プロジェクトで利用するライブラリを“見える化”
依存ライブラリの設定
次に、プロジェクトで利用するライブラリを追加設定してみましょう。通常、Mavenでは直接テキストエディタなどでpom.xmlファイル中のdependency要素を追記するのですが、q4eではそれをGUIにより簡単に設定できるようになります。
Maven2メニューから「Manage Dependencies」を選択すると、図11中の【1】のウィンドウが表示されます。【1】のウィンドウでは設定済みの依存ライブラリが確認できます。
[New]ボタンを押すと【2】のウィンドウが表示されます。【2】のウィンドウでは追加する依存ライブラリの情報を入力します。といっても、追加したいライブラリのGroup IDやArtifact IDは調べないと分からないでしょう。セントラルリポジトリにあるライブラリについては、「Maven Repository」というサイトを利用して検索できます。
さらに、q4eではすでにローカルリポジトリに保持しているライブラリを検索して設定できる機能があります。ライブラリを検索するためのウィンドウ(【3】)は、【2】のウィンドウのGroup IDの右にある[...]ボタンを押すと表示されます。
そこで、所望のライブラリを指定して[OK]を押すと、自動的に【2】のウィンドウの設定項目が入力されます。このようにして簡単に依存ライブラリを簡単に追加していくことができます(もちろん、削除も可能です)。
追加されたライブラリは自動的にpom.xmlに追記されますので、実際にpom.xmlファイルをのぞいてみてください。
依存ライブラリのさまざまな“見える化”機能
また、q4eでは一目で依存ライブラリの情報が確認できる[View Dependencies](依存ライブラリをグラフ化する:図12)、[Analyse Dependencies](依存ライブラリの階層など詳細情報を参照する:図13)といった機能があります。比較的大きなプロジェクトになると依存ライブラリも多くなるため有用になることでしょう。
テスト結果などのレポート生成プラグインも豊富
最後にレポート生成を行います。ここでは、Coberturaプラグインを使って、テストカバレッジレポートを生成してみます。
「Maven2メニュー」の[Execute Goal]を実行し、ゴールに「cobertura:cobertura」(coberturaプラグインのゴールcobertura)を指定して実行します。完了すると、target/site/coberturaにレポート結果がHTML形式で出力されています(図14)。
Mavenのレポート用プラグインには、Coberturaプラグインのほかに以下のようなプラグインがありますので、試してみてはいかがでしょうか。
・Surefire-Reportプラグイン:テスト結果レポート
・Checkstyleプラグイン:コーディング規約チェック結果レポート
・PMDプラグイン:コード解析結果レポート
・JDependプラグイン:メトリクス分析レポート
・JXRプラグイン:ソースコードクロスリファレンスレポート
Maven苦手意識は克服できるのか!?
本稿ではまず、ビルドプロセスを自動化するMavenとそれをEclipse上で利用するためのq4eプラグインを紹介しました。
Mavenは「かめばかむほど味が出るツール」だと思っていますが、中にはそのとっつきにくさから食わず嫌いになっている方も多いのではないでしょうか。q4eを利用すれば多少はその苦手意識を克服できるかもしれません。試してみる価値はあるでしょう。
次回後編では、q4eとEclipse WTP(Web Tools Project)の連携を中心にお届けする予定です。
編集部注:Eclipse WTPについて詳しく知りたい読者は記事「Webアプリのための標準プラグイン『WTP』」をご参照ください。
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