データベースの設定内容と各テーブルの定義
今回のサンプルに必要なデータベース、sample_db5では、前回作成した「簡易在庫管理システム」の「item」テーブルと、第5回の簡易オンラインストアで作成した「count」「order_main」「order_item」テーブルを使用します。
第5回の「簡易オンラインストア」では、order_itemテーブルのitemカラムに注文した商品の商品名を挿入しました。
しかし、商品名や単価などの商品情報はitemテーブルで管理するため、今回は、order_itemテーブルのitemカラムにはitemテーブルのidカラムの値を挿入するようにします。そのため、order_itemテーブルのitemカラムを「varchar(20)」型から「int(10) unsigned」型に変更しています。
なお、第5回の仕様では注文数に0以下を挿入することができませんでしたが、今回は0以下の値の挿入が可能となるようunsignedを設定しません。itemテーブルも同様に、注文が過多となり在庫数が0以下になる場合を考慮し、qtyカラムを「int(10) unsigned」型から「int(10)」型に修正しています。
order_mainテーブルには新たに、郵便番号を登録するzip_codeカラムを設けています。郵便番号は0から始まる場合があり、int型では冒頭の0が欠落するため「varchar(9)」型で定義します。各テーブルの詳細は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
---|---|
ユーザー名 | php |
パスワード | password |
データベース | sample_db5 |
カラム名 | 型 | 備考 |
---|---|---|
max_no | int(10) unsigned | 注文番号のカウントに使用* |
countテーブル |
カラム名 | 型 | 備考 |
---|---|---|
order_no | int(10) unsigned | 注文番号* |
order_date | datetime | 受注日時 |
name | varchar(20) | 氏名 |
zip_code | varchar(9) | 郵便番号 |
address | varchar(100) | 住所 |
order_mainテーブル |
カラム名 | 型 | 備考 |
---|---|---|
order_no | int(10) unsigned | 注文番号** |
order_date | datetime | 受注日時 |
item | int(10) unsigned | 商品ID** |
qty | int(10) | 注文個数 |
order_itemテーブル |
カラム名 | 型 | 備考 |
---|---|---|
id | int(10) unsigned | 商品ID* |
name | varchar(50) | 商品名*** |
detail | varchar(200) | 商品詳細 |
price | decimal(10,2) unsigned | 値段 |
qty | int(10) | 在庫数 |
itemテーブル |
注:
*には主キーを設定
**には複数カラムにまたがる一意キーを設定
***には一意キーを設定
外部キー制約の利用
order_itemテーブルのitemカラムには、itemテーブルのidカラムの値が挿入されます。そのため、order_itemテーブルに値が存在している一方で、itemテーブルのidカラムの値が勝手に変更されたり削除されたりすると、商品のひも付けができなくなります。
同様に、order_itemテーブルのorder_noカラムには、order_mainテーブルのorder_noカラムの値が挿入されます。こちらもorder_mainテーブルのorder_noカラムの値が勝手に変更されたり削除されたりすると、どの注文にひも付く商品なのかが分からなくなってしまいます。
このようにテーブル間の値に一定の条件を設ける際には、「外部キー制約」を利用します。
外部キー制約を設定することで、参照する側(この場合はorder_itemテーブルのitemカラム)に挿入されるデータを、参照される側(itemテーブルのidカラム)に存在しているデータのみに限定することができます。
また、参照される側(itemテーブルのidカラム)の値を変更した場合には、エラーを表示するか、参照する側のデータを同様の値で更新またはNULL値を挿入することができます。同様に、参照される側(itemテーブルのidカラム)の値が削除される場合も、エラーを表示するか、参照する側のデータを削除またはNULL値を挿入することができます。
外部キーの設定では「参照される側/する側」の関係を「親/子」に例えて説明することができます。参照する側(order_itemテーブル)と、参照される側(order_main、itemテーブル)の関係は次のようになります。
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