なぜ若手こそ「Linux」を学ぶべき? 高年収エンジニアが考える“無駄じゃなかった”基礎学習:ベテランが感じる価値ある技術領域、LPI-Japan調査
LPI-Japanは、年収700万円以上のインフラエンジニア110人を対象とした調査結果を公表した。ベテランエンジニアが感じる若手時代に学んだ技術領域の価値や、その後のキャリアに役立っている理由などをまとめている。
特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(以下、LPI-Japan)は2026年4月10日、年収700万円以上のSRE(Site Reliability Engineering)エンジニアやインフラアーキテクトなど110人を対象とした「SRE・インフラアーキテクトのキャリア形成に関する実態調査」の結果を発表した。調査は2026年1月15〜16日にWeb形式で実施された。
インフラエンジニアとしてキャリアを積んできたベテランが若手時代に学んだ技術のうち、特に価値があると感じる領域や、その後のキャリアに役立っている理由などがまとめられている。
若手時代は無駄じゃない――ベテランが実感「やってよかった基礎学習」
新人から若手時代(入社1〜5年目ごろ)に最も力を入れた技術領域は、「プログラミング/スクリプト言語」が41.8%でトップ。「ネットワークの基礎」(TCP/IP、DNS、ルーティングなど)が33.6%、「Linux/OSの基礎」(コマンド操作、ファイルシステム、プロセス管理など)が31.8%と続いた。「データベース」は27.3%、「セキュリティの基礎」は17.3%だった。
若手時代の学びが現在のキャリアに役立っているかという問いに対しては、「非常にそう思う」が47.0%、「ややそう思う」が40.0%で合計87.0%が肯定的に回答した。「あまりそう思わない」は11.0%だった。
役立っている理由の最多は「新しい技術を学ぶ際の土台になっているから」(57.5%)で、「設計やアーキテクチャ検討で生かせているから」と「技術的な判断・意思決定の根拠になっているから」が共に46.0%、「障害対応やトラブルシューティングの基盤になっているから」が44.8%で続いた。
「もっと勉強しておけばよかった」領域も基礎技術が上位
新人から若手時代に「もっと勉強しておけばよかった」と感じる技術領域では、「プログラミング/スクリプト言語」が40.0%、「ネットワークの深い理解」(パケット解析、L2/L3設計など)が38.2%、「データベース」と「セキュリティ」が共に32.7%。「Linux/OSの深い理解」(カーネル、システムコールなど)も28.2%が挙げた。
Linux/OS基盤技術の学習、77.3%が若手に推奨
今の若手エンジニアにLinux/OS基盤技術の学習を勧めるかについては、「強く勧める」が35.5%、「やや勧める」が41.8%の合計77.3%が推奨する立場を示した。「あまり勧めない」は12.7%、「全く勧めない」は2.7%だった。
推奨する理由の1位は「トラブルシューティング能力の土台になるから」で54.1%。「クラウドやコンテナの基盤はLinuxだから」が44.7%、「他の技術を学ぶ際の理解が早くなるから」が42.4%、「AIに代替されにくいスキルだから」が37.6%と続いた。
77.2%が「若手は基盤技術に触れる機会が減っている」と実感
若手エンジニアがOS/基盤技術に触れる機会が減っていると感じるかについては、「非常に感じる」が33.6%、「やや感じる」が43.6%で合計77.2%が機会の減少を実感している。「あまり感じない」は13.6%、「全く感じない」は2.7%だった。
若手へのアドバイスとしては、「トレンド技術だけでなく基礎も大切にすべき」が49.1%が最多で、「表層的な操作だけでなく仕組みを理解すべき」が37.3%、「実務経験を積みながら学ぶべき」が32.7%、「Linux/OS基盤を早いうちに学んでおくべき」が27.3%と続いた。
推奨する学習方法は「業務での実践経験」がトップ
若手に勧めたい学習方法は、「業務での実践経験」が48.2%でトップ。「自宅でのLinux環境構築・実践」が44.7%、「オンライン学習サービス」(Udemyなど)が43.5%、「技術書・参考書での独学」が38.8%、「資格試験の学習、取得」(LinuCなど)が36.5%だった。推奨する学習方法について「役に立った経験がある」と答えたエンジニアは84.5%に上った。
基盤技術の重要性、調査結果から浮き彫りに
LPI-Japanは調査結果を踏まえ、クラウドやコンテナの普及でOSやネットワークの知識を意識せずに業務がこなせる環境が広がり、若手が基盤技術に触れる機会が減少していると指摘する。一方で、ベテランエンジニアが自らの経験から得た「基盤技術理解の重要性」が調査結果に表れているとしている。基盤技術の理解は新技術習得の効率化やトラブルシューティング能力の向上に直結すると指摘。企業に対しては、若手が基礎を体系的に学べる研修機会や実践環境の整備の必要性があるとしている。
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