メルマガ、アカウント認証――「ユーザーに届かない問題」にどう対応? 厄介過ぎるメール運用の解決策はもうメール運用に振り回されない

SNSやアプリなど企業とユーザーのタッチポイントは多様化しているが、いまだ基本的な手段としてさまざまなシーンで利用されているのがメールだ。2024年6月からGmailがDKIMとDMARCへの対応を義務化したこともあり、「メールを確実に受信者に届ける」にはより広い知識が求められている。具体的な対応策は?

» 2024年08月09日 10時00分 公開
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利用頻度は高くても、関心は低い「メール配信システム」

 長く使われているが故に「届いて当たり前」と思われがちなメールだが、実は適切に扱うとなるとハードルが高い。メール配信サービスを展開するラクスライトクラウド 企画課の牧野寛知氏はこう話す。

 「マーケティングからサービスのアカウント認証、購入完了時のトランザクションまで、メールはさまざまな用途で使われており、実際にわれわれのサービスで配信するメールの量も増えています。メールは現役で活用されていますが、その配信、運用に関するスキルやノウハウはWebアプリエンジニアがこれから積極的に学びたい領域とは言えず、ギャップが生じているのが現状です」

photo 牧野寛知氏(ラクスライトクラウド 企画課 Product Marketing Manager)

 メールはレガシーな技術ではあるが、メールそのものからドメイン、DNSまで幅広い知識が求められる。ラクスライトクラウドの開発部で部長を務める柏木達仁氏は、「全てをカバーできるインフラエンジニアとなるとごく少数に限られると思います。特にドメインは一度設定するとそのまま長期間利用できるため、変更しようとしても最初に設計したエンジニアが異動や退職で去ってしまうと誰も詳細が分からない、となりがちです」と話す。

ブラックリストやDKIM・DMARC対応などがエンジニアの大きな負担に

 そもそも配信したメールがユーザーに届くまでには、ブラックリストや宛先ドメインごとのポリシー、エラーのハンドリングなどさまざまな障壁がある。メールの仕組み上、「受け取るかどうか」は受信側のサーバに委ねられるため、これらに対応しながら到達率を上げるのは難しい。

 「ブラックリストはさまざまな第三者団体が作成していますが、受信側のキャリアやサービスがどのリストを参照しているかは公開されていません。ブラックリストごとに大まかな基準はあるものの、ユーザーからのスパム報告などに基づくところもあり、メールを配信する企業側ではコントロールできません」(牧野氏)

 メール配信について最近話題となったのが、「Gmail」におけるメール送信者ガイドラインのアップデートだ。Gmailアカウントに対して1日当たり5000件以上のメールを送信する場合は、「DKIM」と「DMARC」の認証が必須とされ、対応が急務となった。柏木氏は今回のアップデートについて「スパムメール対策において曖昧さが残っていた領域で、明確に線引きされるようになりました」と指摘し、こう続ける。

 「これらの要件に対応するには幅広い知識が必要ですが、Webアプリエンジニアにとっては強みとなりにくい分野でもあります。自社で対応するとしても、インフラ担当との調整が必要で負担が大きい部分です」

 インフラエンジニアにとってもこの問題は厄介だ。受信側のポリシーが厳格化され、DKIM証明などの処理を追加した結果、サーバのスペックが不足して送信メールが滞留してしまうケースも見られる。「メールは届くものだと思っている事業サイドと認識のギャップは大きく、キャンペーン開始時間までに案内メールが届かなかったなどのトラブルになりかねません。メールサーバを増強しようにも効果を説明しづらく、予算が取れないと悩む企業もあるようです」(柏木氏)

厄介過ぎるエラーハンドリング

 さらに運用を複雑化しているのが、受信側メールサーバから送られてくるエラーの扱いだ。一般的にWebアプリでは「404」は「Not Found(該当するページが存在しない)」のように詳細が定められているが、メールサーバでは統一されていない。

 「例えば『宛先のユーザーがいません』というエラー一つとっても、コードもメッセージで使われている単語も異なります。大きく400番台は一時的なエラー、500番台は恒久的なエラーとされていますが、エラーを分類するだけでもかなりの負担になります」(柏木氏)

photo 柏木達仁氏(ラクスライトクラウド 開発部 部長)

 Webアプリ側では、メールサーバに送信の指示を出して処理を終えてしまいがちだ。メールサーバ側でも送信に失敗してリトライし、それでも失敗したらそのまま処理を終了、となりかねない。ログを詳細に見ない限り、メールが届いていないこと自体に気付いていない――といったケースが発生することも考えられる。

メール配信は専門サービスを使う、という選択

 こういった課題の解決策となるのが、ラクスライトクラウドが提供する高速メール配信エンジン「blastengine」(ブラストエンジン)だ。SaaSで提供され、短期間で簡単に利用を開始できることが特長だ。ブラックリストへの対処や宛先ドメインごとのポリシー、エラーハンドリングといった細かな運用を全て任せることができ、メール到達率は99%を超える。

 「ラクスライトクラウドで扱うメールは、年間100億通に上ります。われわれ自身がこれだけのメールを扱うからこそ得られるノウハウを基に、blastengineでは宛先ごとに細かなチューニングも可能です」(牧野氏)。例えば、「大量にメールを送信した際にエラーにならないかどうか」などを確認し、「宛先ドメインごとに1分間に何通まで」のようなチューニングを行える。GoogleやYahoo! JAPANの他、国内プロバイダー、携帯キャリアなど事業者ごとに「このケースではこう送信する/しない」と細かな制御ができるという。

photo blastengineの導入イメージ(ラクスライトクラウド提供資料より)

 「これらの制御は全て自分たちで作り込んでいます。ロジックを理解した上で調整できることが強みで、メール配信状況を常に確認しながらチューニングを繰り返しています。エラーハンドリングに関しては『400番台は再送する』『500番台は再送しない』といった画一的な対応にとどまる類似サービスもありますが、500番台にもリトライすれば届くケースもあります。blastengineでは極力、到達率を上げられるようにエラーごとに細かく対応しています」(牧野氏)

短期間で簡単に利用できる。コスト削減/運用負荷軽減効果への期待も

 blastengineの導入は、メールをシステムに組み込むWebアプリエンジニアと、配信用インフラを構築し、配信を運用管理するインフラエンジニアの双方にメリットがある。

 Webアプリエンジニアにとってのメリットは何といっても、利用のしやすさ。Webサイトから申し込んで10分ほどで利用開始できるというスピード感はクラウドサービスならではだ。システム側に組み込んでメールを配信する仕組みになっており、SMTPとAPI連携に対応するためSMTPならリレー先を変えるだけで導入が完了する。APIに関しても「Python」「PHP」「Java」「Ruby」「JavaScript」(Node.js)など主要プログラミング言語のSDKが用意されており、Webアプリエンジニアでもスムーズに導入できる。

 さらに、登録完了などのトランザクションの一部として配信したり、サービスログイン時のアカウント認証を確認したりするメールと、メルマガなど一斉配信するメールでは異なるAPIが用意されている。「メルマガの配信完了までに30分かかったとして、それがクレームなどのトラブルに発展することはまずありません。しかしトランザクションや認証のメールはすぐに配信されなければ、ユーザー体験が損なわれるなど支障が出ます。APIを使い分けることで目的に合った仕組みを実装できることもblastengineの魅力です」(柏木氏)

 blastengineはインフラエンジニアにとっても構築、運用しやすいのがメリットだ。「小さくスタートできて、スケールできるのもクラウドサービスのメリットです。また、オンプレミスでは最大値に合わせてサイジングする必要がありますが、キャンペーン時のみ大量配信するといったケースでも従量課金でコストを抑えて利用できます。高速配信も可能で、メールの滞留はほとんど発生しません」(牧野氏)

 何より、24時間365日のメールサーバ運用から解放されるメリットは大きい。気付かないうちにブラックリストに載ってメールが届かなくなっていた、といったリスクも抑制でき、心理的な負担を含めインフラエンジニアの負荷軽減につながる。

1年で導入企業が2倍に。利用が広がるblastengine

 blastengineはこの1年で利用企業数が2倍と急成長を遂げ、配信メール数も前年同月比10倍以上の伸びが続いている。

 ある企業では、防災システムのメール配信にblastengineを採用している。災害発生時に情報発信するため、シビアな到達率、即時性が求められる領域だが、以前利用していたメール配信の仕組みは国内携帯キャリアが考慮されておらず、送信制限などのトラブルが発生していた。blastengineによって国内キャリア含めて到達率が大きく改善し、トラブル対応の手間を大幅に削減できたという。

 コンシューマー向けの1000万通規模でメール配信を行う企業では、到達率が大きな問題となっていた。特にネックだったのがエラーハンドリングだ。担当者2人で対応していたが、工数が膨らみ限界を迎えつつあったため、blastengineを導入した。移行後は、エラーハンドリングの工数がほぼゼロになっている。

充実したサポートで、メール配信をビジネスで活用する企業に寄り添っていく

 メール配信に関する状況は日々変化し続けている。昨日まで送信できていても、今日は変わるかもしれない。この状況に追随し続けるのは、かなりの難易度と言えるだろう。

 「自社で工数をかけている場合、改善の余地があるケースが多いと思います。当社には大量のメールを扱っているからこそのノウハウがありますし、クラウドサービスはこういった工数を一気に圧縮するために有効であり、そこにわれわれの価値があると考えています。blastengineは既存システムへの影響が少なく、試しに使ってみることも簡単です。まずは気軽にご相談いただければと思います」(牧野氏)

 blastengineは充実したカスタマーサポートも強みであり、電話やメール、オンライン会議で専任スタッフが対応する。サービスに関する質問だけでなく、DKIMやDMARCの設定なども支援する。柏木氏は「メールをユーザーに届けるために必要なことに徹底して寄り添っていく」と話し、最後にこう結んだ。

 「正直なところ、エンジニアがこれからメールについて学ぶというのはなかなか難しいのではないでしょうか。餅は餅屋に任せることで、自社事業に貢献する領域に注力できるようになります。サービスからサポートまで含めて、うまくわれわれのサービスを使ってもらえればと思います」

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提供:株式会社ラクスライトクラウド
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2024年9月3日

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