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VMwareが「ESXi」ハイパーバイザを無償提供へMS「Hyper-V」に対抗か

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 米ヴイエムウェアは、「ESXi」ハイパーバイザの無償バージョンをリリースする準備を進めている。ヴイエムウェアの新CEOに就任したポール・マリッツ氏は、自社の仮想化技術をクラウドコンピューティングの世界に奥深く進出させる一方で、SMB(中堅中小企業)市場へのリーチを拡大する方針だ。

 仮想化技術企業のヴイエムウェアのコアビジネスをめぐる新方針は、7月22日に同社の2008年4〜6月期の決算報告が行われた後で発表された。同社は4億5600万ドルの売上高に対して5200万ドルの純利益(1株当たり13セント)を計上したが、この数字はウォール街の予測を下回るものだった。 ヴイエムウェアの幹部によると、マイクロソフトという新たな競争相手が出現し、これは将来の売り上げと収益に影響を及ぼす可能性があるという。

 ヴイエムウェアはx86仮想化分野では依然としてリーダーであるが、同社の市場シェアを脅かす新たな競争相手が登場したことや、同社の共同創業者のダイアン・グリーン元CEOが去ったこともあり、現在、不安定な状況に置かれている。親会社のEMCとの意見の対立が原因でグリーン氏がヴイエムウェアから追い出されたのか、同氏が自発的に退社したのかは定かではない。

 マイクロソフトの元幹部だったマリッツCEOは、財務アナリストとの電話会見の中で、ヴイエムウェアの収入の大半はVirtual Infrastructure管理スイートの売り上げによるものであることを明らかにした。「次の論理的なステップは、フットプリントがわずか32MBのバージョンであるヴイエムウェアのESXiハイパーバイザを顧客に無償で提供することだ」と同氏は語った。

 この無償版は「ESXi 3.5」と呼ばれ、7月28日からダウンロード可能になる。マリッツ氏によると、このアプローチは、多くの顧客をヴイエムウェアに囲い込み、仮想化技術を広く浸透させるのに有効だと考えているという。

 ヴイエムウェアとそのOEMパートナー各社はすでに、仮想化技術を市場に浸透させる手段として、「ESX 3i」ハイパーバイザをサーバに組み込んで販売している。無償ハイパーバイザの投入は、市場でのヴイエムウェアのプレゼンスの拡大につながるとみられる。

 「われわれは今後も、コアとなる基盤技術としてハイパーバイザへの投資を続けるつもりだ。ESXiは当社の最新技術を具現化したものだ。これはフットプリントが非常に小さいのが特徴で、導入するのが非常に容易だ。この技術のメリットを享受できる人々はもっとたくさんいると思う」とマリッツ氏は語る。

 無償ハイパーバイザを提供するという方針は、マイクロソフトが「Hyper-V」製品を発表してからわずか数週間後に打ち出された。マイクロソフトは現在、特にSMB市場でヴイエムウェアからシェアを奪うことを狙っている。

 ヴイエムウェアで製品とソリューションを担当するラグー・ラグラム副社長によると、この無償版ハイパーバイザは、ディザスタリカバリや事業継続などの機能をサポートする同社のVirtual Infrastructureスイートと組み合わせれば、マイクロソフトのHyper-Vで現在提供されているよりも多くの仮想化機能を実現することができるという。

 「条件は何も付いていない。ESXiを入手して利用するだけでいいのだ。仮想環境を実現するのに、Windows 2008にアップグレードしたり、データセンターに新しいOSを導入したりする必要はない。結局、ハイパーバイザは基盤技術にすぎず、顧客が求めているのは総合的なソリューションであり、また、ハイパーバイザ上に構築される仮想環境がもたらすメリットなのだ。そういったことをやりたいという顧客は、ハイパーバイザの上に仮想環境を構築するのに役立つ当社のVirtual Infrastructureを購入するだろう」とラグラム氏は話す。

 ヴイエムウェアはESXiハイパーバイザの無償提供を決めたが、ラグラム氏によると、ソフトウェアコードをオープンソース化する予定はないという。ヴイエムウェアでは、7月22日の発表前にESXiを有償で購入した企業を対象とした払い戻しプランも準備中だ。

 無償ハイパーバイザの発表は、仮想化市場の質的変化を反映したものでもあるようだ。

 「この6カ月、米シトリックス・システムズがXenSourceを買収し、マイクロソフトがHyper-Vをリリースするなど、仮想化分野を巡る状況が大きく変化した」と指摘するのは、Pund-IT Researchのチャールズ・キング社長だ。

 「数年前までは、ユーザーがESXハイパーバイザを500ドルで購入できるというのは悪い話ではなかった。しかし現在、ベアメタルハイパーバイザの価格は、基本的に無料かそれに近い。ベアメタルハイパーバイザが無償のコモディティになり、仮想化が一般化するのに伴い、ヴイエムウェアは生き残るためには無償化するしかないと気づいたのだろう」とキング氏は話す。

 マリッツ氏によると、ヴイエムウェアではハイパーバイザの無償版に加え、クラウドコンピューティングインフラの拡張を支援するために自社の技術を利用する取り組みを進めるという。ヴイエムウェアは9月に開催される「2008 VMworld」カンファレンスで、一連のクラウドコンピューティングソフトウェア製品を発表する予定だ。

 さらにマリッツ氏は電話会見で、「マイクロソフトがHyper-Vの提供を開始したいま、ヴイエムウェアはSMB市場への進出を拡大し、この市場でさらに多くの仮想化製品を投入する必要がある。無償のESXiサーバは、この方向に向けた第一歩である」と語った。

原文へのリンク

(eWEEK Scott Ferguson)

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