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オープンソースのバグトラッキング・ツール「BugTracker.NET」を使う連載:VBで実践! 外部コンポーネント活用術(2/3 ページ)

バグの報告と修正状況を管理するASP.NETで作られたお手軽バグトラッキング・ツールを紹介。バグ管理していますか?

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インストールは簡単

 BugTracker.NETのインストールに必要なものは、ASP.NET 2.0(.NET Framework 2.0)とIISそしてSQL Server 2000/2005です。SQL Serverは無償のExpress Editionも利用可能です。Windows OSはWindows ServerでもWindows XPでもインストール可能です。

■zipファイルのダウンロードと展開

 BugTracker.NETのダウンロードはSourceForge.netのBugTracker.NETのページから行います。本稿執筆時点で配布されている最新バージョンは「2.7.7」です。

 まず「btnet_2_7_7.zip」をダウンロードし、zipファイルの中身をIISで公開する仮想ディレクトリに展開します。本稿では、「C:\Inetpub\btnet_2_7_7」に展開しました。展開したフォルダにはREADME.htmlが用意されており、ここにインストールの手順が記載されています(上述したように残念ながら英語のみです)。

 BugTracker.NETでは、動作ログを保存するフォルダ、バグの発生した場面のスクリーンショットなどのファイルをアップロードする際に使用するフォルダが別途必要になりますので、それぞれに対応するフォルダも作成しておきます。どちらもIIS(ASP.NET)を実行しているプロセスが書き込みを行えるよう、セキュリティ設定を調整しておきます。

■IISの設定(仮想ディレクトリ)

 次にWebサイト(仮想ディレクトリ)の設定を行います。IISの管理ツールを用いてBugTracker.NET用の仮想ディレクトリを作成します。

 通常のWebアプリを構成する場合と変わりはなく、「仮想ディレクトリの作成ウィザード」では「ISAPIアプリケーションやCGIなどを実行する」にチェックし、仮想ディレクトリの物理パスが先ほどzipファイルを展開したフォルダとなるようにしておきます。


画面2 BugTracker.NET用の仮想ディレクトリの設定

 また、複数のバージョンの.NET Frameworkがインストールされている環境では、仮想ディレクトリのプロパティで「ASP.NET 2.0」が設定されていることを確認します。

■SQL Serverの設定(データベースの作成)

 続いてはデータベースの設定です。BugTracker.NETのドキュメントには、最初にWeb.Configに含まれるデータベース接続文字列を修正し、データベース管理者の権限でデータベースにアクセスできるようにした後、Webブラウザから、データベースの作成や、必要なテーブルの作成を行うように記述されています。しかし、セキュリティの設定によってはうまくデータベースのセットアップが行えない場合がありますので、ここでは管理ツール(SQL Server 2000ならEnterprise Manager、SQL Server 2005ならSQL Server Management Studioなど)からデータベースの設定を行うことにします。

 管理ツールで行うことは、データベースの新規作成とデータベースに含まれるテーブルなどのセットアップです。まずはデータベースを作成します。今回の例では「btn277」というデータベースを作成しています。また、セキュリティの問題などでBugTracker.NETからこのデータベースにアクセスする権限を制限する必要があれば、ユーザーを別途作成しておきます(後述するデータベースへの接続文字列に、ここで作成したユーザー情報を指定します)。


画面3 データベースの作成(SQL Server 2005の場合)
データベースの作成で特に注意する点ない。必要ならASP.NETのプロセスからデータベースに接続するアカウントを別途用意する。

■データベースの内容のセットアップ

 次にBugTracker.NETに必要なテーブル類をセットアップします。BugTracker.NETを展開したフォルダにsetup.sqlというスクリプト・ファイルが用意されているので、これを実行します。

 ここではSQL Server Management Studioを例にとって実行方法を説明します。SQL Server Management Studioではメニューの[ファイル]−[開く]から、zipファイルを展開したフォルダにあるsetup.sqlを選択します。クエリのウィンドウが開きますので、使用できるデータベースが「btn277」になっていることを確認し、ツールバーの[実行]ボタンを押します。

 実行後、メッセージ・ウィンドウにエラーが表示されていないか確認して、SQL Serverの設定は完了です。SQL Server 2000の場合は、Enterprise Managerでデータベースを作成した後、クエリ・アナライザで該当するデータベースに対してsetup.sqlを実行します。

Web.configの修正

 最後に、zipファイルを展開したディレクトリにあるWeb.configファイルの内容を修正して、データベースやサイト、メール送信などに必要な情報の設定を行います。

 Web.configには<btnSettings>という要素があらかじめ作成されており、この中にデータベースに接続するための接続文字列が格納されています。まずその記述を先ほど作成したデータベースに合わせて修正します。

<btnetSettings>
  <!--
    Change this to point to your database
  -->

  <add
    key="ConnectionString"
    value="server=.\YUKON;database=btn277;user id=sa;password=admin;Trusted_Connection=no"
  />
</btnetSettings>

Web.configの<btnSettings>要素で定義された接続文字列の記述例
キーと値を記述した<add>要素で各種の設定を追加していく。

 さらにログ作成とファイルのアップロードに用いるフォルダの指定を行います。これには「LogFileFolder」「UploadFolder」といったキーで、事前に作成しておいたフォルダを指定します。また、キー「AbsoluteUrlPrefix」に、このWebアプリケーションのURLを記述しておきます。バグ情報がメールで送られた際には、メールの本文にここで設定したBugTracker.NETのURLが埋め込まれます。

■メール送信の設定

 BugTracker.NETでは、バグ情報が作成/修正された場合に関係者にメールを送信できますので、その際に必要となるメール・サーバをキー「SmtpServer」で指定します。メール送信に必要な送信元のメール・アドレス、エラーが発生した場合の通知先メール・アドレスなども必要に応じて設定しておきます。

 以上でインストール作業は終わりです。Webブラウザで仮想ディレクトリにアクセスするとログイン画面が表示されます。データベースにはあらかじめ管理者として「admin」ユーザー(パスワードも「admin」)が登録されていますので、このアカウントを使って、使用環境に応じたメンバーの追加やプロジェクトの追加などを行います。

 BugTracker.NETのユーザーには管理者と非管理者の指定ができますが、管理者は次のような設定が行えます。

  • ユーザーの追加/修正
  • プロジェクトの作成/修正
  • カテゴリの追加/修正
  • プライオリティ(重要度)の追加/修正
  • ステータスの追加/修正
  • カスタム・フィールド(列)の設定
  • バグ一覧表示内容の修正

 なお、カテゴリやプライオリティ、ステータスの項目はインストール時にすでに英文でデータベースに登録されていますが、これらを日本語に(「new」→「新規」といった具合に)変更することで、若干ながら日本語版風に表示を変更できます。

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