リクルートは8月7日、エンジニアの2008年夏季賞与に関する調査結果を発表した。同社が運営する情報サイト「リクナビNEXT Tech総研」で25歳から34歳までのIT系・モノづくり系技術者1000人に対してアンケート調査を行った。
夏季賞与の全体平均は70.2万円。昨年の夏季賞与からの上昇額については、平均で6万円の上昇だった。また、全体の68%が「昨年に比べて増えた」としている。同社では「日本経済団体連合会が2008年7月22日に発表した『2008年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結結果』では平均額が昨年に比べてわずかに減少しているが、今回の調査ではエンジニアの賞与は上昇傾向となっている」としている。
IT系とモノづくり系を比較すると、IT系の平均額が62.2万円であるのに対し、ハード系は68.7万円と、モノづくり系のほうが平均額が高くなった。
職種別では、最も額が高かったのは「生産技術・プロセス開発」(79.4万円)で、次いで「光学技術」(76.1万円)、「コンサルタント・アナリスト・プリセールス」(70.6万円)、「研究・特許・テクニカルマーケティングほか」(70.0万円)の順となった。「企業の根強い設備投資意欲が、生産技術・プロセス開発職の賞与を押し上げたのではないか」と同社は分析している。逆に、最も賞与が低かったのは「運用・監視・テクニカルサポート・保守」(51.1万円)で、次いで「制御設計」(59.3万円)、「システム開発(Web・オープン系)」(59.8万円)となった。
また、年代による賞与額の差に関しては、20代後半と30代前半を比較して、IT系は差額が5.9万円であったのに対し、モノづくり系は18.0万円と大きな差が見られた。同社は「製造業では、まだ年功序列型の賃金体系が残っているのが要因ではないか」としている。
さらに業種別で見ると、「銀行・信託・信金・信組・政府系金融」と「マスコミ・広告」が最も高く90.0万円。「鉄鋼・非鉄金属・金属・硝子・窯業・土石」、「繊維・衣料」が続いた。最も低かったのは「出版・印刷関連」の37.0万円だった。
賞与額の満足度については、60%が「自分の仕事内容に見合っている」と回答。過半数は満足しているが、34%は「50万円程度安い」と回答した。
賞与の使い道については、81.6%が「貯金する」と回答し、その額は平均で40.3万円だった。次いで「買い物をする」が53.4%で2位。平均額は14.6万円だった。同社は「原料・材料高や米国景気の悪化などを見越して貯金をする、という姿勢が強くなっているようだ」としている。
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