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IT技術者の4割は月200時間以上労働――IPAが調査「産業全体として厳しい現場化している訳ではない」

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 情報処理推進機構(IPA)は5月22日、エンタープライズ系ソフトウェア技術者個人の実態調査の結果を発表した。IPAがエンタープライズ分野でこのような調査を行うのは初めて。

 同調査は、ソフトウェア技術者の職場実態を調査することで、ソフトウェア産業が抱える課題を構造的に捕捉することを目的としているという。IPA ソフトウェア・エンジニアリング・センター(SEC)のダイレクトメール送信先と、Web調査会社の一般モニターを対象とした。有効回答数は2168。

 IPA SEC エンタプライズ系プロジェクト プロジェクトサブリーダ 高橋茂氏は、調査結果からエンタープライズ系ソフトウェア技術者の実態は「産業界全体では、世間でいわれているほど悪い状況ではない」と説明した。仕事に対するモチベーションについて過半数が肯定的な回答をしており、「仕事のやりがい、やる気、仕事の達成感が、正のスパイラルを描いている」(高橋氏)という。

 しかし、月平均の就労時間が200時間を超える「長時間労働者」は全体の40.1%おり、「健全な水準とはいいがたい」としている。特に「インフラ構築」「運用構築」「コンサルティング」「プロジェクト管理」「運用」などに携わっている技術者は、長時間労働を行っている率が高いという。


平均就労時間・ピーク時就労時間(IPA資料から、クリックで拡大します)

 年収に関しては、「全体の中央値は500〜600万円で、全産業平均値と照合すると、給与水準は必ずしも低くはない」(高橋氏)としながらも、ユーザー企業や元請けのベンダ企業と比べると、一次下請けや二次以下の下請けとなるベンダ企業では、年収分布が低い側にシフトしていることを指摘。また、サービス残業を「している」「どちらかといえばしている」と回答した人が全体の57.2%を占めており、労働時間と報酬のバランスが取れているかどうかは未検証だという。報酬への満足度に肯定的な回答を出したのは、全体の26.4%に留まった。


産業階層と年収

 転職経験が「ある」人は52.4%と過半数。また、3人に1人は現在、転職を考えているという。5人に1人は次のキャリアとして「異なる業界で働きたい(ユーザー企業の現業部門も含む)」と考えていることも分かった。


今後のキャリア

 プロジェクトに関しては、直近1年間の代表的プロジェクトのQCD(品質、コスト、納期)について成功か失敗かを聞いたところ、「成功事例である」「どちらかといえば成功事例である」を合わせても、QCDいずれも過半数を割った。うまくいった場合の要因は「コミュニケーション」と「管理手法」という回答が多かった。外注形態別に見ると、「すべて外注」の場合は品質と納期で否定的な回答率が高く、オフショアリングを実施している場合は、国内のみの外注の場合に比べて、QCDすべてで否定的な回答率が高かった。

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