第1回 Exchange Server 2003の機能概要:基礎から学ぶExchange Server 2003運用管理(2/3 ページ)
エンタープライズ向け機能の充実により大規模導入が進むExchange Server。運用管理の第一歩をここから。
Exchange Server 2003とは
前述したとおり、Exchange Server は、2003年8月に発売されたマイクロソフトのメッセージング&コラボレーション・プラットフォームである。メール・サーバとしての機能とグループウェアとしての機能を併せ持ち、企業内メール・システムやインターネット・メール・サーバ(SMTPサーバ)、情報共有基盤として利用できる。
Exchange Serverの標準クライアントはMicrosoft Office Outlook 2003(以下Outlook)である。次の画面のように電子メールの送受信やスケジュール共有、会議依頼、アドレス帳、電子掲示板などが利用できる。
Exchange Serverの標準クライアント“Outlook 2003”
マイクロソフトが提供するExchange Serverの標準クライアントは、OfficeアプリケーションのOutlookである。OutlookとExchange Serverを組み合わせることで、複数のメンバーによるスケジュール管理や共有フォルダ機能などが利用できるようになる。
ただしOutlook以外でも、Webブラウザや携帯電話、POP3/IMAP4対応の電子メール・ソフトウェアからもExchange Serverにアクセスすることができる(ただし、POP3/IMAP4メール・ソフトウェアが利用できるのはメール・サーバ機能のみ)。追加のソフトウェアを購入することなく、標準でWebブラウザと携帯電話に対応しているのはExchange Serverの大きな魅力の1つだろう。次の画面はWebブラウザからアクセスしたときの様子である。
Outlook Web Access(OWA)
OWAを利用すれば、Webブラウザ(IE)からExchange Serverにアクセスすることもできる。画面から分かるとおり、Outlookを利用する場合と同様に各種機能を利用できる。
この機能は「Outlook Web Access(OWA)」と呼ばれ、Outlookとほとんど同じ機能と操作性を提供している。メールを自動仕分けするための「仕訳ルール」やスケジュール登録したイベントの通知機能「アラーム」、右クリックのポップアップ・メニューにも対応しており、Webブラウザであることを感じさせないほどよくできている(ちなみにOWAの初期バージョンは、使い勝手/パフォーマンスともお粗末なものだったが、Exchange 2000 Serverからは大きく改善された)。
次の画面は携帯電話(i-mode)からアクセスしたときの様子である。
Outlook Mobile Access(OMA)
OMAを利用すれば、携帯電話(i-mode)からExchange Serverにアクセスできる。標準でこうした機能を利用できるのはExchange Serverの大きな特徴だ。
この機能は「Outlook Mobile Access(OMA)」と呼ばれ、Exchange Server 2003からの新機能である。設定はとても簡単で、Exchange Serverの管理ツールからOMAを有効にするためのチェック・ボックスをチェックするだけでよい。携帯電話からはURLに「http://サーバ名/oma」と入力すればアクセス可能になる(通常はSSLを利用)。
このように企業内メール・システムとしての利用がExchange Serverの最も基本的な使い方である。そのほかSMTPにも対応しているので、インターネット・メール・サーバとしても利用できるし、スケジュール共有、会議依頼、電子掲示板といったグループウェア機能も持っている。では、Lotus Notes/Domino(IBM)やサイボウズ Office(サイボウズ)など他社製のメール・サーバ/グループウェアと比較して、Exchange Serverはどういった点が導入メリットになるだろうか? 以降では導入メリットについて説明していこう。
【コラム】Exchange Serverの歴史
Exchange Serverが最初に登場したのは1996年である。その前身となったファイル共有型のメッセージング・システム「Microsoft Mail」の欠点を払しょくするべく、クライアント/サーバ型アーキテクチャを採用した。また、当時グループウェアとして隆盛を極めていたLotus Notesの対抗馬として、マイクロソフトが力を注いだ製品でもある。
発売日 | Exchange Serverのバージョン |
---|---|
1996年6月 | Exchange Server 4.0 |
1997年4月 | Exchange Server 5.0 |
1997年11月 | Exchange Server 5.5 |
2000年11月 | Exchange 2000 Server |
2003年8月 | Exchange Server 2003 |
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