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PLCでケーブルだらけのLANにさようなら5分でネットがわかるシリーズ(8)(2/5 ページ)

昨年末、待望の実用化がスタートした電気線インターネット。コンセントを用いて、屋内にLANが構築できる仕組みをみてみよう。

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2. なぜ電力線を使ってデータ通信ができるの?

 ここではPLCについての技術的な部分について解説します。そんなに難しい仕組みではないので、肩の力を抜いて読んでください。

 PLCの仕組みを考えるときに、まず「なぜ電力線を使ってデータが送れるの? 感電しないの?」と素朴な疑問を持つことでしょう。筆者もそうです(笑)。不思議な技術に感じる「PLC」ですが、原理はとても単純です。

 関東では50Hz・関西60Hzと電力には周波数があります。インターネット・LAN上で流れるデータも、周波数帯域を使って通信を行っています。ただ電力と違ってPLCでは4〜28MHzと、電力と違って非常に高い周波数を使っています。なぜ高い周波数を使っているかというと、より大きなデータをやりとりできるためです。

 ではPLCがどのようにデータ通信をしているか見ていきましょう。まず電力線に流れる「電力の信号」(図3)に、パソコンのデータをやりとりする「データ通信の信号」(図4)を加わります。

図3 電力周波数(電力の信号)
図3 電力周波数(電力の信号)
図4 情報信号(データ通信の信号)
図4 情報信号(データ通信の信号)

 この図3の信号の上に、図4のデータが加わり、電力線へ流れる様子です(図5)。

図5 電力とデータ通信が合わさる
図5 電力とデータ通信が合わさる

 データを載せた電力がビル・家の中にある電力線を駆け巡り、目的のPLCモデムがデータの周波数部分だけを抜き取ります(図6)。これで同じ電力線を使って電力とデータ通信が1本のケーブルで利用できます。

図6 重なり合ったデータを抜く
図6 重なり合ったデータを抜く

 いかがでしょうか? ここで使われている周波数の変調を利用して情報を伝達する技術は、こうして見てみると単純な仕組みです。

図7 屋内LANで利用されるPLCのイメージ
図7 屋内LANで利用されるPLCのイメージ
電力とデータ通信を合わせるため(図C)と重なり合ったデータを抜くため(図D)、2台のPLCアダプタが必要になる

 ここで出てきた「4〜28MHzの周波数帯を使ってデータ通信をしている」ということを、頭の片隅に入れておいてくださいね。これはとても重要なキーワードです。

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