WindowsでLinuxをリモート操作(前編):ゼロ円でできるXサーバ(1)(3/3 ページ)
LinuxサーバをWindowsから操作しているというケースは多い。ほとんどの場合はtelnetやsshで十分だが、ときにはGUI(Xクライアント)を使いたい場合もある。そこで、このような用途に最適なVNCを紹介しよう。
VNCをもっと便利に
とりあえずVNCは使えるようになったが、VNCサーバの起動が面倒だし、このご時世にtwmというのも寂しい(ただし速い)。設定を変更して使い勝手を改善しよう。
vncserverの起動と終了を省力化
この設定は必須ではないが、エイリアスを設定すればVNCサーバの起動/終了が多少楽になる。単に、ユーザーの.bashrcに以下の行を追加するだけだ。
alias vncstart='vncserver :1' alias vnckill='vncserver -kill :1'
.bashrcを変更したら、例によってsource .bashrcで反映させる。以後、vncstartとvnckillで起動、終了が可能になる。
GNOMEの起動と日本語入力
twmなら負荷も少なく、操作は快適だが面白みに欠ける。WindowMakerなどのWindow Managerを起動することもできるが、ここではGNOMEを使う方法を紹介しよう(ただし動作速度は低下する)。ついでに、kinput2の設定を行って日本語入力も可能にする。
Window Managerあるいはデスクトップ環境の設定は、ユーザーのホームディレクトリにある./vnc/xstartupで行う。
$ vi ~/.vnc/xstartup
などとしてxstartupを開き、以下のように書き換える。
#!/bin/sh xrdb $HOME/.Xresources LANG=ja_JP.ujis export LANG xsetroot -solid grey kinput2 & exec gnome-session &
これでGNOMEが起動するようになり、日本語入力も可能になる。
ただし、この設定だとLASER5 Linux 6.4では「[あ]」が表示されたところでターミナルが固まってしまう。そこで、これを回避するためにkinput2 &の行を少し書き換える。FreeWnnを使う場合は、
kinput2 -wnn -jserver localhost:1 &
とする。cannaなどの場合も、VNCを使わずに直接LinuxマシンでXを起動し、
$ ps ax | grep kinput2
で表示されたとおりに記述すればよい。
日本語フォントの表示
LASER5 Linux 6.4の場合、特に設定を変更しなくても日本語を表示できるのだが、デスクトップアイコンのキャプションなど、一部のフォントが大きすぎるなどの問題がある。そこでまたもxstartupに若干設定を追加する。
$ vi ~/.vnc/xstartup
でxstartupを開き、
xset +fp /usr/X11R6/lib/X11/fonts/japanese
の1行を追加。以下が最終的なxstartup(LASER5 Linux 6.4版)の内容だ。
#!/bin/sh xrdb $HOME/.Xresources LANG=ja_JP.ujis export LANG xset +fp /usr/X11R6/lib/X11/fonts/japanese xsetroot -solid grey kinput2 -wnn -jserver localhost:1 & exec gnome-session &
以上で、VNCを活用するための最低限の設定は完了だ。しかし、完全ではない。後編では、VNCユーザーを簡単に追加する設定や、inetd経由で自動的にVNCサーバを起動する方法を紹介する予定だ。
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