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XPath関数で部分テキストを出力するXMLテクニック集(5)(1/3 ページ)

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XPath関数で部分テキストを出力する

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XPath関数の中から文字列関数を取り上げ、テキストの一部を抜き出すsubstringと文字列を連結するconcatを紹介します。<xsl:value-of>要素と併用して、出力の内容を加工してみます。

カテゴリ XSLT
関連要素 <xsl:attribute-set>
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 XPathと聞くと、XMLとはまったく独立した規格のように思われるかもしれませんが、その実、これまで何度も登場したXSLTとは切っても切れない関係にあります。例えば、<xsl:for-each>や<xsl:template>、<xsl:value-of>などの要素でノードを特定する際に用いていた表現――「books/book」「//chapter」「book/@isbn」――などは、実はXPath式の1つで「ロケーションパス」と呼ばれるものです。ロケーションパスは、その名のとおり、XML文書内のカレントノードから目的のノードまでの道筋(パス)を示す役割を果たします。

 ロケーションパスはXPath式の代表的な表現方式ですが、そのすべてではありません。XPath式は数値や文字列、関数などから構成される、より汎用的な「式」表現なのです。

 ここでは、XSLTの表現力を支援する「XPath関数」について紹介しましょう。XPathにはさまざまな組み込み関数が用意されており、データの加工や演算、ノードの絞り込みなどを行う手段を提供します。

(1)特定の文字列を抜き出すXSLT

 以下は、books.xml(別稿「外部サブセットを利用して、DTDをXML文書から分離する」を参照)の<title>要素を一覧表示するXSLTスタイルシートです。ただし、<title>要素配下の文字列は15bytesまでを表示することにします。

[simple.xsl]
<?xml version="1.0" encoding="Shift_JIS" ?>
<xsl:stylesheet 
 xmlns:xsl="http://www.w3.org/1999/XSL/Transform" version="1.0">
  <xsl:template match="/">
    <html>
    <head>
    <title><xsl:value-of select="books/@name" /></title>
    </head>
    <body>
    <ul type="square">
    <xsl:for-each select="books/book">
      <li>
        <xsl:value-of 
        select="concat(substring(title,0,15),'...')" />
      </li>
    </xsl:for-each>
    </ul>
    </body>
    </html>
  </xsl:template>
</xsl:stylesheet>
タイトル文字(15bytes)と“...”が出力された
タイトル文字(15bytes)と“...”が出力された

 以下の部分に注目してください。

<li>
  <xsl:value-of
   select="concat(substring(title,0,15),'...')" />
</li>

 substring(node,m,n)はXPath関数の1つで、第1引数で指定されたノードの値をm〜n文字まで抜き出します。concat(x,y)も同様にXPath関数の1つで、引数で指定された文字列を連結します。

 このように、XPath関数は<xsl:value-of>要素などと併せて使用することで、出力の内容を加工できるのです。

(2)XPath関数の文字列関数一覧

 XPath関数は、その扱う型に応じてノードセット関数文字列関数ブーリアン関数数値関数に分類されます。concat、substring関数は文字列関数です。文字列関数に分類される関数について、以下の表にまとめておきます。

XPath文字列関数 概要
contains(strVal,strSrc) 文字列strValに部分文字列strSrcが含まれているかどうか
normalize-space(strVal) 文字列strValの前後から空白を取り除く
start-with(strVal,strSrc) 文字列strValが部分文字列strSrcで始まるかどうか
string(nodSet) ノードセットnodSetで表される値を文字列に変換する
string-length(strVal) 文字列strValの長さを返す
substring-after(strVal,strDlm) 文字列strValを区切り文字strDlmで区切ったとき、後半部の文字列を返す
substring-before(strVal,strDlm) 文字列strValを区切り文字strDlmで区切ったとき、前半部の文字列を返す
translate(strVal,strBfr,strAft) 文字列strValをstrBfrからstrAftへの規則に従って変換する

 containsやstart-withなど戻り値としてtrue/falseを返す関数は、<xsl:if>要素のtest属性などの条件式として使用できます。

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