ユーザー名、ユーザー権限などの情報はオブジェクトに定義
また、すべての業務で共通して使う、ユーザー名、ユーザー権限などの情報は、フレームワークが規定する「UVO(User Value Object)」と呼ばれるオブジェクトに定義します。このオブジェクトは、フィルタやタグライブラリと連携することにより、認証、権限などの機能を実現します。
セッション削除漏れによるメモリ枯渇のリスクも低減
結果として、業務開発者は、セッション上の変数を追加、削除するといった処理を一切行わず、フレームワークが提供するオブジェクトを利用するだけで業務スコープ、セッションスコープの変数を定義できるようになりました。
この機能によって、業務処理の実装が容易になり、また、セッション削除漏れによるメモリ枯渇のリスクを低減できます。
【3】DB接続/トランザクションが簡単に
TERASOLUNAフレームワークでのDBアクセス処理は、業務ロジックでの入出力オブジェクトの生成とクエリ発行メソッドの呼び出し、設定ファイルへのSQL文の記述のみです。DBへの接続処理、トランザクション処理はフレームワークが行います。
O/Rマッピングツール「iBATIS」で、簡単DB接続
TERASOLUNAフレームワークは、「iBATIS」というO/Rマッピングツールを採用しています。O/Rマッピングツールとは、クラス間の依存関係に基づくJavaのオブジェクトの階層構造と、テーブルを構成要素とするRDBのデータ構造との違いを吸収するツールのことです。ここではJavaのオブジェクトとDBとの値のやりとりをするツールと考えてください。
SpringのAOPを使った、簡単なトランザクション
トランザクション処理は、業務処理に入った際に開始され、業務処理を例外により終了した場合はロールバックが、Return文で終了した場合はコミット処理が自動的に行われます。従って、業務開発者がトランザクション処理を記述する必要はありません。
トランザクション処理に関する機能は、Springの機能を利用して提供しています。繰り返しますがSpringでは、「AOP」と呼ばれる、メソッド名などの規約によって任意の処理を実行時に挿入する仕組みを提供しています。
TERASOLUNAフレームワークでは、業務ロジックにBLogicインターフェイスの利用を規定しているため、BLogicインターフェイスのメソッドに対してトランザクション処理を挿入することで、簡素なトランザクション処理を実現しています。
“実績”があり、日々“進化”してきたフレームワーク
今回は、システム開発においてStrutsフレームワークが抱えている問題と、それを解決したTERASOLUNAフレームワークの概要について説明しました。TERASOLUNAがStruts、Spring Frameworkを利用して分業、並行作業ができるアーキテクチャをいかに作ったかについて、ご理解いただけたかと思います。
TERASOLUNAフレームワークは、NTTデータの標準フレームワークの1つとして多数のプロジェクトで使われてきた実績があります。その過程で、システム開発でプロジェクト別に作っていた共通機能のうち、頻出のものをフレームワークの機能として取り込み、「日々進化してきたフレームワーク」といえます。
“使える”かどうかは、次回で体験すれば分かる
そのようなフィードバックを受けて取り込んだ機能のうち特によく使われるものを挙げると、「ログイン認証」「一覧表示」などがあります。これらの機能については、実際にアプリケーションを使って試してみることで、その使用方法を理解できるものと思います。
そこで次回からは、オープンソース化されたTERASOLUNAフレームワークを使ったサンプルアプリケーションを実際に作成し、その使いやすさを実体験していただきたいと思います。
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