「SSDは高い」はもう古い? 可用性と運用効率化を確保するストレージの新常識とは需要が伸びるオールフラッシュアレイ

SSDには「値段が高い」「書き換え回数に制限がある」などのイメージがエンタープライズストレージの分野では残っているが、技術革新と市場の成熟によってこれらの課題は解消されてきた。近年のオールフラッシュストレージ製品は、“第一の選択肢”に挙がる存在になったのか。

» 2024年08月13日 10時00分 公開
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SSDの導入ハードルが低くなり、オールフラッシュストレージへの期待が高まる

 基幹システムを支えるストレージ基盤で採用される記録媒体は、HDDが長らく主役の座を占めてきた。高いI/O(データの入出力)性能を持つSSDは高速なデータアクセスが必要な用途に採用されることはあっても、HDDの需要を完全に置き換えるまでには至らなかった。

篠崎達也氏 篠崎達也氏

 しかし近ごろは、SSDのみで構成するストレージアレイであるオールフラッシュストレージが、より広い用途で使われるようになってきた。エフサステクノロジーズの篠崎達也氏(コアプロダクト事業本部 コネクトインフラストラクチャ事業部)は、その背景には技術革新や価格低下によってSSD導入のハードルがかなり低くなってきたことがあると話す。

 「HDDと比べて高価なイメージが強かったSSDですが、近年は価格がかなりこなれてきました。書き込み量の制約を懸念する声もかつては多かったのですが、技術進化によって書き込み耐性が上がり、システム側の書き込み処理に工夫を凝らすことで、寿命が大きく延びました。容量面においても、現在では大容量のSSDが提供されていますから、これまで企業がSSDの導入をためらっていた理由の大半が解消されつつあります」

 SSDは、HDDと比べてI/O処理が高速なため、HDDで構成されたストレージをオールフラッシュストレージ製品に入れ替えるだけでかなりのスループット向上が期待できる。耐久性の面でも、SSDにはHDDの磁気ヘッドやプラッタのようなメカニカル機構がないため、機械的な故障が発生する確率が大幅に低下するというメリットがある。

 SSDはスループット確保のためにドライブ搭載本数を増やす必要がなく、設置スペースも節約できる。消費電力もHDDより低く抑えられる。「当社はエネルギー消費の最適化、炭素排出量の削減、データ効率化に注力したいお客さまを支援し、サステナビリティに貢献します」(篠崎氏)

 これらのメリットを、かつてよりも低価格で享受できるようになったことで、オールフラッシュストレージの導入は今後ますます加速するとの市場予測もある。

 「調査会社IDCが2024年に公開した資料『IDC Quarterly Enterprise Storage Systems Tracker 2024Q1』には、HDDとSSDを混在させたハイブリッドストレージの売り上げが横ばいなのに対して、オールフラッシュストレージの売り上げは今後も伸び続けるという予測が出ています。当社のお客さまの中にも、これまでHDDベースのストレージシステムを利用していた用途に対して、オールフラッシュストレージの適用を検討するケースが増えてきました」(篠崎氏)

図1 図1 IDCによるエンタープライズストレージシステム アレイタイプ別市場予測(出典:IDC Quarterly Enterprise Storage Systems Tracker 2024Q1。承認番号:IDCJ-24-00255)《クリックで拡大》

SSDの強みを最大限生かす高機能なストレージ「ETERNUS AX series」

 @ITが2024年4月に公開した「@IT読者意識調査 2024年4月『クラウド編』」では、ストレージ環境において導入している機能やサービスとして「RAID対応などのストレージの二重化/冗長化」「クラウドストレージサービス」「データの暗号化」「マルウェア侵入検知・防止」が上位を占めた。エンタープライズITにおけるクラウドサービスの普及や、サイバー脅威の増大といった環境の変化を受けて、ストレージ製品に対してもそれに対処する機能が求められていることがうかがえる。

 エンタープライズストレージに求められるこれらの要件を備えた製品の一つとして挙げられるのが、エフサステクノロジーズが提供するオールフラッシュストレージ製品「ETERNUS AX series」だ。

 この製品は「高性能」「省エネ」「省スペース」「低故障率」といったSSDの強みを併せ持っている。高いI/O性能を生かすことで、大容量のデータを高速に処理する必要があるAI(人工知能)システムやVDI(仮想デスクトップインフラストラクチャ)などの用途でその強みを存分に発揮できる。

 ETERNUS AX seriesは、豊富な機能を備えることで知られるストレージ専用OS「ONTAP」を搭載しており、運用面でさまざまなメリットを享受できる。独自の重複排除機能とデータ圧縮機能などは特に定評があり、容量を大幅に節減できる。

 「実際の削減率はワークロードによってかなり異なるのですが、場合によっては容量を7分の1程度まで削減することが可能です。この機能を活用してドライブ容量を節約すると、導入コストを低く抑えられます。一般的に重複排除処理はI/O性能に悪影響を及ぼすとされていますが、ONTAPではこれを極めて低く抑えています」(篠崎氏)

 「MetroCluster」「SnapMirror」という遠隔レプリケーション機能も備えており、これらを活用すると災害対策(DR)サイトを容易に構築できる。セキュリティやクラウド需要に関連する機能も備えている。セキュリティ面では、ストレージに対する不正アクセスを防ぐための二重認証の仕組みや、ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)によるデータの暗号化や改ざんなどを防止するWORM(Write Once Read Many)機能を備える。

 クラウドストレージとのシームレスな連携を実現する機能としては、「Cloud Volumes ONTAP」(CVO)を搭載している。ONTAPのユーザーインタフェースを通じて、オンプレミスのストレージ領域だけでなく、クラウドのストレージ領域も一元管理できる。「この機能を活用することで、データの重要度やアクセス頻度に応じてオンプレミスとクラウドを動的に使い分けるような柔軟なストレージ運用が可能になります」(篠崎氏)

ミッションクリティカルシステムの高可用性要件に応える“ASA”(All SAN Array)

 エフサステクノロジーズはETERNUS AX seriesを、SAN(Storage Area Network)とNAS(Network Attached Storage)の両方の用途で利用できるユニファイドストレージとして提供している。一方、「ETERNUS AX series ASA」はSAN用途に特化した製品だ。

 SANは一般的に、基幹システムのデータベースを支えるストレージ基盤で利用される。ETERNUS AX series ASAもその例に漏れず、ミッションクリティカルな用途に十分耐え得る高可用性を確保する機能を持つ。

 具体的には、コントローラーを二重化した上で「アクティブ・アクティブ」のクラスタ構成を組むことができ、万が一コントローラーに障害が発生しても瞬時にフェイルオーバーさせて稼働を継続させることができる。これはユニファイドストレージのETERNUS AX seriesには搭載されていない、ETERNUS AX series ASAのみが備える機能だ。

 「故障時のフェイルオーバーはわずか数秒で完了します。その間にホストの処理には一切影響を与えません。このような高いレベルの可用性をOSの標準機能として備えることで、ETERNUS AX series ASAは24時間365日止まってはいけないシステムの安定稼働を支えることができます。当社Webサイトでは、ETERNUS AX series ASAのラインアップや仕様、お勧めの理由などをまとめたホワイトペーパーを用意していますので、併せてご覧ください」(篠崎氏)

図2 図2 高可用性を確保するETERNUS AX series ASA専用の仕組み(提供:エフサステクノロジーズ)《クリックで拡大》

大容量、低価格なオールフラッシュストレージのニーズに応える新製品

 エフサステクノロジーズは2024年4月、大容量で低価格なオールフラッシュストレージ「ETERNUS AC series」を新しくリリースした。従来のETERNUS AX seriesと同じONTAPを搭載し、豊富な機能を有しているので、さまざまな要件に対応できる製品だ。ユニファイドストレージに加えて、SAN専用ストレージ「ETERNUS AC series ASA」の2つのラインアップをそろえる。

写真1 写真1 ETERNUS AC series(提供:エフサステクノロジーズ)《クリックで拡大》

 ETERNUS AX seriesとの違いは、搭載するSSDの種類にある。ETERNUS AX seriesはTLC(トリプルレベルセル)のSSDを搭載するが、ETERNUS AC seriesはQLC(クアッドレベルセル)のSSDを全面的に採用している。QLCはTLCと比べて1つのセルにより多くの情報を格納できるため、大容量の記憶域を安価に実現できる半面、TLCよりも若干I/O性能が劣るが、HDDと比べると格段に高速だ。

 つまりETERNUS AC seriesは、大容量のストレージを安く手に入れたいというニーズに適している。例えば、

  • 今までHDDを使っていたストレージをSSDに置き換えたい
  • 複数のストレージを1つにまとめたい

という場合に適した製品といえる。

 「ETERNUS AC seriesは、これまでコスト要因でHDDを選択していたユーザーが、大容量で低価格なオールフラッシュストレージに移行できる、魅力的な選択肢になると考えています。可用性に優れたETERNUS AC series ASAと併せて、ぜひご検討いただきたいです」(篠崎氏)

 この他にもETERNUSブランドは、SSDとHDDを搭載できるONTAPベースのハイブリッドストレージ「ETERNUS HX series」、機能を絞り込んだストレージOSを搭載して費用対効果を高めたオールフラッシュストレージ「ETERNUS AB series」とハイブリッドストレージ「ETERNUS HB series」を取りそろえている。エフサステクノロジーズは、幅広いストレージ製品ラインアップの提供を通じて、顧客の多様なニーズに柔軟に応える構えだ。

 「製品の開発や製造はもちろんのこと、販売から保守まで一貫して担えるトータルプロバイダーとしての強みを生かし、DX(デジタルトランスフォーメーション)を支援していきたいと考えています。お客さまからいただいた声をいち早く製品にフィードバックしながら、今後も高品質な製品を提供していきます」(篠崎氏)

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提供:エフサステクノロジーズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2024年10月12日

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