーザーに対して事情を説明する、ログを取る許可をもらう、データセンターへの入館、ログの持ち出し申請をするなどです。そうした、メールのやりとりだけでは見えない作業までを意識し、相手の立場に立ったサポートを提供しています」(林氏)

 一方、エンドユーザーがトラブルの内容を誤解していたり、パートナー企業が冷静に判断できない状況になっていたりすることもある。例えば、パートナー企業が顧客から、特定の不具合(もしくはバグ)について「このバグを“徹底的に”修正してほしい」と強く要求されていたら、どうにかして今すぐ対応しようとするだろう。

 「しかし、そのバグがマイナーなもので修正の見通しが立たないなら、時間をかけて修正するのではなく、別の選択肢を探すべきです。もちろん業務への影響度や代替策の有無にもよりますが、それぞれのメリットを比較して最適な方法を探すことも必要です。そうした場合、TechDeskは『エンドユーザーを説得する方向で動いてみてはどうでしょうか』とアドバイスをしたり、“別の選択肢”を探すサポートをしたりします」(小堀氏)

 もう1つ、NOPが注意しているのは「メーカーの言い分をうのみにしない」ということだ。

 「われわれが持っているナレッジで解決できない場合は、メーカーにエスカレーションして回答を得ます。ただ、時には、システムが止められない状況なのに『システムを再起動してログを取ってほしい』などと指示されることがあります。メーカーはパートナー企業やエンドユーザーの状況を把握できていませんから、NOPはそうしたギャップを埋める手伝いをします。メーカーやパートナー企業と協議しながら最善の策を探り、提案することを心掛けています」(林氏)

「親身に相談に乗ってくれる良き隣人」を目指す

 このように、スペシャリストならではの知見や経験、相手の目線に立ったサポート、ディストリビューターとしてメーカーとパートナー双方のメリットにつながる協力関係の構築などが、「NOPらしさ」といえる。

 専門チームを組成し、顧客の立場に立った技術サポートを続けることは大きな手間とコストがかかる。それでもNOPがTechDeskを推進するのは、この取り組みがパートナー企業のエンジニアの成長を助け、エンジニア不足の解決につながると考えているからだ。

 「TechDeskは、パートナー企業のエンジニアにとって親身に相談に乗ってくれる良き隣人になることを目指しています。困っているときに寄り添い、助けてくれる存在がいることで、パートナー企業のエンジニアも成長しやすくなります。また、エンジニアが成長することで、エンドユーザーからの信頼も生まれ、それがパートナー企業のビジネスそのものの成長につながっていくと考えています」(林氏)

 TechDeskは、NOPと保守契約を締結しているパートナー企業のSEが利用できる。また、同社のパートナー企業限定サイト「NOP TECH INFO」では、メーカーのドキュメントに記載されていない独自のテクニカルナレッジを参照できる。エンジニアとしての成長を目指す人は、この取り組みを利用してみてはどうだろうか。

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提供:ネットワンパートナーズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2024年4月5日

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