Cygwin/XFree86最新事情と日本語化ゼロ円でできるXサーバ(5)(1/2 ページ)

Cygwin環境はいまも進化し続けている。多くのパッケージが標準インストーラでインストールできるようになり、日本語化も可能になった。今回は日本語化を中心に、Cygwin環境の構築方法を解説する。(編集局)

» 2003年03月25日 00時00分 公開
[北浦訓行@IT]

 「真ゼロ円でできるXサーバ Windows 2000で動かすXFree86」を書いてから1年7カ月がたち、その間にCygwinの開発もかなり進んでいます。そのため、上記の記事の内容の中にはCygwinの現状と乖離してしまっている部分もあります。

 今回は、当時から変更された点を中心に、CygwinをXサーバとして活用するための設定方法を紹介します。なお、前回は対象OSをWindows 2000としましたが、今回はWindows XPがリリースされてからかなりの時間を経ているので、Windows XPをターゲットにしています()。

注:Windows 2000でも同様の設定で動作すると思われます。


容易になったCygwinのインストール

 Cygwinのインストーラはウィザード形式になっていて、インストールは簡単です。しかも、前回(インストール編)の時点ではXFree86を独自にダウンロード/インストールする必要がありましたが、現在はXFree86までインストール可能なパッケージとしてリストアップされています。そして、XFree86カテゴリにはWindow Makerも含まれているのです()。

注:XFree86カテゴリは、デフォルトではインストールされません。


setup.exeの問題点と解決

 しかし、現在の正式版(バージョン2.249.2.5)を日本語版のWindowsで実行すると、ウィンドウ内のメッセージが一部表示されないという問題があります(画面1)。

画面1 起動直後のsetup.exe。Copyright表示の3行目が表示されていない 画面1 起動直後のsetup.exe。Copyright表示の3行目が表示されていない

 標準的なインストールを行う場合はこれでもよいのですが、ダウンロードサイトを選択する画面では問題になります。

 Cygwinには、Cygwin.com以外にも、独自に開発・改良されたCygwin用のプログラムをダウンロードできるサイトがあります。setup.exeのダウンロードサイトを選択する画面でそのURLを指定すると、インストールするパッケージをGUIで選択でき、インストールも自動的に行われます。Red Hat Linuxなどは、RPMなどのパッケージをダウンロードしてrpmコマンドでインストール作業を行いますが、それに比べると手軽で便利な仕組みです。

 ところが、現在のsetup.exeでは[User URL]のボックスの大部分が表示されないため、入力したURLが正しいかどうかの確認がほとんどできない状態なのです(画面2)。

画面2 [User URL]のボックスが切れてしまい、入力した文字が確認できない 画面2 [User URL]のボックスが切れてしまい、入力した文字が確認できない

 そこで今回は、早田恭彦氏によって日本語化されたsetup.exe(setup-2.249.2.5-jp.exe:http://matsu-www.is.titech.ac.jp/~sohda/cygwin/dist/)を使って紹介します。setup-2.249.2.5-jp.exeは、メッセージが日本語化されているだけでなく、オリジナルのsetup.exeでは中途半端に切れてしまっていたメッセージやボックスがちゃんと表示されるのです(画面3)。

画面3 日本語化されたsetup.exeの画面 画面3 日本語化されたsetup.exeの画面

パッケージの選択とインストール

 インストーラの機能面は、前回(インストール編)で紹介したものとほとんど変わりません。基本的にデフォルトの設定のまま、[次へ >]ボタンをクリックしていけば問題ありません。異なるのは、インストールするパッケージを選択する画面とデフォルトでインストールされるパッケージの構成です(画面4)。

画面4 パッケージ選択画面。デフォルトでは、カテゴリ別の表示になっている 画面4 パッケージ選択画面。デフォルトでは、カテゴリ別の表示になっている

 カテゴリの左端に表示されている「+」をクリックすると、各パッケージの名前やバージョン番号、インストールの有無などが表示されます。また、そのカテゴリに属するパッケージをインストールするかどうかを指定することができます。最初は[Default]になっていますが、その文字部分をクリックすると、「Install」→「Reinstall」→「Uninstall」→「Default」(以下繰り返し)の順にインストールの設定が変わります。

 カテゴリの内容は以下のとおりです(一部のプログラムは複数にカテゴライズされている)。

カテゴリ名 内容 Default
Admin cronやshutdownなどの管理ツール ×
Archive sharやunzip、zipなどのアーカイブツール ×
Base bashやLibraryなどの基本ツール
Database データベース関連ツール ×
Devel gccなどの開発ツール ×
Doc manやCygwinのドキュメント、TeXなど
Editors Emacsやmc、vimなどのエディタ関連 ×
Games ゲーム ×
Graphics ghostscriptやグラフィック関連ライブラリなど ×
Interpreters PerlやPythonなどの言語関連
Libs 各種ライブラリ
Mail メールやニュース関連ツール ×
Math 数値演算関連 ×
Net ApacheやIRCなどのネット関連ツール ×
Publishing TeX関連ツール ×
Shells 各種シェルなど
System システム関連ツール ×
Text groffやTeX関連など
Utils diffやMidnight Commanderなどのユーティリティ
Web Apacheやwget、PHP4などのWeb関連プログラム ×
XFree86 X Window System関連プログラム ×
_PostInstallLast info/dirファイル生成ツール
表1 カテゴリの内容
注:○=すべてインストール、△=一部インストール、×=すべてインストールしない

 何をインストールすればいいかは、Cygwinをどのような目的で使用するかによって異なります。この記事はCygwinをXサーバとして使うことを目的としているので、XFree86は必須です。また、ファイルを編集する必要がありますから、テキストエディタもインストールしたいところです。ハードディスクに空きが十分あるのなら、すべてをインストールしてもいいと思います。筆者は、インストールするファイルを選ぶようなちまちまとした作業が苦手ですので、リストの先頭行の[All]を[Install]にしました。


 インストールしたら、すぐにCygwinを起動できます。以前は環境変数を設定したり、ホームディレクトリや.bashrcなどを作成する必要がありましたが、現在のCygwinは、Xサーバとして使う分にはホームディレクトリの作成や環境変数の設定は必要ないようです(Cygwinのデフォルトで問題ない。Windows XPで確認)。

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