PLCでケーブルだらけのLANにさようなら:5分でネットがわかるシリーズ(8)(1/5 ページ)
昨年末、待望の実用化がスタートした電気線インターネット。コンセントを用いて、屋内にLANが構築できる仕組みをみてみよう。
2007年最初の「5分でわかるシリーズ」は、話題の技術「PLC」こと「高速電力線通信」を取り上げます。
年末の大掃除に、家庭・会社を問わずにあまりにもゴチャゴチャしたLANケーブルとハブを見て「何とかならないかな?」と感じた人も多いでしょう。そこでコンセントを使ってほかのマシンと通信ができるPLCは、とても気になる技術ではないでしょうか。
今回はPLCの概要と利点、その歴史と問題になっている点を見てみましょう。
1. PLCってどういう意味?
PLCとは「Power Line Communications」の頭文字を取ったものです。「Power Line」は電力線、「Communications」はいわゆる「コミュニケーション」という意味もありますが、「通信」「情報」という意味もあります。直訳すると「電力線通信」となりますね。実はほかにもいろいろな訳語があり、「電力線データ通信」「電力線搬送通信」といわれる場合もありますが、基本的には同じです。
現在発売されているPLCアダプタは理論上30Mbps以上の速度が出るので、厳密には「高速PLC」と「高速」と付けた方がより正確だという考え方もあるようですが、この記事内では「PLC」で統一をします。
●PLCで何ができるの?
PLCの利点は電気のコンセントを使って、データ通信ができることです。有線LANを使う場合はケーブルを引くためのスペースや手間が掛かりますし、無線LANだと電波が届かない場所やスピードの問題があります。が、PLCを使えば、理論上数、数百Mbpsの通信スピードが出るうえ、コンセントがある部屋・場所ならすぐに利用することができます。
PLCを利用するには専用の「PLCアダプタ」が必要です。PLCモデムは親機と子機があり、親機はインターネットの回線を取り込み、子機はPCや情報家電と接続しデータのやりとりをします。
●なぜ注目をされているのか
実はPLCの技術自体は、そんなに新しいものではありません。では、なぜ最近PLCがなぜこんなに話題になっているのでしょうか。実は2006年12月9日に松下電器産業からPLCモデムが発売されたからです。その経緯については3ページ目で解説していますが、まずPLCの技術的仕組みについて見てみましょう。
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